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コーヒーチェーンはありがたい

皆さんはどういう目的で喫茶店を利用するでしょうか?

約束までの時間を潰す、久しく会う友達と話し込む、ウインドウショッピングで疲れ果てた末になだれ込む、MacBookで大学の課題や仕事をするなど色々な用途がありますが、僕はもっぱら読書モクで利用することが多いです。

こういう時に強く感じることは、必ずしも“良い”喫茶店が常にベストな選択になるとは限らないということです。

良い喫茶店は内装や雰囲気、提供されるコーヒーや軽食に個性豊かなこだわりが施されており、そこに訪れることや時間を過ごすだけで体験としてかなりの満足感があります。久しく会う友人と語らう際や街を歩き疲れた果てに利用するとなると素敵な思い出を彩ってくれることに間違いないでしょう。しかし、人目をはばからず作業をしたいとなると話は変わってきます。
喫茶店というのは営業形態上時間あたりの客単価が低くなりがちで、良い喫茶に長時間居座るとなると「ただでさえ営利に強く拘っているわけではないのに、こんな値段で居座っていいのか?」というある種の申し訳なさを感じてしまいます。

そんなあなたにコーヒーチェーンです。ひとたびドトールやコメダのドアを開けるとマルチの勧誘をする胡散臭い男性、なんか楽しそうな女子高生、湿っぽいトーンで井戸端会議をする中年女性、新聞を読んでいるおじいちゃんなど様々な顔が見えるはずです。その雑然性がすっと肩の荷を下ろすようにあなたのすべての行動を肯定してくれます。
また経営者と資本主義的な隔たりが大きいことから、あくまでお金の関係と割り切って後ろめたさを感じることも少ないでしょう。

かくして本が読みたい休日には吸い込まれるようにコーヒーチェーンに吸い込まれていきます。ドトール、コメダ、生まれてきてくれてありがとう。


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