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前川かずはる 新たな挑戦の道のり(7/7)日本海側に人もお金も取り戻したい

 敦賀市議会議員を4期16年勤めてこられた、同市沓名在住の前川かずはるさん(45歳)が、2023年4月新たな挑戦をすることになりました。前回の記事では、前川さんが、敦賀の雇用をどのように創出しようと考えているのかを伺いました。敦賀市の人口増加を目指すなら、移住希望者がいるのに、仕事が無いという状態は、絶対に避けなくてはなりません。

 前川さんは、すでに「ふるさと納税」を使って、新たな雇用を生み出していたのでした。

 最終回となる第7回では、前川さんの壮大な夢を語っていただきました。

(聞き手:はんだあゆみ


北陸新幹線開通だけでは人は来ない

前川)新幹線、太平洋側では50年前にできてますやん。こっちは、50年遅れなんです。。。

太平洋側からしたら、「今頃なんやねん」って感じじゃないですか。「私らもう、リニアが走るのに」って。東京駅の新幹線のホームなんて、新幹線が地下鉄かと思うほどすぐ来て、すぐ出ていくじゃないですか。その無駄な便利さ、ちょっとこっちに寄越せと思っちゃうんですよね。

――なるほど。敦賀には、特急だって一時間に一本ですもんねえ。

前川)そうです。北陸新幹線を契機に、良くなっていくんじゃないか、観光客、人が増えるんじゃないかと言ってますけど、便利になるだけでは人は増えません。

――それだけじゃ、絶対増えないですよね。よほど、敦賀に住みたい理由がない限り、わざわざ引っ越しては来ない。

前川)そう。住みたくなるように、ここの価値を上げていかなあかん

――前川さんは、市長になって、その価値を作ろうとしているんですね。

前川)そうしたいと思ってます。そのためにも、観光資源を再発掘し、近隣市町村とも協力して「見どころは敦賀だけじゃないよ、もう一泊して観光していきなよ」という運動を展開していきたいですね。

(前川氏の統一地方選のマニフェスト)

日本海側経済圏で、みんなで伸びて行きたい

――出馬表明の時にプレゼンで使っていた資料を拝見していたのですが、「日本海側経済圏を作る」って書いていらっしゃいますよね。これは、どういうものですか?

前川)これはですね、今敦賀で起きている、この『ふるさと納税好況』を、よその町でも起こしたいと思ってるんです。山陰と言われている日本海側の市町村と手を組んで、みんなで発展していきたい、太平洋側に流れていく人もお金も、こっちに取り戻そうぜ、という、言ってみれば僕の夢です。

――日本海側って、寂れていく一方ですもんね。

前川)そう。でも、ふるさと納税でひっくり返せるんですよ、この、何でもかんでも太平洋側に持っていかれている現状を。

――すみません、また素人考えなんですが。

前川)はい。

――例えば、前川さんが、山陰の自治体にふるさと納税のノウハウを伝えたとしますよね。そしたら、敦賀のライバルになるんじゃないですか? 同じように、カニとか、エビとか海産物で勝負してくるでしょう?

前川)いえ、それは勘違いです。ふるさと納税の市場の伸びしろがまだまだありますので、ライバルにはならず、相互に助け合えると思っています。何しろ、ふるさと納税自体が、まだ伸びしろのあるシステムなんです。だって、まだ、ふるさと納税をやったことがない人って、日本人全体で言ったら、8割、9割いるんじゃないでしょうか。つまり、1,2割の人が盛り上げてくれているだけで、敦賀はこの活況なんですよ。ここに、ほとんどの納税者の方がのっかってきたら、すごいことになりますよね。

――確かにそうですね。私もふるさと納税って、したことないですもん。

前川)でしょ? なのに、現状では、敦賀のふるさと納税の収入は85億ですよ。どこまですごいんだ、と思います。伸びしろしかない

――なるほど、だったら、ライバルにはならずに、協力関係が作れますね。魚がたくさんいる海で一人で釣りをしているのと、みんなで追い込み漁をやってるくらい、規模が違いますね。

前川)そうなんですよ。アフリカのことわざに、『早く行きたいならひとりで行け、遠くに行きたいならみんなで行け』って言うのがあるんですけれど、みんなで協力した方が成果が出ると思うんです。

――とはいえ、自治体によっては、海に面してないところもあるでしょう? そういうところは、返礼品はどうするんですか?

