2021年のトリックテイキングと私
昨年(2021年)〜今年遊んだ作品で、年末に書いたベスト10記事に挙げなかったやつの感想を、いくつか抜粋して書いていきます。
ヒーフー!!
マーブル会 2)ヒーフー!! 名前の通り丁度2トリックを取れば点数になる。簡単なルールなんだけど、3トリック目を取った瞬間に脱落してリードが下家に移るとか、6枚だけ使わないとか、細かい工夫がゲーム性を高めてて巧い。こういう渋い作品は好きです。#bgkazuma pic.twitter.com/577nDYvWLw
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) January 7, 2022
世評どおり面白かったです。派手にドカーンじゃなくてじわっと染みてくる系。ディールの最初に3枚捨てさせるのがよくて、このせいで微妙にアンコントローラブルになる。これで常に2勝を狙わせるのがメカニクスとして相性がよく、与左衛門さんはほんとすごい人です。
得点ボードは好みが分かれる点だと思ってて、これのおかげで序盤はゲームに慣れることに集中して後半で逆転できるという導線が明確になっていて、モダンゲームらしいデベロップです。その意図や利点は分かったうえで個人的な好みを言うと、後半に手札が良い方が勝つように見えるのと、モダン的な調整に若干のあざとさを感じて、ずっと1ディール目の点数でも良いのではないかなと自分は思います。もちろん悪い訳では全然なくて、これはこれでとても楽しいです。
白と黒でトリテ
自宅会 2)白と黒でトリテ、2人戦。全カードが2スート持ちで、2スートのトリック数を均等に近づけたら勝ち。トリテの原点である数比べにフォーカスしててむしろ新鮮で、スートフォローという感じではないがこれはれっきとしたトリテだと思う。→ pic.twitter.com/jFI2GkBcZf
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) July 22, 2021
すべてのカードが白黒2スート持ちで、リードによってどちらを使うか決まります。カード構成は分かるのに仕組みが新しいから戦法が全然分からない。この体験の新しさだけで、もう素晴らしい。
真面目に分析したら定石が見えちゃうのかもしれませんけど、そこまで遊び倒してみたくなる魅力があります。ちなみに私はこういう分析苦手です。弱いし。でも好き。カードのインターフェースをうまく活用してるとこもすごい好き。
ジーベンバッテン
まだの人はぜひ!! 最初に遊んだのは一昨年(2020年)だけど、去年何度も回しました。
トランプ夜会、後半はジーベンバッテンをたっぷり遊んできた。俺が今まで遊んだトランプゲームの中でベスト5には確実に入る。すっっっげえ、面白い……。あとで感想をリプに書きます。#bgkazuma pic.twitter.com/mF8xrVDO4I
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) December 29, 2020
対面ペアの4人戦で切札スートと切札ランクを推理しながら遊ぶゲームで、ペアの一方だけがそれを知った状態で7トリックをプレイして過半数勝ちを目指します。最初遊んだときこんなことできるんだと驚きました。しかも現代作品じゃなくて、伝統ゲーム!
