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【2023年】 フランス10年ビザを取得!ビジタービザでもOK!

フランスに住み始めて7年。ついに10年ビザ(Carte de résident de longue durée-UE)を取得できたので、報告します!

インターネット上のほとんどの情報がフランス人と結婚して取得した家族ビザから10年ビザへの切り替えに成功したケースですが、僕の場合はビジタービザからの切り替えです。

あまり該当する人が多くないと思いますが、それ故に情報が全くないので、この記事が参考になれば幸いです!

内容は基本的にフランス政府の公式サイトのこちらのページと、僕の実体験に基づいています。

フランス10年ビザとは?

フランスに5年以上合法的かつ継続的に居住している場合、またはEUブルーカードを所持している場合、EU長期滞在者カード(Carte de résident de longue durée-UE)を取得することができます。

フランスに長期滞在する場合は、毎年、あるいは数年ごとにビザ更新の手続き(非常にめんどくさい)をする必要がありますが。10年ビザを取得すると、その手間から解放されます。

さらに、10年ビザには以下のメリットがあります。

10年ビザ取得のメリット

  • 有効期限は10年で、更新可能。更新対象は10年ビザか永住ビザ

  • フランスでの就労が許可される

  • EUの他の国でも長期滞在ビザなしで3ヶ月以上滞在することが可能

このように、非常に大きなメリットが有るため、フランスに長期滞在する場合は10年ビザの取得が一つの目標になるのではないでしょうか?

10年ビザ申請条件

EU長期滞在者カードを取得するには、フランスでの滞在期間について一定の条件を満たしている必要があります。また、十分な資金があること、健康保険に加入していること、フランス社会に溶け込んでいることを証明する必要があります。

それぞれを具体的に説明します。

フランスでの5年以上の定期的かつ中断のない滞在をしている

まず、5年間の滞在のうち、フランスでの滞在が途切れることなく続いていることが重要です。つまり、5年間の中で実際は日本に3年くらい住んでいたみたいなケースはダメです。
ただし、一定の不在は認められます。5年間のうち不在の期間は合計で10ヶ月以内かつ、連続での不在は6ヶ月以内にとどまっていれば問題ありません。

EUブルーカードの場合は少し条件が異なります。その場合は、この5年間のうち一部は他のEU加盟国で過ごしていても大丈夫です。ただし、レジデンスカード申請前に2年間フランスに居住している必要があります。

10年ビザに切替可能なビザで滞在している

以下が10年ビザに切替可能な長期滞在許可証です。学生ビザなどは対象外のようです。

  • Carte de séjour temporaire visiteur /   ビジタービザ

  • Carte de séjour temporaire/pluriannuelle vie privée et familiale (hors protection subsidiaire, dépôt de plainte pour certaines infractions et témoignage dans une procédure pénale) /  家族ビザ

  • Carte de séjour temporaire/pluriannuelle salarié / 就労ビザ

  • Carte de séjour temporaire/pluriannuelle entrepreneur/profession libérale / 起業家ビザ

  • Carte de séjour pluriannuelle passeport talent (hors mission) / アーティストビザ(ミッション許可証は対象外)

  • Carte de résident / 居住許可証

上記とは別にEUブルーカードの保持者も10年ビザに申請できます。
その場合は、フランスでの申請前の2年間を含め、欧州連合(EU)加盟国での5年間の同カードによる居住を証明する書類を提出する必要があります。

健康保険に加入している

フランスの国民健康保険(Assurance maladie)に加入している必要があります。僕の場合はまだ申請中なので、民間の保険に入っているのですが、それでも申請できました!

ちなみに僕はACSという保険に入っています。

フランスで生活していくのに十分な資金または収入がある

収入が最低賃金(1,710EUR/月)以上であることの証明が必要です。給与収入以外でも、すべての資産が考慮されるので、フランスで最低限生活できるだけの資金があることが証明できれば十分です。

以下の家族手当は除外されます:パジェ、家族手当、家族補助、住宅手当、AEEH、ASF、ARS、AJPP、RSA、ASS.

ただし、障害者手当(AAH)または障害者補助手当(Asi)を受給している方は、この条件を満たさなくても良いです。

フランス社会に溶け込んでいる

一見曖昧な条件ですが、実は結構わかりやすい内容です。
具体的は以下の条件を満たす必要があります。

  • フランス共和国の原則を尊重することを約束すること(書類に署名するだけです)

  • DELF A2以上のフランス語能力(ただし65歳以上の人は免除されます)

地域社会へ適合しているかの確認のために、行政から居住地の市町村長に連絡を入れるとも記載があります。これは何を聞かれているのかわからないですが、おそらく犯罪や問題行動をしていないかのチェックだと思います。

