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「無駄を歓迎するクリエイティブ」と「無駄を排除するクリエイティブ」

記念すべき『視録的運動』の#01は、やはりサッカーのクリエイティブに関して書くべきであると思ったものの、好きなものが多すぎてどれを選ぼうかなどど悩んで筆が止まります。

このマガジンではできる限り「クリエイティブ(制作)」や「デザイン」を"個体として"扱い、それ単体で極めて感性的に語ることを目的としています。ブランディングというある意味で全体性を孕んだ語り口は他に譲るとして、ここでは、この写真・映像・デザインなどがどういう印象を与えるのか、なぜ好きなのか、なぜ"上手い"のか、などの視点をできる限り保ちたいと思っています。

よって「知識(例えばそのデザイナーやそのブランドの情報)」を共有することを目的としてはいません。なので仮に情報が間違っていても決して文句は言わないでください。優しくしてください。


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前置きはここまでとして、今回はギリシャのアテネにあるサッカークラブAthens Kallithea FCのクリエイティブについて。

いい。

このクラブ(ギリシャ2部)は、PresidentであるTed Philipakosさんがクリエイティブ・ディレクターを勤めていて(言ってるそばから付随する情報を書いているわけなので自分でもびっくりですが、このクリエイティブを語る上では避けられません)そりゃあ、クリエイティブにこだわるクラブになるに決まっているよなという感じなんですけれども、多分これ系の情報にアンテナをはっている人なら見たら感じると思いますが、何を隠そうVenezia F.CのChief Marketing Officerがこの人です(今はどうなんだろう知らん)。

Veneziaと言えば現在のサッカーカルチャーのある種トレンドを作り出したクラブと言って齟齬ないと思いますが、その仕掛け人が彼です。質の高いクリエイティブ(しかもビッククラブとは違う角度の戦略とビジュアルをもってして)を通してクラブを"強化"する、というような方法論で右に出る人はいないでしょう。多分。Veneziaで大成功して、現在彼はAthens Kallithea FCのプレシデントとして手腕を振いまくっているわけですね。


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やっとコンテンツについて触れますが、彼のクリエイティブディレクションの特徴としては

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スポーツを題材としたクリエイティブやデザイン、ブランディングやキャンペーンなどの中から印象に残ったものを選択し、それらについて考察や感想を…

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