前川)それはですね。ぼくは、これについては、すごく自信があるんですが、探せば、どこにでも絶対、喜ばれる返礼品があるんですよ。

――どこにでも、絶対?

(滋賀県野洲市の位置はこちら)

前川)はい。例えば、僕は、自治体にふるさと納税のコンサルにもいくことがあるんですが、一番すごい例を出しますと、滋賀県野洲市。

――琵琶湖の南岸ですね。

前川)はい。ここの議員さんがさんたちが、うちの市には返礼品がない、ないって困ってらっしゃった。特産品もないし、特徴もない、と。実際その頃、野洲市のふるさと納税での収入は、130万くらいしかなかったんですよ。

――はい。

前川)で、僕が呼ばれていったんですが、野洲市にはSK-Ⅱの工場がドーンとあるんですよ。

――SK-Ⅱ? あの高級化粧品の?

前川)そうです。ちゃんとあるんですよね、返礼品。

――返礼品というと、海産物とか、農産物とかばかり考えてました

前川)そこが、思い込みなんですよね。返礼品って、地場産であれば何でもアリなんですから。野洲市の人たちは、「あの天下の大企業SK-Ⅱが、ふるさと納税に協力してくれるわけがない」って、みんな思い込んでいて、声をかけたこともなかったんですって。

――それも、思い込みなんですね。

前川)はい。だから「行ってみたらいいじゃないですか、直接、相談してみましょうよ」って言って、実際に声掛けしてみてもらったんです。そしたら、SK-Ⅱさんもいいですよ、と快諾してくださって、結果6億の税収アップにつながった。

――うわ、何倍だろ、計算できない。とにかく桁が2けた違いますよね。

前川)ね。そんなもんなんですよ。何もないと思っていると、あるものも見えない。世の中、カニや牛肉食べたい人ばっかりじゃないですよ。化粧品が欲しい人だっている。相手にされないだろうと思いこんで声をかけてなかっただけなんです。どこにだって、何かしら絶対いいものがあるんです。地方は魅力の宝庫なんですから。

――なるほど! 最初に伺った時は、日本海側経済圏なんて、夢みたいな話だなと思ってましたけど、前川さんのお話を聞いていると、できそうな気がしてきました。

前川)できますよ。やろうと思えば、何でもできるんです。やらないからできないだけで。僕は、そうやって、いずれは、敦賀だけじゃなく、日本海側のあらゆるまちに、太平洋側からお金も人も帰ってくるようにしたいんですよね。

――チャレンジャーですね!

前川)いやいや。あの、ぼくね、早稲田大学が主催している日本最大の政策コンテスト「マニフェスト大賞」で2度受賞しているんですよ。

(中日新聞 2020年10月8日版より)

――実践した政策が、評価されたってことですか?

前川)そうです。こうしたいな、ああしたいな、っていうアイデアを考えてるときが一番楽しい。わくわくします。失敗したら、また次の手を考えてチャレンジしたらええんやし、どうしても叶えたいことなら、今できんくても、できるようになるまでやったら、成功じゃないですか。

――スーパーポジティブ!

前川)だから、日本海側経済圏も、きっとできる。いつかできる

――夢がふくらみますね。

前川)夢じゃ終わらせませんよ。そのために、まずは4月の選挙です。

――そうですね! 頑張ってください、応援しています。今日はありがとうございました。

前川)こちらこそ、ありがとうございました。

連載第6回のまとめ

前川かずはるさんは

①北陸新幹線はひとつのツールであり、それだけで人が戻ってくるとは思っていない
②山陰の市町村と協力して地域商社を作り、日本海側に活気を取り戻したいと思っている

そして

③スーパーポジティブで、やろうと思ったことは必ず叶えてしまう有言実行の人である

(おわり)

第6回はこちら

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