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1人のお客さんの何気ない一言が、今日の昼流しのファンファーレ

「お布団はいかがですか!?寝心地も抜群の素材で、今ならキャンペーン中で半額でご購入頂けます!お盆を過ぎれば通常価格。手に取るなら今しかない!!」

突然目の前に現れて、いきなりこんなこと言われても、別に布団は家にあるし、何も困ってはいない。基本は皆さんお断りするかと思います。
たとえキャンペーン中でも、お盆期間限定価格であったとしても。

「お布団必要ないですかね。半額でこの素材は他にはないですよ。しかもお盆限定だからあと数日しかない。こんなチャンス、もう二度と手に入らないですよ。」

半額なのもお盆限定なのも、言わばすべて布団屋さんの都合。お客さんは知ったことではありません。
もっと言えば、別に困ってないのでチャンスすらも感じていない。

何が言いたいかというと、需要があって初めて供給が成り立つんですね。腹いっぱいなのに、ラーメンはいらんって話です。お腹すいてきたぞ。

この考えが「流し」にすごく通じていて。
私が何曲覚えようと、火曜の昼間しか来れないだろうと、すべてはお客さんが音楽を求め、リクエストを頂いて初めて流しが成り立つんですね。

今日は昼流しでした。昭和町LeXへ。
お客さんはいらっしゃいました。しかし、皆さま特に音楽を求めておられる感じではありませんでした。

1年前はものすごく焦りました。私は何をやっているんだろう。何しに来たんだろう。この状況をどうすれば払拭できるだろう。

今になってわかったんですが、むしろこの状況を払拭してはいけないんですね。
さっきの布団の話じゃないですが、音楽を求められてない以上、この状況を受け入れなければいけない。てかこの状況がお客さんにとっていい空間。

無理に突っ込めば、むしろ逆効果。何曲弾けようが演奏レベルが高かろうが関係ないです。何故なら音楽が求められていないからですね。

内心不安かと言われればその通りです。
これまで何度も何度も失敗しました。その度に焦り、その度に後悔しました。

もう失敗したくない。それ以上に、何よりお客さんに(何ならお店にも)迷惑をかけてはいけない。
私は開始30分間、1曲も演奏せずに待ち続けました。そして信じました。時は必ず来る

ギィィィー。扉が開いた音。

「あれー!?なんだ昼流し、もう終わったのか。」

店内に鳴り響いたこの一言が、まさに昼流しのファンファーレでした。

「ぬおすんません!まだ何もやってないです!!あ、先週のリクエスト曲覚えてきましたよ!!」

咄嗟に返してギターを取り出し、昼流しが始まりました。そこからはもう止まりません。
隣にいたお客さんも覚醒し、リクエストをバンバン頂きました。なんだかんだで20曲ぐらいですかね。本当にありがとうございました!!

いつだって緊張するのは一番最初です。本当怖いです。手ぶらで帰る覚悟もしています。だけど焦ってはいけない。流しはお客さんあって初めて成り立つもの

したがって私はいつ、どの曲が来てもいいよう、今日も明日も練習するのみです。


<追伸>
布団屋のくだりいらんかった気がする


明日は心斎橋で夜流し!!


これからもぶっ飛ばします。良かったらぜひ!