10年ビザ申請方法

現在の滞在許可証の有効期限から2ヶ月以内にカードを申請する必要があります。場合によっては、郵送で申請しなければならないこともあります。

一部の県では申請できない場合もあるそうです。詳しくは、各県のホームページで確認してください。

申請に必要な書類

以下が公式サイトに記載の必要書類一式です。

  • 出生証明書のフルコピー(すでに滞在許可証を持っている場合は必要なし)

  • パスポート(市民権、有効期限、入国スタンプ、査証に関するページ)。もしなければその他の補助書類(領事認証、IDカード、領事カードなど)。

  • 申請時から6ヶ月以内の住所証明書

  • 写真3枚 (インターネットで申請する場合:e-photoコードを入力する。)

  • 印紙税の支払い証明書(書類発行の際に渡されます)

  • 結婚しており、一夫多妻制を認めている国の国民である場合、フランスで一夫多妻制をとっていないことを名誉のために宣言すること。

  • フランスに5年間定期的かつ途切れることなく居住していることを証明するもの(滞在許可証、更新時の領収書、学校の証明書、納税証明書など):
    ただし、EUブルーカードの場合はフランスでの申請前の2年間を含め、欧州連合(EU)加盟国での5年間の同カードによる居住を証明する書類を提出する必要があります。

  • 収入証明書、または結婚している場合はパートナーの収入証明書:

    • 過去5年間の十分かつ安定した定期的な収入を証明するもの:給与明細書、納税通知書、年金支給証明書、雇用契約書。社会的給付や手当は除きます。

    • AAHまたはAsiを受給している場合:以下の補助書類を同封する必要があります。

  • 健康保険証明書:健康保険証または健康保険証明書

  • 共和国への統合を証明するもの:フランス共和国を統治する原則を尊重する旨の宣言書(都道府県発行)

  • DELF A2以上のフランス語能力を証明するもの(65歳未満の場合)。

僕の10年ビザ申請実体験

実際に申請に使った書類

僕が申請に使った書類を紹介します。
ビジタービザで独身。収入は日本円で日本にある自分の会社から得ているパターンです。

  • パスポート: コピー提出

  • 滞在許可証:コピー提出

  • 住居証明 : 電気代の領収書の原本とコピー

  • e-photo写真 : e-photoはこちらのサイトで住所の郵便番号を入れれば、撮影可能なお店が調べられます。

  • 印紙税の支払い証明書 : 僕の場合はこちらのサイトで事前購入しました。

  • 過去5年間の納税証明書 : 納税証明書は過去5年間の滞在と収入の両方を証明できます。

  • 過去3ヶ月のフランス銀行口座の明細(これは追加で提出を求められました)

  • 健康保険証 : 僕の場合はACSの証明書(Carte Vitaleを持っていれば、その方がいいです)

  • DELF A2のdiplome

共和国への統合を証明する書類は警察署でサインを求められるので、事前に準備は必要ありませんでした。

実際の申請の流れ

僕の場合は直接警察署に電話して、申請方法を確認したところ、Étrangers en Franceのサイトから、ビザのステータス変更の手続きを申請すれば良いと言われたので、その通りにしました。
ただ、僕の場合はステータス変更のオプションにCarte de résident de longue durée-UEが見つかりませんでした。そこで、その旨を直接メッセージで説明したら、必要書類を送ってくれと言う返信が来て、そのまま面接が予約されました。
予約はいきなり指定された日時にここに来て!みたいな感じで、こちらに全く選択の余地がないという。。。

しかも、到着すると長蛇の列。3時間くらい待ってようやく面接になり、必要書類一式を渡しました。
そして、担当者もビジターから10年ビザを申請できることを知らない&申請に必要な書類を全く把握していない状態だったので、窓口で公式サイトのその旨が書いてあることと、書類としてこれらが必要であることなどをすべて説明する必要がありました。
最終的のその人の上司?みたいな人も出てきて、色々説明したらなんとか理解してもらえて、無事に申請できました。

面接後にもらったrécépisséには、またtitre de sejourと書いてあったので、こちらの意図は結局伝わらなかったのでは。。。と心配しましたが、無事にSMSで通知が届き、先日やっと取得できました。

申請から4ヶ月で取得できたので、フランスにしては早い方だと思います笑

申請の注意点

ビジターからの10年ビザ申請ができなかった例もあります。実際僕も前の年に窓口でトライしましたが、担当者からビジターだと申請できないと言われて断念しました。しかし、その後公式の情報を探し回って書類を集めて再申請したら、今後はうまくいきました。

フランスは担当者によっても対応が全く違ったり、申請する県や年によっても条件が変わることがあります。

なので、申請時には必ず公式の情報を確認し、ダメそうでもなんとかして突破口をみつける根気が必要です。

しかし、10年ビザを取得できれば前述のように大きなメリットがあります。フランスだけではなく、EU全体で生活できる権利を得るので、人生の可能性が大きく広がります。
そしてその後はヨーロッパ永住権の取得の可能性も見えてきます。

ぜひ、チャレンジしてみてください!


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