推測もわりと効くもので、後半にはだいたい切札ランクもスートも見えてきます。でも7トリックしかないんだよ……だからどこで勝負をかけるかって点がね、今の感覚でも十分ゲームとして通用するのが、もうね……これだから伝統ゲームはやめられないんですよ……。
Eternity
クローズ会 2)Eternity。トリテ、3スート、マストフォローマストラフ。トリック中リードを除く先着1名が手札1枚を破棄してチップを取れて、中央に溜まったその破棄札が多いスートが切札になる。チップの用途はご覧の通りだ。→ #bgkazuma pic.twitter.com/dJzayQKAc6
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) September 19, 2021
ルールはツイートに書いたとおりで、絵がとにかく綺麗です。ゲームとしても決して悪くはないんですけど、exact biddingはいい加減飽きました。オーヘルでいいです。自分はスカルキングでさえルールが煩瑣にすぎると思ってます。
トランプクルー & プラクティスクルー
トランプ夜会 5)プラクティスクルー。トランプクルー(協力オーヘル)をスートが見えるトランプでやる。リードを切れる切れないが見えるので序盤の成功率が上がる一方、いわゆる戦犯も露骨に見えてしまうのでまさにトリテ養成ギプスである。この会はみんな優しいから大丈夫。安定の面白さ。#bgkazuma pic.twitter.com/2wKEcnDLMj
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) January 26, 2021
ルールは「オーヘルを協力ゲームにする」だけです。exact bidding系としてはいちばん納得いくバリアントの1つで、自分は好きです。成否が明確で毎ディール最後までやらなくていいところが良いと思います。本歌の『ザ・クルー』の面白さには及びませんけど、ルールはこっちのほうが簡単だし、俺くらいの初級者でも勘所がそこそこ分かって遊べるのは強みです。
モダンフロッグ
午後のトランプ会 2)モダンフロッグ。frogは独語のfragenが元で、ビッド何にする? って《聞く》ことらしい。3人専用で36枚デッキ、3枚を山に残す。一巡ビッドしてフォアハンドからプレイする普通のトリテで、ビッドは山を取れるフロッグとチャイコ、取れないソロとグランドの4種類。→ pic.twitter.com/bgBACOTzMi
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) March 30, 2021
古典的な3人戦の入門としてすごくいいゲームです。デクレアラー1人vsオポーネント2人の構図はそれだけで面白くて、自分の手札の強さを見積もる練習にもなるし、オポーネント同士が一時的に協力しあう楽しみもあります。4人だと1vs3よりは2vs2のほうがバランス取りやすいので、個人戦を楽しむのに3人トリックテイキングはいいと思うんです。
フロッグはその中ではたぶん最も簡単なゲームで、もちろんそれでも初心者向けではないんですが、こういうゲームを3人でだらだら遊べると、なんていうか、ちょっと得した気分になります。
ジキルvsハイド(2021年)
クローズ会 7)Tomiiさん @Tomii_Lives とジキルvsハイドという、これまた2人用のトリテ。ジキルが10点持ちで3ディール行い、各ディールの2人のトリック数の差分だけジキルの点が減り、0点にしたらハイドの勝ち。だからジキルのほうが最初は少し難しい。→ #bgkazuma pic.twitter.com/ifLMoLzYiF
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) April 11, 2021
トリックテイキングというよりは、その枠組みを使って上手いこと2人用ゲームを作ろうとがんばってみた、的な作品です。それが成功してるとは正直思わなくて、自分の手の届かないところでよく分からず勝敗が決まるモダンユーロのいつものアレに見えたんですけど、チャレンジ精神を見習いたいみたいな、そんな感じ。
呪術トリック
クローズ会 3)呪術トリック。マストフォローノートランプで集めたカード1枚1点の簡単なルールだけど、勝ったカードがそのスートの場における最高値だと呪いとして手前に置き、そのスートが0点になる。リードスートをフォローして負けると1枚解呪できる。→ #bgkazuma pic.twitter.com/4eHFoVA8hb
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) October 17, 2021
面白いです。ルールの取り回しが悪いというか説明が直感的でなくて、慣れるまでちょいちょい抜けがあるんですけど、一度飲み込めばそんなに難しいことはやってません。あとFAQでフレーバーの説明すんなw
点数の乱高下があるのはいいゲームです。丁寧に読みをかけるタイプの作品というよりは、最初に手札で突っ張るかしゃがむか決めてハードラックとダンスるほうの作品で、その雰囲気とアートがよくマッチしてるのが美点じゃないかな、と思います。たまに遊びたくなるやつ。
スカート
スカートやってたら時間はすぐに過ぎて行くので、子供見てる以外は気楽に過ごせました。一度グランドで負けて点数が死んだけど悲しくないよハハハ #bgkazuma pic.twitter.com/IDdR75PSsB
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) December 30, 2021
もう500回ぐらい言ってますけど、麻雀とか好きだったらこれ絶対好きだから、ぜひ遊びましょう。1時間ぐらい余裕でつぶれます。
ジェネラス・スプリット
自宅会 8)ジェネラス・スプリット。でじさんが「場に溜まっていくゲームは面白い」とコメントくださったのがすべてで、まあまあいいゲームだと思います。遊んでね。#bgkazuma pic.twitter.com/ZQOQWodyQf
— カズマ | Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) July 22, 2021
昨年はこれが作れてよかったです。即興的に作ったにしちゃゲームバランスはまずまずで、簡単に楽しく遊べるものになりました。
そんな1年でした。2022年も良いトリックテイキング・ライフを送っていきます。
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