Call for Code、グローバル・チャレンジ2020の最優秀プロジェクトを発表 ・気候変動の影響に苦しむ小規模農家を支援する、Agrollyの革新的なソリューションを選出 ・実績のあるCall for Codeプラットフォームを活用して、構造的な人種差別との闘いを世界中の開発者が支援する新たなイニシアチブを発表 (2020/10/28、ニューリリース)

※米国IBMからニュースリリースが来ました!

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Call for Code、グローバル・チャレンジ2020の最優秀プロジェクトを発表

・気候変動の影響に苦しむ小規模農家を支援する、Agrollyの革新的なソリューションを選出
・実績のあるCall for Codeプラットフォームを活用して、構造的な人種差別との闘いを世界中の開発者が支援する新たなイニシアチブを発表
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[米国ニューヨーク州アーモンク、2020年10月13日(現地時間)/PRNewswire <http://www.prnewswire.com/> (英語)発]
「課題」を「可能性」と捉えて解決策を考える。2020年は、そんなデベロッパーが特に活躍した年です。Call for Code <https://developer.ibm.com/callforcode/> の設立パートナーであるIBMと創設組織のDavid Clark Cause <https://www.davidclarkcause.com/> は本日、Call for Codeグローバル・チャレンジ2020の最優秀プロジェクトを発表しました。

最優秀プロジェクトにはAgrolly <https://developer.ibm.com/blogs/agrolly/?_ga=2.154233851.2141266592.1603166104-146227583.1480901886> が選ばれました。このアプリケーションは、気候変動がもたらす環境面と経営面の課題に対処できるように世界中の小規模農家を支援します。

Call for Codeでは、「Call for Code for Racial Justice」というイニシアチブも新たに導入されました。これは、数十万人にのぼるデベロッパーの国際的なコミュニティーに、人種間の不平等の是正に取り組むソリューションへの貢献を促すものです。

今回の発表は、開催中のバーチャル・イベント「2020 Call for Code Awards:A Global Celebration of Tech for Good」で行われました。詳細な動画はこちら <https://developer.ibm.com/callforcode/awards/> で視聴できます。

Call for Codeグローバル・チャレンジ2020は、気候変動や新型コロナウイルスと闘うコミュニティーを支援するソリューションの創出をテーマとして開催されました。業界リーダーと審査員一同 <https://callforcode.org/judges/> は、Agrolly に最優秀賞を授与し、入賞した他の4つの取り組みを発表しました。そのうちの1つは、同様に気候変動への対策を打ち出したものであり、他の3つは新型コロナウイルスの世界的な流行を対象にしたものでした。

Agrollyには20万ドルが授与され、入賞したソリューションの継続的な改良、テスト、導入に関して、IBM Service Corpsや技術専門家、エコシステム・パートナーから技術的支援等の実践的な支援が提供されます。さらに、このアプリケーションをオープンソース化し、世界中のデベロッパーがこのテクノロジーのさらなる改良と展開ができるよう、AgrollyはLinux Foundationからの支援も受けることになります。

Call for Code <https://developer.ibm.com/callforcode/> は、何十万人ものデベロッパーを団結させ、世界規模の社会的な課題に立ち向かうための、オープンソース・テクノロジーを利用したアプリケーションを作成、展開するものです。2018年の創設以来、この活動は179カ国にわたる40万人以上のデベロッパーと問題解決の専門家を擁するまでに発展し、1万5千件を超えるソリューションを生み出しています。これらのソリューションには、Red Hat OpenShift、IBM(R) Cloud、IBM Watson、IBM Blockchainなどのテクノロジー、The Weather Companyが提供するデータに加え、HERE TechnologiesやIntelePeerなどのエコシステム・パートナーが提供するAPIが使用されています。

気候変動がもたらす影響と新型コロナウイルスに対処するトップ・ソリューション

Agrollyは、ニューヨーク市のペース大学で出会った、ブラジル、インド、モンゴル、台湾のデベロッパーからなる分散型チームです。IBM Cloud Object Storage、IBM Watson Studio、IBM Watson Assistantを活用することで、Agrollyは情報不足を解消し、リソースの限られた農家が十分な情報に基づく意思決定を行い、経済的な成果を高めるために必要な資金を調達することを目指しています。

