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月と六ペンスを読了しました

月と六ペンスを読了しました。
すみれ読書会で発表したものを少し手直ししてこちらに書きますね。
まず、この作品はその後からはじまります。
その後から、最初へ、そして終わりへと話しは向かいます。
また、語り手ではない主人公。
視点は時間同様移動していく。
絵や芸術はテーマとして書かれているが、これは物語を進めていく上で大事な装置だ。
だが、絵画論、芸術論はそんなに大きくは語られていない。
僕は芸術はこの作品において、人生に対する渇きの象徴のような気がする。
そして、芸術で成功する時、富や名声が入るが、それはある意味終わりを迎えたという事だと思う。
ただ、モームは理想と現実、崇高な精神というもののためにこの本は書いていない。
最後に一言。
モームは上手過ぎる作家なんだと思う。
この本を読み進まさせる力はすごかったし、批評家はそういう作家に厳しい。

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