気づきからアライシップへ:国際障害者デー (International Day of Persons with Disabilities) に寄せて (2021/12/6、ニュースリリース)

※米国マイクロソフトからブログ更新のお知らせがニュースリリースで来ました!

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気づきからアライシップへ:国際障害者デー (International Day of Persons with Disabilities) に寄せて
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※本ブログは、米国時間12月1日に公開された
“From awareness to allyship: Reflections for International Day of Persons with Disabilities”の抄訳を基に掲載しています。
< https://blogs.microsoft.com/blog/2021/12/01/from-awareness-to-allyship-reflections-for-international-day-of-persons-with-disabilities/ > 

ジャッキー ライト (Jacky Wright)
コーポレートバイスプレジデント兼チーフデジタルオフィサー

多くの人にとって、世界観を形成する上で子供時代が重要な役割を果たします。私たちは、家族や友人、そして、地域社会との交流を通じて、自分が何者であるか、何者になれるか、そして、他人や周囲の世界とどのように関わっていくべきかを学びます。私たちは善悪の判断、正義と不正義、そしてすべての人との良き隣人となる方法を環境から学ぶのです。
12 月 3 日の国際障害者デーに寄せて、今月はマイクロソフト社内の障碍のある人のコミュニティを考える機会にしています。ここで、障碍のある人々に対する気づきからアライシップへと至るまでの私の個人的な道のりを振り返ってみたいと思います。

始まりは、ロンドンでの子供時代でした。隣人の 1 人が聴覚に障碍がある人がいました。
その時、私は耳が聞こえないということがどういうことなのか十分に理解していませんでしたが、耳が聞こえないという理由で、彼が近所の子供たちからからかわれ、排除されていたことは知っていました。子供であった私は、重大な不公平を目の当たりにしてどう反応すべきかわかりませんでしたが、この経験によって、聴覚などに障碍のある人々のニーズを必ずしも考慮していない社会がもたらす、さまざまな課題を認識するようになりました。

長年にわたる個人的、および、職業人としての経験や人間関係が、障碍のある人々の生活体験に対する認識を深め、行動を起こす方法を理解するのに役立ちました。マイクロソフトでは、グローバルな Disability at Microsoft ERG(従業員リソースグループ)の共同スポンサー役員の職を担う機会がありました。マイクロソフトがコミュニティとして協力しあうことは、すべての従業員を受け入れるために非常に重要です。そこで私が学んだ重要な点の 1 つは、目に見える障碍と目に見えない障碍のさまざまな側面をすべての人が認識できるよう、障碍に関する対話は迅速に変化し続けなければならないということです。

■聴いて、学んで、主張する

職場に溶け込むために、障碍を隠さなければならなかったという個人的な話をしてくれた同僚のおかげで、職場で障碍を隠すことがいかに有害であるかを認識することができました(もちろん、これは職場に限ったことではなく、生活すべての局面で言えることです)。
そして、私たち一人一人が自分らしさを発揮できるような職場環境を作ることが重要である理由を理解できました。また、マイクロソフト社内外の人々のストーリーに触れることで、深く耳を傾け、思い込みをせず、好奇心と共感を持って相手の経験をより深く理解しようとする姿勢を身につけることができました。会話や出会いのたびに、私のアウェアネスからアライシップを目指す道のりはさらに進んでいきました。

そのようなストーリーから、私には、リーダーとして他の人に影響を与え、特に職場においてインクルーシブな環境を提唱し、作り上げていかなければならないという責任感が生まれました。
私は、支援者として、またメンターとしてジェニー レイ フルーリー(Jenny Lay-Flurrie)がマイクロソフトのチーフアクセシビリティオフィサーになるまでの道のりをサポートしました。
彼女がその職に就いたことで、マイクロソフトのアクセシビリティへの取り組みの新たな一歩が踏み出され、行うこと、提供することすべてにおいてアクセシビリティが優先されることになりました。
当時、IT 部門を統率していた私は、自分のチームで製品やサービスのアクセシビリティを向上させるためのプログラムを試行できるよう志願しました。この仕事を通じて、私は、障碍のある人々の生活体験、障碍の種類、障碍のあらわれ方、障碍のある人々に直接影響を与える慣習などについて学び続ける必要性を感じました。

その結果、自分のチームのアクセシビリティを高めるために、具体的にできることを常に意識するようになりました。これには、組織に向けたすべてのコミュニケーションがアクセシブルであることを確認すること、組織全体の会議で ASL(手話通訳)やキャプションの選択肢を提供すること、マイクロソフトの研修コースや
アクセシビリティバッジ< http://aka.ms/accessibilityfundamentals >検定を修了しチームが自らの知識を深めるよう奨励することなどが含まれます。トップからの意識改革は重要です。
ゆえに、私のチームが多様な経験や経歴を持つメンバーと共にチームを率いていけるよう心がけています。障碍のある人の立場に立つこと、そして、障碍のある人を支援することの意味を学ぶために、リーダーと共に、目に見える障碍、そして、目に見えない障碍がある人々を招いた生活体験学習セッションを開催しました。

■インクルーシブを組織文化の一部にする

マイクロソフトでは、よりアクセシブルでインクルーシブな世界の実現は、社内から始まると考えています。このことは、
インクルーシブな人材採用< https://www.microsoft.com/en-us/diversity/inside-microsoft/cross-disability/hiring.aspx >へのアプローチ、テクノロジやコラボレーションにおけるインクルーシブでアクセシブルなベストプラクティス、障碍のある人々のコミュニティと支援者に重要なつながり、サポート学習の機会を提供するDisability at Microsoft ERG など、日々の組織文化の一部になっています。
職場でも個人の生活でも、アドボカシーやアライシップについて寄り添い、耳を傾け、学ぶ機会は数多くあります。

私がこの過程で大切にしているもう 1 つは、メンターを持つことです。私の最も重要なメンターの 1 人は手話通訳者として働いている私のいとこです。彼女のおかげで、社会参加を阻むことで障碍のある人々の生活に悪影響を与える課題、無意識の偏見、誤情報について理解を深めることができました。彼女の仕事は非常に重要です。
耳の聞こえない母親が出産する時の分娩室での医師とのコミュニケーションの通訳、教室でのクラスメートとの交流やディスカッションへの通訳などです。これらは、10 億人を超える世界の障碍のある人々が最高の仕事をし、最大限の成果を達成できるよう、
私たち全員が行動を起こさなければならないことを示しています。

国際障害者デーと、今月のマイクロソフトにおける障碍のある人々のコミュニティへの認知度向上のための取り組みは、私たち全員が、社会のあらゆる領域で障碍のある人々の権利とウェルビーイングを向上するための方法を考える機会となるでしょう。
マイクロソフトのプラットフォームや人材を活かすことで、障碍と共に生きることの意味を変え、私たち一人一人が、あらゆる能力を持つ人々をサポートするシステムを作ることができます。

この数年間で、私の意識と理解は飛躍的に高まりました。私は、障碍のある人々のコミュニティの立場に立った活動を続け、すべての人々が成功のために必要なリソースとサポートを与えられるように、広く提唱していきます。これは、私にとって、名誉であり責任でもあると考えています。

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