The Weather Companyが提供する天気予報とNASAが提供する過去のデータを、国連食糧農業機関(FAO)が公開している農作物の生産要件を組み合わせることで、Agrollyのプラットフォームは、場所、作物の種類、さらには生育期間における農作物の成長段階に基づいて、それぞれの農家に合った情報を提供します。Agrollyチームは、Call for Codeチャレンジに対する活動の一環として、Googleストアで無料アプリとして入手可能なソリューションを作成しました。
もう1つの気候変動ソリューションであるOffShip <https://developer.ibm.com/blogs/offship/> は第5位に選出され、1万ドルが授与されました。

新型コロナウイルスに関する3つのソリューションも受賞しました。第2位に選出されたBusiness Buddy <https://developer.ibm.com/blogs/business-buddy/> と第3位のSafe Queue <https://developer.ibm.com/blogs/call-for-code-safe-queue-field-test/> に2万5千ドルが授与され、第4位のSchoolListIt <https://developer.ibm.com/blogs/schoollistit/> には1万ドルが授与されました。

Safe Queue <https://developer.ibm.com/blogs/safequeue/?_ga=2.57880297.2141266592.1603166104-146227583.1480901886> は、新型コロナウイルス流行下のショッピング・センターや小規模な企業、投票所で安全な入場管理を実現するアプリです。このアプリは、物理的な人の列をオンデマンドの仮想列に置き換えます。5月上旬、Safe Queueは早期締切を設けた新型コロナウイルス関連のCall for Codeにおいて、トップ5のソリューションの1つに選出されました。5月以降、IBMの専門家とパートナーはさらに開発とテストを重ね、全米の組織にSafe Queueのソリューションを導入 <https://developer.ibm.com/blogs/call-for-code-safe-queue-field-test/> しています。

IBMのコグニティブ・アプリケーションおよびエコシステム担当のシニア・バイスプレジデントであるボブ・ロード(Bob Lord)は次のように述べています。「今年のグローバル・チャレンジで提出されたすべての取り組みは、ハイブリッドクラウド、AI、オープンソースに基づくテクノロジーが、気候変動や新型コロナウイルスなどの世界規模の社会的な課題に対処する、大きな可能性を秘めていることを示しています。デベロッパー・コミュニティーには、世界規模の社会的な課題に対処するスキル、意欲、創意があることを私たちは知っています。Call for Codeを通じて私たちが提供しているのは、デベロッパー・コミュニティーを中心に特定の社会的課題に取り組むきっかけを作ること、そしてオープンソースを活用した製品とテクノロジーでそのビジョンを実現することです。この強力な組み合わせにより、Agrollyのような優れたアイデアを今日の世界が必要とする広く展開可能なソリューションに転換できるのです。」

Call for Code大学版の優秀プロジェクト

クリントン財団の副会長であるチェルシー・クリントン(Chelsea Clinton)氏は、IBMとクリントン・グローバル・イニシアチブ大学(CGI U)のコラボレーションに基づく、初開催のCall for Code大学版の優秀プロジェクトを発表しました。

Pandema <https://developer.ibm.com/blogs/call-for-code-university-finalists/> pは、カリフォルニア大学バークレー校の学生チームが作成しました。新型コロナウイルスの流行下における群衆の流れを監視・管理し、ソーシャル・ディスタンシングを奨励するこのアプリに1万ドルが授与されます。イギリスの大学生が作成したLupeは第2位に選出されました。PandemapとLupe <https://developer.ibm.com/blogs/call-for-code-university-finalists/> のチーム・メンバーには、IBMでの採用面接の機会も提供されます。

クリントン氏は次のように述べています。「現在、私たちが直面している問題の範囲と緊急性は過去にないものであり、多様な視点と専門知識が求められています。IBMとの提携が2年目を迎えて、社会的な課題に応えるために取り組んでいる大学の活動を推進できることを誇りに思います。2020年には45を超える国々から53,000人以上の学生が参加し、Call for Codeに時間と才能をつぎ込む若者たちの活気にあふれたすばらしい活動を見ることができました。学生の情熱、コラボレーション、イノベーションは社会を団結させて前へ進める一助となります。」

人種間の不平等の是正促進

Call for Code for Racial Justiceの発表は、自然災害、気候変動、新型コロナウイルスに対処する、グローバル・プログラムの3年間の成果を踏まえたものです。Call for Code for Racial Justiceでは、「警察・司法の改革と説明責任」、「多様化」、「政策と法律の改革」という3つの重点分野を推進するために、オープンソース・プロジェクトの導入とイノベーションを促進しています。

