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週末レビュー(2024年6月1日)

放送大学の面接授業「心理学実験2」を受けた。実験内容は印象形成、要求水準、錯視相関の3つ。実験も面白かったが、休憩室ではじめましての受講者と、「これ、難しいっすね〜」なんて声をかけあう時間がなんかよかったのだ。年齢もバラバラ、やってることもきっとバラバラで、それぞれの人生がありながら、1つの体験を通して、気持ちを通わせる時間。そしてみんなまたそれぞれの人生に戻るのだ。

放送大学の心理学実験シリーズは資格取得に必須かつ、対面で人数制限ありのためこれまで倍率がとても高いものだった。が、最寄りのセンターでは「パソコン持ち込み方式」に変わった結果、なんと定員割れが起きた。他のセンターはわからないが、パソコン持ち込みにより、これだけの変化があるのだなということを実感する。

その限られたパソコン持ち込みができる受講生ですらも、半分は基礎的なITリテラシーを持ち合わせておらず、授業の半分は「パソコン教室」のような性格になっていた。

これまではセンターがパソコンを保有し、パソコンを所持していなくても受講生は学べることができた。しかし、この日入室したパソコン室にはパソコンがなかった。経費削減の影響だろうか。

もうこのご時世である。自前で持ってきて欲しいという声はもっともではある。「今の時代はパソコンくらい使えて当然だろう」という声も世界からは聞こえてくる。

しかし、その一部の世界では「パソコンは誰もが持っていて、誰もが”ある程度”は使えるもの」だと思われているが、実はそうではない。パソコンの普及率は7割程度であり、使用率となるとますます下がることが予測される。スマホもそうなのだが、「あることを前提に組み込まれてしまう」ことにより実は多くの取りこぼしが生まれるリスクがあるのである。

ましてや、放送大学の設立趣旨には”大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえる”と書かれており、誰もが受けれる環境を用意することがモットーだったはずである。その放送大学ですらこのような態度になっている。

もちろん、誰でも受けれるようにするにはコストがかかり、それを誰が払うんだ問題は生まれるため、そう単純な話でもない。しかし、一方で一部の層を切り捨てて効率化を求めれば、それは格差を広げていく構造にもなりうる。"誰かが切り捨てられている"という表現もよく聞く言葉ではあるが、その言葉が具体的に感じられる事例であった。

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健康診断。健康診断といえばバリウムである。鬼門。前日から明日はバリウムを飲まされて、げっぷを耐えながら、あの苦行ともいえる行動に勤しむことを思い返しは泣いた。

当日、検診センターで受付待ちをしていると、おっちゃんが「俺、バリウム苦手なんけど、どうしよう」と受付に相談をしていた。わかる、わかるよ、おっちゃんと勝手に共感する。『やらない選択もできるが決めるのはこちらではない、どうする?』と聞かれている。やらなければ、あの苦行から解放される、でもやらなければ胃がんの検診が受けられない。それはそれで困る。葛藤だ。おっちゃんに葛藤が生まれている。はたして、おっちゃんはどうするのだろうか…と思ったら、「やる方向で…」「やっぱやらない。」「やらない!」「やらないです!」と二転三転し、結局やらなかった。おっちゃんはやらなかったのだ。

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通院。ドアドア3時間で診察は10分で終了。

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手術後ずっと浮腫み傾向があったが、傷が治ってきたからか、一気に10日で6キロくらい体重が減った。脂肪が減ったわけではないが、体重が軽くなればそれだけ動きやすくなるから、よかったのだが、さすがに減りすぎでは?と思うところも。メカブ食べて腸内環境の改善に努めたのもよかったのだろうか。

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たまたま、この道50年のプロの演奏者の方とお話しする機会があった。「振り返ると何があるんですか?」と聞いたら、『ずっと好きだった』と。素敵な方だった。


今週のコーチング・心理学ブックマーク

今週読んだコーチング・心理学関連のWEB記事の中で特に印象に残ったものをピックアップ。


[第14話]ルリドラゴン 前田さんのことが知りたい
https://shonenjumpplus.com/episode/17106371864158168281

他者を「嫌い」で分断せずに、差異を埋めるための対話を選択した回。複雑で描きにくそうな内容を丁寧に書かれている。
青木さんの中に青木自我のほかに、ドラゴン自我が発達してきているように見えた。「我を嫌う理由を述べよ」とドラゴンの姿で話しているイメージを持つと、しっくりくる。前田さんの発言の背景も気になる。

自由記述でもこころを分析できる?- 心理学調査の先端で「曖昧さ」に挑む
https://academist-cf.com/journal/?p=17106

従来の5件法などの形式ばったアンケート形式を、自由記述に変えて、結果にどのような相関があるかを検討したもの。おもしろい。この技術が発展すれば、例えばこれまでは「そう思う=1点」のように評価していたものが「自由記述=1.2点」のように解釈することができるようになるかもしれないし、そうなると、実は小数点に含まれているものも見えてくるのかも。

集団にマイノリティが一人でもいる確率が大幅に過小視されていることを発見-思考の誤りのパターンを認知心理学で解明-
https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2024/05/240527rs.pdf

"たとえば、人口の3%を占めるマイノリティなら、30人の中に一人でも含まれる数学的な確率は約60%ですが、これは直感に反して高いものです。実際、実験でも9割近くの人が60%より低い確率を答え、最も多い答えは「1%」でした。"

「人間は劣った存在」アドラー心理学の本質がわかる5つの言葉
https://shuchi.php.co.jp/article/11000

朝ドラの虎に翼を見ていたら、登場人物の一人が「問題児の心理」を読んでいた。わざわざ読んでいる本を見せる演出のようにみえて、アドラーが頭に残っていた。

オンライン心理学の危険な教祖たち レイキから性虐待治療としての「タッチセラピー」まで
https://ethic.es/english/social-networks-the-perilous-gurus-of-online-psychology/

科学的に検証されていない心理的支援の方法が広まっていることを危惧する記事。
この傾向の危険性は理解しつつも、さまざまな境遇を想定すると、科学的手法に縛られてしまうのも同様に不健全である気はしている。

心理学と医学における多くの結果は偽陽性である
https://www.madinamerica.com/2024/05/psychology-medicine-false-positives/

"心理学における真の発見の可能性は非常に過大評価されていることがわかった。"

コーチングで本物のリーダーを育てる方法
https://www.forbes.com/sites/forbescoachescouncil/2024/05/23/how-coaching-can-develop-authentic-impactful-leaders/?sh=685d63b35045

"現代のビジネスの渦中では、あらかじめ定義されたリーダーシップ・モデルに従わなければならないというプレッシャーが、本来の自分を見えなくしてしまうことが多い。そこでコーチングの出番となる。"


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