佐藤酒造店の「歴史的」「新商品」を観に酒蔵まで行ってきました。その③
佐藤酒造店の今回の日本酒「魁雪」
「魁雪」は「かいせつ」と読みます。
そもそも「魁」とは、どう言う意味なのでしょうか?
「魁さきがけ」の意味は
① 人の長となる人。かしら。首長。首魁。
② 他の者の先頭を行くこと。また、その者。さきがけ。
とGoogle検索すると出てきます。
私の大好きな
書家の田川悟郎さん
の考え方は、こうです。
「魁Kai」の解釈は、
ひしゃく。柄が長くて頭がまるく大きい。転じて、頭が大きくて、まるい人形。
かしら。首領。一団の仲間を率いていく者。
さきがけ。その道をはじめてひらいた人。元祖。
大きくて、目だつ。堂々としているさま。
星の名。七つの星を斗(ひしゃく)と見たて、
その北斗七星の水をくむ器にあたる部分の四つの星。また、その第一星。
植物の根の塊状のもの。まるく太い芋など。
事物のもと。根本。
です。
成り立ちは、オニ、神霊を意味する「鬼」と、柄杓(ひしゃく)を意味する「斗」の組み合わせで、おおきな柄杓をあらわしています。
この世でいちばん大きな柄杓、北斗七星の先端の星の名は「魁星」。
柄杓の先が大きいことから、比喩的に組織のボス(首魁)をあらわす語としても使われるようになったとか。
「花魁(おいらん)」は花街の遊女のドンという意味なのかもしれませんね。ちなみに「おいらん」という読みは当て字で、「らん」という読みはありません。
日本語ではこの字を「さきがけ」とも読みますが、これは日本独自の当て字で、本来の字に「先駆け、先駆者」という意味はないそうです。
田川悟郎さんの「魁」の文字です
上の記事がスキです。
若手の書家さんですが、本当に大好きです。
ホームページは、下のリンク先から
上の田川悟郎さんの「魁」の解釈で面白いのは
日本語ではこの字を「さきがけ」とも読みますが、これは日本独自の当て字で、本来の字に「先駆け、先駆者」という意味はないそうです。
と言うところですね。
そもそも「そう言う意味がないもの」に
「なぜ?意味を持たせたのか?」と言う
「さきがけ」と言う言葉が気になります。
Wikipediaで「さきがけ」を調べてみると
合戦において、他の者よりも先に
敵の中に攻め入ること。
それを行う人。またその栄誉
と言う言葉が凄くイメージし易いなと思ったのです。
そして、本来の意味
北斗七星の先端の星の名は「魁星」
と合わせみると
他のものよりも率先して、恐れずに突き進んでいく
そして光輝いていて。
手に届かない場所で輝くけれども。
目標として目指すもの。
そんなイメージが湧いてきます。
先駆者(せんくしゃ)。パイオニア、
frontier spirit フロンティア・スピリット
と書いてしまうと少し違う感じです。
命懸けで、勝ち戦も負け戦問わず
みんなの士気を高めて、
「負け戦さえも、勝ち戦に変えていく」
「その勢い」そのものが
「魁kai」
と言う文字の本質なように
kazuhikoは、思います。
新型コロナ禍の逆境の時代で飲食店が悪者になり
お酒が悪者になり、酒蔵は本当に疲弊している中で
その疲弊している立場にありながら
尚も、多くの呑み手に寄り添う
佐藤麻里子 杜氏の「魁kai」の精神が
伺えるように見えます。
そして歴史的に見ても
北斗七星中の第1星、ないしは第1星から第4星までの名。転じて文章や禄(ろく)簿などをつかさどる中国の神の名をいう。
魁星は、文星または文昌星(ぶんしょうせい)ともいわれて文運をつかさどる星とみなされ、後世とくに科挙(かきょ)試験の受験生により信奉された。またその進士の試験に第1位で合格した者も、魁星とよばれた。
実は「偶然ではない」と思うのですが
「越生梅林園」そのものが、
実は「文運」と縁があるのです。
詳しくは下のnoteで書かせて頂きましたが
越生町の梅の木は室町時代(1350年頃)、九州の太宰府から現在の梅園神社に分祀した際、菅原道真(すがわらのみちざね)にちなんで、梅を植えたのが起源であると伝えられています。