Black Girls Code、Collab Capital、Dream Corps、The United Way Worldwide、American Airlines、Cloud Native Computing Foundation、Red Hatなどのパートナーと協力して、Call for Code for Racial Justiceでは、制度的な人種差別との闘いにスキルと創意を発揮するようにデベロッパーに呼びかけています。

ジョージ・フロイド(George Floyd)、アマド・オーブリー(Amaud Arbery)、ブリオナ・テイラー(Breonna Taylor)や他の多くの人々の悲劇的な死は、サイレント・キャリアが人種差別の拡大を助長していること、そして人種差別との闘いが依然として差し迫った問題であることを思い起こさせました。この新しい取り組みは黒人のIBM社員から始まり、社内のIBMプログラム「Call for Code Emb(race) <https://www.ibm.com/blogs/think/2020/06/on-juneteenth-a-call-to-embrace-change/> チャレンジ」での行動へと結びついています。現在では、このプログラムで作成、開発したソリューションを世界に公開し、Call for Code for Racial Justiceを通じて構築しています。

Black Girls Codeで女子卒業生および教育プログラムのディレクターを務めるアネーシャ・グラント(Anesha Grant)氏は、次のように述べています。「Black Girls Codeは、新世代のプログラマーにプログラミングとテクノロジーを伝えるために創設されました。新世代のプログラマーが私たちの未来を築いていくと私は信じています。Call for Code for Racial Justiceに参加して、重要な変革を引き起こすことを楽しみにしています。」
Call for Code for Racial Justiceは、10月19日のバーチャル・イベント「All Things Open <https://2020.allthingsopen.org/> 」で開始される予定です。

Call for Codeの創設者であるデイビッド・クラーク(David Clark)氏は次のように語ります。「デベロッパーの国際的なコミュニティーが集結して、世界の最も急を要する問題解決を支援する仕組みに毎年驚嘆しています。それは今年も同じです。国連人権委員会(UNHRC)、IBM、The Linux Foundation、Call for Codeエコシステム、世界のリーダーたち、テクノロジーを象徴する人々、著名人、そしてイノベーションを推進する、すばらしいデベロッパーの支援により、Call for Codeは、世界が成果を求める、優れたプラットフォームを特徴づけるテクノロジー・イベントになりました。」

Call for Codeグローバル・チャレンジについて

デベロッパーは、これまで人々の生活における変革を推進してきました。デベロッパーは「課題」を「可能性」と捉えて解決策を考える人々です。そこで、David Clark Causeは2018年にCall for Codeを立ち上げ、創設パートナーであるIBMおよびそのパートナーである国連とともに開始しました。

5年間で3,000万ドルが投資されるこのグローバルな取り組みは、デベロッパーが最新テクノロジーの専門スキルを活用することで、コードを通じて、持続する有益な変化を世界中にもたらすことをスローガンにしています。Call for Codeのコミュニティーは、国連人権委員会(UNHRC)、The Linux Foundation、国連防災機関(UNDRR)、クリントン財団、クリントン・グローバル・イニシアティブ大学、Cloud Native Computing Foundation、Verizon、Persistent Systems、Arrow Electronics、HERE Technologies、Ingram Micro、IntelePeer、Consumer Technology Association Foundation、世界銀行、Caribbean Girls Hack、Kode With Klossy、World Institute on Disabilityなどで構成されています。

Call for Codeの優勝ソリューションは、さらに開発と継続的な改良がなされ、ポジティブな変化を生み出す持続可能なオープンソース・プロジェクトとして展開されます。

2020年11月22日(日曜日)10:00〜12:00、国立研究開発法人科学技術振興機構が主催するサイエンスアゴラ2020の日本IBMのオンラインセッションにて、日本から応募された作品の中からCall for Code Japan Regional Finalistsに選出された4チームのソリューションの紹介と、日本最優秀賞チームの発表を行います。 参加情報を含む詳細および最新情報については、サイエンスアゴラ2020イベントページで確認いただけます。
https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2020/index.html <https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2020/index.html>

以上

当報道資料は、2020年10月13日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2020-10-13-Call-for-Code-Names-Winner-of-2020-Global-Challenge-and-Announces-New-Initiative-to-Combat-Racial-Injustice <https://newsroom.ibm.com/2020-10-13-Call-for-Code-Names-Winner-of-2020-Global-Challenge-and-Announces-New-Initiative-to-Combat-Racial-Injustice> (英語)

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