濱田庄司 邸  の家具

益子参考館は
「陶芸家 濱田庄司が自ら参考とした品々を、
広く一般の人々にも「参考」にしてほしい」
との意図のもとに、開設された美術館で、
濱田庄司の自邸・工房の一部を活用し、
公開されています。


濱田氏は柳宗悦氏、河井寛次郎氏らと
民藝運動を創始し、この運動が
柳宗悦氏の息子の柳宗理氏などに引き継がれ、
現在の日本の家具や工業製品など
あらゆる生活の場のデザインに
大きな影響を与えたと思います。

この先駆者たちの思想や残した物は非常に興味深いもので、陶芸分野で言えば濱田氏がいなかったら
日本の各地の陶芸は廃れてしまって、
これほど多用な手仕事による陶器や
それを産み出す各地の窯は残らなかったのだろうなと天ぷら屋のオッチャンは思います。

濱田庄司 邸と言えば

イームズのラウンジチェア。


濱田庄司の「美」のセンスがわかりやすい例です。
現代社会でも、通用するセンス。
クリエイターの方々は濱田庄司の「未来を見る」
クリエイトの眼を学ぶこと大切だと思います。

目の前の個人の利益だけを追求する姿勢ではない。
「純粋」に「美」を養う。と言うこと。
益子町の根っこに根付いていると思いました。

イームズの濱田庄司のラウンジチェアの記事で
「益子参考館で、イームズのラウンジチェアとメキシコの皮椅子にやられる」と言う記事を拝見しました。
的を得た記事なので、

以下抜粋です


イームズといえばこちらのラウンジチェアやシェルチェアで有名なアメリカのミッドセンチュリー家具界の巨匠。

その代表作の椅子を日本の民藝運動の大家である濱田庄司が愛用していたというのがなんとも面白いものです。
イームズが家具を作る思想も民藝運動の思想も「大衆が使うもの(あるいは使っているもの)を大切にする」という精神があり、国は違えど根底で通ずる同志なのかも、と思いました。

そしてこの益子参考館のイームズのラウンジチェアは思いっきり日本の古い建築の中にいるのに、すっかり馴染んでいる佇まい。
敷いてあるラグもアメリカのものでもなく日本のものでもなく、また違う国の民芸品のようにも見えますが、このラグも含め、日本家屋内にまとまっていて素敵な雰囲気。

ラウンジチェアの傍らにはこの椅子に腰掛ける濱田氏の写真がありました。


傍らには濱田氏とこの椅子にまつわるお話が濱田氏の著作「無盡蔵」より引用されて掲示されていました。
濱田氏がチャールズ・イームズとハンス・ウェグナーを高く評価していたこと、ラウンジチェアはサンフランシスコのハーマンミラーの店で濱田氏が2割引で購入したこと、その旨をお礼伝えるべく濱田氏がイームズに電話をかけたこと、濱田氏の電話に対しイームズからはサンフランシスコの注文を取り消して、自分の工房のものを5割引で濱田氏に送ったことなどが紹介されていました。「巨匠たち本人同士でやり取りしていたのかよ、スゲーなー、、、」としか思えないです。

そして「(当時としては)アメリカの最新のこの椅子が古い日本の民家によく受け応えてくれて感心した」と濱田氏は著作で記しています。まさにその感心ポイントが益子参考館で再現されていて↑の写真なのです。我が家で真似するとか、そういったレベルのものではないですが、痺れました。
「益子参考館で、イームズのラウンジチェアとメキシコの皮椅子にやられる」から抜粋。元記事はこちらから


チャールス・イームズとも親交があった濱田庄司。

彼はイームズのデザインについて語っています。

「モダンデザインなるものは頭脳を優先しすぎて
冷たい、しかしイームズはその造形に独自の個性がある。このラインジチェアは、古い日本の民家で南洋の工芸の皿と一緒に置いても十分になじむ味わいの力を持つ。」

今のクリエイターは、この言葉の深さを感じて欲しい。天ぷら屋のオッチャンの意見です。笑。

濱田庄司の美意識のひとつが、
イームズの椅子ひとつでも、見ることができます。

今回、kazuhikoが体験したテーブルと椅子

益子観光協会 会長の外池さんが、リラックスされている濱田庄司 邸の

ウィンザーチェアです。

 ウィンザーチェアがイギリスで生まれたのは
18世紀前半といわれています。

すべての部材に木を用い、座板に脚や背棒(スティック)が直接差し込まれたこの椅子は、
自然で質朴な美しさを持つ実用品として
幅広い層に受け入れられていきました。

 民藝運動の創始者である柳宗悦と
陶芸家の濱田庄司は、1929年にイギリスに赴き、
ウィンザーチェアをふくむ
約300点の椅子を求めます。
これらの家具はその後東京で展示頒布され、
日本におけるウィンザーチェア普及の
大きな牽引(けんいん)役を果たしました。

バーナードリーチは長野の松本民藝家具に
ウィンザーチェアを紹介し
それが松本民芸家具を代表する
ウィンザーチェアの基礎となったそうです。

これも記事からの抜粋になりますが

ウィンザーチェアとは、簡単に言えばすべて木製で、座板に脚がささり、背もたれがついた椅子のこと。
17世紀頃、イギリスの町家や農家で日常的に使われていたカントリーチェアが原型で、その後ロンドンに伝わり、広く使われるようになった。
ガシガシ使える頑丈さが農家や労働者といった一般の人々に好まれた一方、貴族がガーデン用やフォレストチェアとして使っていたのだとか。
ドラマ「ダウントン・アビー」では、使用人が休憩に使っていたりする。名前には諸説あるが、ロンドンの家具職人が、「ウィンザーの方から運ばれてきた安物のカントリーチェア」とちょっと蔑んで呼んだのが由来とされている。都会の家具職人が作る高級で精巧な椅子に比べて、飾らない見た目はちょっと田舎っぽく見えたのだろう。けれど、そのシンプリシティこそが、人気の理由。その価値観の変化は大きかったに違いない。

日本人が愛したウィンザーチェア。
この秋「日本民藝館」で英国気分を味わおうから 抜粋

濱田庄司さん 本当に凄いですよね!
第一回の人間国宝です。当然と言えば当然ですが
陶器の技術で人間国宝と言う部分だけでなく
日常の中に「藝を磨く」人としての部分。

ニトリやカインズホーム、100円均一など
kazuhikoも、そんな製品にまみれて、生きているので。濱田庄司 記念益子参考館の空間は
本当に特別なものでした。

ぜひ、一度ご体験ください。

もちろん座り心地は最高です。
外池 益子観光協会 会長に、お座り頂来ました



濱田邸宅のテーブルと椅子の1分の短い動画は、こちら

どなたでも、お座り頂けます。

濱田庄司 記念益子参考館。
やはり素敵なところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?