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愛すべき嘘雑学たち25「炎の誕生」

イタリアにこんな伝承がある

世界に、まだ太陽が3つあった頃
交代で地上を照らしていた為に
世界には暗闇が存在しませんでした

ある村に1人の好奇心旺盛な若者がいました
若者の名はエリオス
エリオスは暗闇を1度見てみたいと思ってました
村の長老に聞くと
「太陽を1つにすれば良い。太陽が1つになれば
その太陽が休憩中、暗闇が世界を覆うだろう
説得をしてみるが良い」
エリオスはヘラクレスの柱の先の世界の果てへ行き
太陽たちと話し合った
約100年の時を使い太陽たちを説得し
2つの太陽に地上へ降りて貰う
1つの太陽の休憩中
世界は暗闇に包まれた

だが、エリオスは暗闇に恐怖した
何も見えない世界はこんなにも不安で満ちているのか
この中で生きるのは羅針盤無しで大海を渡るようなものだ
そこで地上に降りた太陽たちに願い
元の様に天空で地上を照らして欲しいと言った
優しい太陽たちは
一度地上に降りた以上
私たちの天空には戻れない
私たちは分身を世界各地に派遣するので
それで暗闇を和らげなさい
地上は明るい昼と薄明かりが点々と浮かぶ暗闇の夜に別れたのだった
点々と浮かぶ薄明かりこそ「炎」であった
炎は他の用途にも使われ
人々に文明を築かせたのであった
            (ヴォイニッチ手稿第87章32詩より抜粋)

太古の昔に生まれた炎にはそんな意味があった
行き過ぎた炎が地上を燃やす事もあるのは
太陽たちの怒りだったりするのかも知れない

信じる?
ウソなのに?

#創作大賞2024
#ファンタジー小説部門

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