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ふりだしもどり2

ここで、依存度の低い、つまり交流の少ない関係性のほうからも図化を試みることとし、市町村境の線の太さを、その交流度合いによって変えてみることにしました。

実はこの作業、定義づけがけっこあいまいなまま進めてしまい、奈良県を調べるうちにいろいろと判断に迷うようになってしまったのです。

というわけで、詳しく分析しましょう。
東近江市との市町村境を例に考えていきます。

さっきの表に、東近江市とあるところに緑色を塗りました。
このうち赤文字の部分は数字が高く、交流が多いことが分かります。また、黒文字の部分は赤文字の部分に次いで数字が高く、交流がやや多いことが分かります。
これをもとにして、東近江市と交流の多い市町村にピンク、やや交流の多い市町村に水色を塗りました(表の豊郷・甲良が灰色なのは後述します)。

ところで今何をしようとしているかというと、市町村境界の線の太さを交流の多さ・少なさに合わせて変えてやろうということでした。ということは、今の例でいえば、東近江市に接する市町村すべてを考えなければなりません。上の表のピンクや水色に着色した部分は、あくまでも東近江市と交流の深い市町村を表しているにすぎません。その市町村が東近江市と接さずに離れている可能性もあれば、ここに挙がっていない市町村で東近江市に隣接している市町村もあるというわけです。

地図で調べてみると、今の段階では出てきてなかった甲賀市が、東近江市と隣接していることが分かりました。また東近江市は他県と隣接していますのでそちらも考えなくてはなりません。県境では、三重県のいなべ市と菰野町が隣り合っていました。
甲賀市については表でもわかる通り、東近江市と5%以上の交流はありません。また三重県の両市町を調査したところ、こちらも同様でした。このように隣接してはいるものの交流が少ない(5%未満)市町村を黄色で表すことにしました。
ピンク・水色・黄色を地図に落としてみたものが上の図です。
この図に当初の定義通り、交流の多いほうから細線・太線・極太線で境界を引いてみましょう。

東近江市に接している境界について、線を引き終えることができ、これで作業は終了です。

で、豊郷町と甲良町についてです。こちらはさっきの表で東近江市との交流がやや多いと判定されていたものの、東近江市と接していないために、このデータは不要であったということになりました。そのためグレーで表しているわけです。

ところが、時と場合によっては、この「少し離れたところにある交流の深い市町村」という存在が、境界線引きに影響することになる、ということが後から分かったのです。

長くなるのでいったんここで終わりましょう。最後に述べたことが問題になるシーンはもう少し後に出てきますので、そのときに紹介したいと思います。

つづく

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