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【生存率10%以下】ハードすぎる42の実態

2020年に42東京一期生として入学、2023年より42Lyonに在籍していて現在4年目になる筆者がこれまでの振り返りも踏まえて、42の本科課程の実態(超主観)について書いていきたいと思います。



1年目:必須課程前半

さて入学すると早速課題に取り組むことになります。piscineを突破された方であれば、同じ要領で課題を進めることができるでしょう。内容としても、標準関数、メモリ、マルチスレッド、グラフィックなどをCを中心に学習していきます。海外のCSのコースでやるような内容をカバーしていて、かなり勉強になります。


1年目で大変だったこと

  • 実用より理論優先

  • 7割が脱落する

1年目を終えた時の感想としては、実用より理論を優先している印象を受けました。というのも今人気なWEBやAIなど、仕事に直結する技術はほとんど使わないからです。CS系のあるあるですが、課題をやってもお金が稼げるようにならない→じゃあ自分は何のためにCSを勉強しているのか、という思考に陥りがちなので、そこはうまく乗り越えましょう(笑)

また入学直後にインターンが決まってそれ以降見なくなった人。別の仕事が忙しくなって、時間が取れずにブラックホールに飲まれてしまった人。理由は多種多様ですが、一年後には同期が大体3割になっていました。これは個人的にかなり応えましたね。今も元気でやってるといいな笑


2年目:必須課程後半〜コモンコア修了

さて暗い話題が続きましたが、ここからさらに課題の難易度が上がります(鬼畜)。前半の課題は数週間で終わるものも多く、基本的な実装をしたら終わりですが、数ヶ月単位のプロジェクトが増えてきます。毎回ドキュメントとの戦い、わからなければ調べる→それでも分からなければ聞くというサイクルを繰り返したおかげで、未知への恐怖心というのはここで一番鍛えられた気がします。またチーム課題も多いので、共同作業が好きという人にとってはかなり楽しい期間かもしれません。


コモンコア修了後

42には全学生のデータベースを確認できるサイトがあるのですが、42東京でのファーストサークル突破率は8%程度でした。一方でリヨンの場合は60%程もあるみたいです。リヨンはフルコミットしてる学生が多く(奨学金ももらえる)、一概には数字で比較はできませんが、キャンパスによってもかなり違いがあるのは確かなようです。


コモンコアを修了することによって得られる恩恵は主に2つで、

  • ブラックホール制度がなくなる

  • キャンパスを自由に転校できる

とかなり優遇してもらえるようになります。特にキャンパス移動は僕にとって魅力的で、後半はそこだけを目標にひたすら課題をこなしてました笑ずっと来たかったフランスで今こうして勉強できているので、そこは本当にありがたいなと思います。海外に行きたい人は、このためだけに42に挑戦する価値があるんじゃないでしょうか。エンジニアリングを世界中を旅しながら学べる学校ってなかなかないと思います😂


海外の42キャンパスについてまとめた記事もあるので、気になる方はこちらも


3年目:専門課程開始、インターン

ファーストサークルを突破してようやく実践的なコードを書けるようになります。WEB、機械学習、セキュリティ、ゲーム等、自由に課題を選択して取り組むことができます。ちなみに僕は現在、WEBと機械学習とグラフィック系の課題に主に取り組んでいます。

またこの期間にインターンを必須でしなければいけなく(東京は必須ではない)、現在絶賛求職中になります。誰か雇ってください笑

なので周りはインターンラッシュ、既に終えた子達は一つ逞しくなって帰ってきます。実際、就労経験があると自信にもつながってくると思うので、これがカリキュラムに組み込まれてるのは非常にいいなと感じました。


インターンとアルテルナンス

フランスでは就職前に長期インターンをするのが一般的で、学生は約半年間業務経験を積むことになります。最低賃金が€623とかなり低めですが、あくまで学生として業務を教えてもらえるというスタンスなので、比較的気楽にできるのがインターンかなと思います。

一方でその上のアルテルナンスという就労方法もあります。学校と職場を交互に行き来するプログラムで、大概は週4で仕事、週1で学校で課題を進めている人が多いです。また業務内容はほとんど正社員と同様のものを任せてもらえるので、よりチャレンジングな環境に行きたい人はこちらもおすすめです。


4年目:専門課程中盤

ここからは主に先輩の話をしていくことになります。ただ4年目も3年目とほぼ同様に、専門的な課題を進める+企業での就労経験が中心です。正直このレベルまでくるとほとんど同期は消滅しているので、先輩、もしくは後輩と課題を進めていくことになります。なおこの時点で残っているのは後述するRNCPという学位の取得を目指している人が大半になります。


取得可能な学位について

フランス限定ではありますが、42には取得可能な学位が4種類あります。いずれもRNCPというフランス国内の技術系のディプロムで、2回の就労経験+必要課題をクリアすることで取得が可能です。内2つはniveau6、学士に相当し、残りの2つはniveau7、修士に相当します。

もちろん自分の好きな学位を選択することができて、筆者は現在修士に相当する、WEB+機械学習の学位取得を目指して日々切磋琢磨しています。


5年目:修士修了

ここまでくると、もはや学校ではレジェンド級の存在になっています。リヨンにももうすぐ卒業予定の方がいますが、強者ぞろいで皆揃って何か逸話を持っています。OpenGLでマイクラ再実装しましたとか、インターンこなしながら学年首席など。それもそのはずで、修士レベルに達するのは例年上位数人だけだからです。全体的にレベルの高いリヨンでこんな感じなので、東京ではおそらく上位1%以下になるのではないかと予想しています…


意外と長い42ライフ

かなり内容がブラックボックス化されている学校なので、入ってみたら思ってたのと違う、という方がかなり多くいらっしゃいます。特に期間に関しては誤解が多く、内容としては大学のCSコースを数年単位でこなしていくことになります。42のホームページによるとファーストサークルは18ヶ月、全体で3年程度を見込んでカリキュラムが組まれているそうです。もちろん個人のスキルや学位取得の有無によっても前後しますが、意外と長いよということを頭に入れておいて欲しいです。


最後に

いかがだったでしょうか?これから42に入学を考えている人に、少しでも役立てば嬉しいです。

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