バンドへの強い憧れとコンプレックス
私は19歳の時に、大学で熊本から大阪へ来ました。大学を目指した理由は、音楽として生きる上で人と違う道を歩きたかったからです。賢くて音楽も上手だったら最高じゃん!とかそんな感じです。
就職するつもりはありませんでした。大阪まで来て大学まで行かせてもらったけど、頭の中は”音楽だけで生きていく”。そして”バンドを組む”。これだけでした。
大学在学中にバンドを組むことができましたが、恋に恋して恋が終わるように、バンドを組んだことで満足してしまい、真の意味でのスタートを切る覚悟も決意もなかったからです。
いくら探してもバンドメンバーは見つからなかった
10代の頃に抱いた熱き心はいつの間にか消え去ってしまい、夢を捨て私は就職をしました。しかしどうしても夢をあきらめきれず、2年後に退職して再びバンドメンバーを探しました。25歳の時の話です。
とにかく探し続けました。色々な人に声をかけたし、出会いが浅いながらもやっと見つかったメンバーでスタジオで音を出し、その後飲みに行ったりもしました。
しかし定着せず。
自分が納得いかない、バンドメンバーが連絡がつかなくなったなど、理由は様々でした。
2年間探し続けましたが見つかる気配もなく、気がつけば27歳。
これはもうやばい。そこそこの年齢になっとる。いよいよ活動しなければまったく何も始まらない。ということで一人でライブ活動を始めたのがこの頃でした。2012年、今から10年前の話です。
弾き語りで強いこだわりがあることに気づいた
10年経った現在、今もバンドメンバーを探しておりません。厳密に言えば、探す必要はなくなりました。
正式な形ではないですが、ライブを始めてから私には何よりも心強いメンバーと出会うことができました。
でかいことをやりたい時だけ集まってくれる。それ以外ではそれぞれの旅を続ける。それが一番自分に合っているバンドスタイルだったのです。
だからと言って、バンドへの強い憧れやコンプレックスが100%なくなったわけではありません。当時思い描いていた10代の私は、自分の正式なバンドを組んで大きなステージに立って歌うことを夢見ていたのだから。
その想いが今も残っているのか、私は弾き語りで目指す音はバンドの音です。
フォークソングのような独特の間や空気感ではなく、ギター1本なのにベースやドラムの音が聴こえてくるようなサウンドや雰囲気です。
私はバンドが好きです。ものすごく好きで、できることならいつも誰かにドラムを叩いてほしいし、誰かにベースを弾いてほしい。
でももし若い頃にバンドを組むことができたならば、今のようなスタイルにはなっていなかっただろうし、流しはもちろん、弾き語りすらもやっていなかったかもしれない。出会えなかった人もきっとたくさんいる。
コンプレックスとは人間味とたくさんのメッセージがあって、何ともおもしろいものですね。今の人生で本当に良かったです。
これからもぶっ飛ばします。良かったらぜひ!