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BLとLGBTQ+の架け橋になれたら

6月。
世界規模でのLGBTQ+による「プライド月間」。なぜ6月がそう呼ばれているのか、BL好きの人の中で知っている人は多くはないと思う。
由来は各地域によって様々あるが、一般的に知られているのは1969年6月28日未明に起きた事件「ストーンウォールの反乱」が有名だ。
ストーンウォールの反乱については←を参照(GQ Japanに飛びます)
世紀の大事件と言われたストーンウォール事件。この事件を忘れない為にLGBTQ+は「Pride  Month」と銘打ち、毎年世界中で性の多様性に関するイベントやキャンペーンを行っている。

タイや台湾のBL出演経験がある俳優は虹色を身につけたりペイントしたりして、このプライド月間を盛り上げてくれる。時にはこの月に「カミングアウト」する俳優や著名人もいる。それはファンの為ではなくLGBTQ+としての精神を強く感じ、彼ら彼女らのカミングアウトで多くの当事者は勇気をもらい、明日への活力にする人もいるくらいだ。
そんな今年のプライド月間は間も無く終わる。
だが、プライド月間は終わっても、当事者たちの生活はこれからも続くし、啓発活動も終わらない。

俺はTwitterのBLアカウントで自身の生活やLGBTQについての発信をしている。ゲイの中では「BLなんて女が作り上げた幻想で気持ち悪い!」という人がいるのは確か。逆にBL好きの女性の中にも「BLは私達のファンタジーで現実のゲイは気持ち悪い!」という人もいる。これは凄く悲しく辛い現状でもある。
ではなぜそんなことが起きるのか。
それは【偏見や差別は「無知」からくる】もので、両者の言い方はまさにその【無知】が引き起こしていると言っても過言ではない。
自分自身、この結論に至ったのにも理由がある。

数年前、俺はとあるカフェで開催された「BLプレゼン会」というのにプレゼンターとして彼氏と2人で参加した時のこと。会場になったお店には20人位の人がいて男性は俺と彼氏の2人だけ。それ以外の18人は全員女性。しかもBLが大好きな方達ばかりだった。この中で自分が大好きなBLのプレゼンをするのか…。と、ちょっと怖気付いた。だが疑問も湧いていた。この女性陣の中でゲイと面識がある人は一体何人いるのかと。

「今日、初めて実在するゲイに会ったと言う人は居ますか?」

この問いに8割が手を挙げた。
そう。世の中のBL好き女性は「実在するゲイ」に会うなんてこと、滅多にないのだ。会ったこともなければ語り合うこともない。実際の男同士の恋愛がどんなんなのかわかる訳が無いのだ。あるのは「BLの世界」だけ。
それじゃぁあの言葉が出るのも不思議ではない。
だって【無知】なんだから。

だったら知って貰えばいい。
誰かが発信するのではなく、LGBTQ当事者の自分がTwitterで発信していけばいい。そう感じた。
BLが好きな当事者の自分。等身大で話をして少しでもLGBTQを知ってもらえたら、何かが変わるかもしれない。BL好きな女性もゲイについて、強いてはLGBTQについて知ってくれたらそれも立派な啓発活動になるのでは?と。

そこから俺はTwitterで何かある度にゲイについて、LGBTQについて発信し始めた。当然全てが全てそれになると興味は持ってもらえない。俺が好きなBLを呟く為に始めたアカウント。実写BLドラマを見た時の感想にゲイ目線を入れてみる。時に批判もする。押し付けがましくならないよう、言葉を選びながら。
自分の実体験を踏まえて呟いたりコメントしたり。沢山のBL好きな方と交流をしていった。
それは楽しくて、嬉しくて、自分の生活にも色が生まれた瞬間でもあった。
そしてLGBTQに興味を持ってくれた人もいた。
アライとしての活動をしてくれるようになった人もいた。
嬉しくて、嬉しくて、感謝しかなくて。

だけど注意もしていた。
啓発活動をしているとしてもそれは「俺個人」の活動だ。俺はLGBTQの代表でも代弁者でもない。1人の当事者。
その立場を忘れないように、あくまでも「自分の実体験を基にして自分の言葉で」それらを伝えていくということ。
それ以上でもそれ以下でもダメ。
ようは自分の身を削って話さなくては何も始まらない、生まれない、と。

BL好きな方に少しでもLGBTQの実情を知ってもらえたら。現実を見てもらえたら。等身大のゲイを知ってもらえたら。それがBL好きとLGBTQの架け橋になったらいいな、と。
BLは男性同士の恋愛のお話。
ゲイは男性同士の恋愛や生活のリアル。
このふたつは似ているようで似ていない。同じようで同じではない。
でも、交わる場所は多数あって、共感する部分が多数ある。
だからこそ、昨今ではゲイの中でもBLが人気になり、BL好きゲイが増えてきた。
知らないうちにBLに触れるゲイもいる。
ゲイからBLに対する批判の声も少なくなってきていると感じてる。
俺と繋がってくれているBL好き女性からも、LGBTQに対する批判も少なくなってきていると感じる。もちろんまだまだ乏しいところはあるけど、それはどっちも同じこと。
これから少しずつ歩み寄ることができたら、協力することができるようになったら、日本での同性婚の実現も夢ではないかもしれない。
何故なら、LGBTQ当事者だけの声では届かない訴えも、当事者以外の声が加われば届くかもしれない。
BLの中にも「同性婚」を題材にしたものが増えてきている。今の流行りかもしれないが、それが当たり前の世界になったらBLに出演したことのある俳優が、同性婚するかもしれない。それはファンにとって「推しの幸せ」になるのではないか。

俺もこの幸せを是非見たいし、愛する人と同性婚したい!
だからこそ、これからもBLとLGBTQの架け橋になれるよう、呟いていく。
少しずつ、少しずつ。ゆっくりと。
今の若者達が、若い推し達が「結婚の自由」を選べるように。

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