佐藤酒造店の「歴史的」「新商品」を観に酒蔵まで行ってきました。その⑤

「魁雪」の話です。
「魁」という意味について書いてきました。
今回は「雪」の部分です。

そもそも「魁雪」は、「雪の時期に(魁)さきがけて咲く梅」の事で「寒中梅」を指す言葉で
日本酒の中では「寒中梅」と言うのは結構多い名前でもあります。
昔は「花見といえば、梅」でしたから
縁起の良い日本酒として「梅」の名前が入る日本酒は
多かったようです。

「魁雪」は、前回の④でお話ししたように
漢詩の一文でした。

弘道館に梅香を賞す<徳川斎昭>

弘道館中 千樹の梅
清香馥郁 十分に開く
好文豈是 威武無からんや
裡春を占む 天下の

と言う漢詩を④の時に書かせていただきました。

「雪裡春を占む 天下の魁」

寒中の雪を冒して咲き、
春の魁をなすのは
この花の他にはあるまい。

と言う言葉の部分が「魁雪」です。

「魁」については、④でお話ししました。
「雪」については、上の「魁」にかかる「雪」の意味です。

佐藤酒造店の醸造する「魁雪」の場合は
酒造好適米のひとつ美山錦。
最高級産地の長野産を使用しています。
佐藤麻里子 杜氏が自分の眼で
しっかりと確認している
契約農家での逸品です。





この酒造好適米の「美山錦」

昭和47年(1972年)、長野県農事試験場で「北陸12号」を母に、「東北25号」を父とする「たかね錦」に放射線処理を行い、突然変異したものの中から、粒が大きく、心白の発現率が高いものを個体に選抜した品種です。

昭和53年(1978年)に「美山錦」と命名され誕生しました。

名前の由来は、北アルプス山頂の雪のような美しい心白があることに由来します。

と言う事で

雪のような
美しい心白がある事
に由来しています。

佐藤麻里子 杜氏が
「魁雪」の「雪」の部分を
美山錦の酒米の「雪」にかけた。

とkazuhikoは思っているのです。

ちなみに心白とはここです

日本酒造りを目的に作られたお米のことを、「酒造好適米」と呼びます。「酒米」は酒造りに使われるお米のことですので、一般米が含まれます。

酒米は、食用の米と比べると「心白」と呼ばれる米の中心部分が大きいことが特徴です。心白にはデンプンが多く含まれていて粘度が高く、麹造りに重要な役割を果たします。また、米の表層部分には雑味の元となるたんぱく質やビタミンが含まれているため、日本酒造りの際には表層部分を磨く必要があります。

酒造好適米は、あらかじめ心白が大きくなるように作られた、まさに酒造りのためのお米なのです。
美山錦はその中でも大人気の酒米です。

雪山にあるような真っ白な心白が
あることから、
美山錦と命名されました。

まさに「魁雪」にピッタリ!の酒米です。

さて、次回は、いよいよ。
特別に佐藤酒造店の計らいで
「魁雪」の日本酒の写真撮りを
OKを頂きましたよ。

酒蔵の直売所でしか
買えない超限定品です。

ではまた別の機会に

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