菅原道真は平安時代の貴族、学者、漢詩人、政治家です。
政治家として実績を重ね、時の天皇・宇多天皇に厚く信頼されました。また、幼いころから学問や和歌、漢詩においても優れた才能を発揮しています。
優秀な政治家でもあった道真ですが、こころざし半ばで無実の罪で九州に左遷されてしまいます。
梅の花をこよなく愛した道真が、
京都を去るときに作った歌
「東風吹かば においおこせよ
梅の花 あるじなしとは 春な忘れそ」
こちふかば にほひおこせよ
うめのはな あるじなしとて はるをわするな
(春になって)東の風が吹いたならば、その香りを(私のもとまで)送っておくれ、梅の花よ。主人がいないからといって、(咲く)春を忘れるなよ。
と言う意味です。
1000年以上の時の中を生き続け、
21世紀の現代でも学問の神様として
毎年受験生たちの心の支えとなっている。
と言うところも、似ていますよね。
「魁」と言う文字の持つ力は
クリエイターには縁起が良いかもしれません。
残念ながら、ネット販売はしませんので
佐藤酒造店でお買い求めして頂くしかないですが。笑
そして「魁雪」は、越生梅林園の
古木の名前でもあります。
詳しくは下のnoteで書かせて頂きましたが
関東三大梅林の一つ、越生梅林は
約1,000本の梅の木がありますが、
最も古い梅は「魁雪」という名で
600年以上の樹齢です。
佐藤酒造店の佐藤麻里子 杜氏が、今回
「魁雪」を復活させたことにはいろんな想いが
ある事と思いますが
その事以上に「魁」の意味は
僕らnoteのクリエイターには
意味ある事のように思えます。
「魁kai」「魁さきがけ」の意味を簡単に
kazuhikoの想いで書かせて頂きました。
「魁雪」の「雪」の部分は、とても
わかりやすい意味です。
かなりの濃い内容になってしまったので
その話はまたの機会に。
越生梅林園の「魁雪」は、そもそもなぜ「魁雪」と
名前を付けられたのでしょうか?
多くの謎があります。
650年以上前の古木が、
未だに「可憐な花を咲かせます」
もし「永遠の生命」と言う言葉に
一番近いとしたら「越生野梅(おごせやばい)」
の
「魁雪」
なような…ありがたみがある
埼玉県 越生町の越生梅林園の直ぐそばの
弘化元年1844年創業の老舗酒蔵
佐藤酒造店だからこそのラベルのような気がします。
その「魁雪」と言うお酒の銘柄は
実は、佐藤酒造店で大昔に実在した銘柄なのです。
私が昔から良く知る「佐藤酒造店」において
「魁雪」が復活したことは、大事件なのです。
では、続きはまたの機会に
天ぷら屋のオッチャン
今日はこれから遅番で、仕事です。笑
あそうそう。そもそも「梅」と言う文字の意味も
「魁」「雪」も、近い意味だったようです。
漢詩の一説「魁春開雪中(はるにさきがけてせっちゅうにひらく)」に由来して、この中に「魁」と「雪」の文字を見ることができます。
その意味は、雪中に咲く寒梅は、万花の魁をなすもので、先取り、先駆者であるとのことです。
弘道館に梅香を賞す<徳川斎昭>
弘道館中 千樹の梅
清香馥郁 十分に開く
好文豈是 威武無からんや
雪裡春を占む 天下の魁
こうどうかんにばいかをしょうす<とくがわなりあき>
こうどうかんちゅう せんじゅのうめ
せいこうふくいく じゅうぶんにひらく
こうぶんあにこれ いぶなからんや
せつりはるをしむ てんかのさきがけ
弘道館の中には千本もあろうかと思われる梅の木があり、今満開に咲きほこり清香を漂わせている。昔、晋の武帝が学問を好むと梅の花が咲き、学問をやめると咲かなくなった故事から梅を好文木と称するようになったというが、梅に武の威力がないといえようか、寒中の雪を冒して咲き、春の魁をなすのはこの花の他にはあるまい。
です。
梅は一年のうちで最初に咲く花ということで、
日本酒業界でも「先駆者」でありたいという意味が込められていると思われますが。
やはりkazuhiko的には、もっと浪漫を追求したいと思います。笑顔
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