映画・Gメン公開に寄せて
日が落ちるのが早くなっても生ぬるい渋谷の映画館からまっすぐ帰宅する間、喉につかえた小石みたいなものがジャリジャリした。
溢れそうな涙をこらえるのに必死だった。なんで泣きそうなのかは自分でも分からない。
2022年11月4日から、なんだかよく分からない日々だった。
中でも、Gメンは本当に公開されるのか……
岸くんを好きな人たちは、岸くんのことを信じている。彼が大きなスクリーンで、演技することを今か今かと待ち侘びていた。
人が痛い顔をしているのと、暴力表現が苦手なので、ヤンキー映画は敬遠していた。Gメンも最後まで見れるか不安だった。
それよりも、私はアイドルが好きなくせに、好きな人が出ていても、作品の強度がないと全然見れなくなるタイプ。いろんな意味でドキドキしながら、映画のはじまりを待った。
結論から言うと、瑠東監督、本当にありがとうございます。
痛い場面がたくさんあって、うっと目を背けてしまうところもあったけど、(尾上松也が怖すぎて辛かった)
岸くんの良いところを引き出そうとしてくれている演出が随所に散りばめられ、共演の方たちが座長を盛り立てようという気持ちも感じた。
田中圭・高良健吾の兄チームの頼もしさは役所だけでなく、この映画の作品の強度を高めてくれていたし、矢本悠馬、森本慎太郎、りんたろー。の仲間たちはヤンキー映画の友情ものの在り方を形作っていたし、竜星涼の脚の長さは10m……いやいや、ちょっと不思議でかっこいい、門松勝太の魅力的な凸凹バディだった。本当に竜星涼がバディで本当によかったな、と思った。
恒松祐里、吉岡里帆の女優チームは、ぶっ飛んでて、彼女たちで笑いを起せる最高にいい女たち。
そして、真ん中で、キラキラした目をしてアクションをする岸優太は、映画の中でもみんなからの愛情を受けて、すくすく育っていくことを感じた。
えへへって笑った顔、急に勝負する目になる横顔、必死な顔、鼻の下が伸びる顔。
いろんな人から、実は……とカミングアウトされることが多い役だったけど、その時は真っ直ぐ人の目を見つめていて、その顔を見て、「あ、いつもの岸くんだな」って思った。
1ヶ月くらい前から、いろんなことに疲れてしまって、好きな人を応援するために作ったTwitterを稼働させることができなくなった。
ファンとして、映画をSNSから盛り上げなくてはならない時だったのに、好きな人の名前でパブサができなくなってしまった。
だから、本当はこんな感想をつらつらと綴ることも、すごく罪悪感がある。
だけど、私の心を救ってくれたヒーローは、私たちファンが焦がれに焦がれた映画の主演として、スクリーンの中で、まばゆいばかりの光を放っていた。
とてもとてもかっこよかった。それを改めて知れて、嬉しかった。帰宅中に我慢した涙は嬉し涙なのかもしれない。
映画Gメン公開おめでとうございます。
やっぱり岸優太は私のヒーローだ。
(文章の中の俳優の名前は敬称略とさせていただきました)