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彼女

出会った日、彼女は海だった
次に出会った日、彼女は一杯のホットコーヒーだった
そして彼女は音楽に
ペロペロキャンディに
ビー玉のたくさん詰まったガラス瓶に
次々と姿を変えていく

今日も彼女は昨日の自分を上書きしていく
刹那にもそれを愛していかなくてはならないのだ

大きな破裂音がして、頭が上を向くのに合わせ目線が追いかける
早すぎた花火が空虚に花開いている
耳にジンジンとした痛みを感じながら
水溜りに映る色とりどりのひかりを眺めていた