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【今日のコバコ】ゲシェンク

なんか日本語版の流通在庫がいま無いらしくて、Google検索すると市場価格1万円とか出てきます。いちまんえんて。この小箱の定価は1500円です。適価で買いましょう。そんなわけで思い出しついでに書いてみます。

ルールは検索すればわかるので省略しますが、逆競り一本に絞ったゲームです。数字しか出てこなくて手札も持たないので理屈やジレンマがわかりやすく、ゲーム慣れしてない人が遊べるのが良いところです。

最大の美点は「山札から9枚抜く」ところだと個人的には思っていて、カードの出現順がランダムなだけでは連番が作れることが分かるからゲームが答え合わせになっちゃいます。連番が作れないかもしれない、それでもリスクを取って引き取るのどうするの、と聞くところにこの作品の鋭さがあります。

シャハトの『ムガル』とはそこが違っていて、あれは株価の上下が展開に大きく影響するからカードを大きく抜く必要がない。『ゲシェンク』はそうではなく連番にのみ意味があるため、山札を使い切らないことが一際意味を持ちます。

ドイツゲームにおいて運要素は重要です。展開の乱高下と思考の愉しみとの間で、プレイ感のバランスをとってくれるための装置です。逆転可能性を担保するだけでなく1人が大勝ちすることも当然あるのですが、そういう荒っぽさも含めてゲームです。ですからカードゲームでは山札から何枚抜くかがデザイン上のポイントになることも多く、その感覚を知るのにもすごく良いゲームだと思います。

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