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前川かずはる 新たな挑戦の道のり(6/7)敦賀の雇用をどう生み出していくか

 敦賀市議会議員を4期16年勤めてこられた、同市沓名在住の前川かずはるさん(45歳)が、2023年4月新たな挑戦をすることになりました。前回の記事では、前川さんが「子育て支援日本一のまち敦賀」を目指していることを伺いました。

 第6回は、前川さんが、移住希望者に安定した仕事を提供できるような仕組みを、どう作っていこうとしているのかをお伝えします。

(聞き手:はんだあゆみ


敦賀の雇用は「ふるさと納税」のおかげですでに増えている

――前回のお話を伺って、私が子育て中だったら、敦賀に住みたいと思いました。でも、肝心の仕事はあるのでしょうか。若い人たちが出て行ってしまうのは、敦賀に働き口がないからかと思っていました。

前川)そうですね。それも大きいです。大学も1つ(看護大学)なので選択は少ないですね。けれど、ふるさと納税が急成長しているおかげで、敦賀は働く場も増えているんです。

――え? 漁師さんが増えているんですか?

前川)いえ、水産加工業者さんとか、流通業者さんとか。敦賀の返礼品で人気があるのって、海産物なんですよ。

――海産物なんですか?

前川)そうです。ということは、海産物加工したり、箱詰めしたり、冷凍して、送る必要がありますよね。加工場、冷凍庫、倉庫なんかが無いと困るじゃないですか。

――はい。

前川)で、実際、そういう民間企業さんが、新しく土地を求めて、すでに工場を建てているんです。

――そうなんですか?!

前川)はい。敦賀は、何年も前から産業団地の開発と分譲をしてきたんですよ。これまでは、営業経費と時間をかけて、市外にわざわざ誘致に行ってました。でも、今回、新しく分譲した、第二次産業団地は、市内の民間企業さんが、購入してくださって、すでに完売しています。

――すごい! ふるさと納税の余波って、そんなところにまで及ぶんですねえ。でも、倉庫は、今、Amazonのようにロボットがいて、ほぼ自動化しているのかと思ってました。素人としては、せっかく建てても、思ったほど雇用が創出できないのではないかと思ってしまいます。その辺りはどうなのでしょう?

前川)実際に第2産業団地は、雇用数で100人以上。敦賀市の100人以上って結構大きいですよね。

――はい、大きいです。

前川)ちなみに、今、第一次産業団地だけで、雇用数約455人。そこに、第二次産業団地の工場が全部完成したら、110人くらいの雇用が生まれると思います。そして、ふるさと納税は、本当に急激に伸びているので、第二の工場だけではもう処理しきれなくなります。だから、第三、第四の産業団地が必要になるし、その分、働く場所は増えていくと思うんですよね。

――ええ。

前川)そして、先ほどおっしゃったように、倉庫は今IT化が進んでますから、IT産業で働きたい若者の雇用も生まれているんです。

――すごくいい流れができていますね!

前川)そうなんですよ。ほかにも、雇用創出については、前から考えていることがあって。

――なんでしょう?

前川)僕、都会を分散させてやろうかと思ってるんです。

太平洋側から人もお金も取り戻したい


――都会を分散? どういうことですか?

前川)主要な政府機関って、だいたい東京に集まってるじゃないですか。それが、おかしいと前から思ってまして。

――ええ。

前川)たとえば、最近、文化庁が京都に移転しましたよね。消費者庁の一部が徳島県に移ったりもしました。地方分散がちょっとずつ始まっているんです。考えてみたら、文化庁って、京都にあったほうが絶対いいじゃないですか。あれだけ重要文化財が集まっているんですから。

――言われてみればそうですね。

前川)そしたら、原子力規制庁だって、敦賀にあってもいいじゃないですか。敦賀じゃなくても、嶺南のどこかでいいんですけど、この辺って、敦賀、高浜、美浜、大飯、これだけ原子力発電所が集まってるんですよ。原子力規制庁は、ここにある方が、職員さんも仕事がしやすいじゃないですか。出張旅費だっていらなくなりますよ。車で全部回れるんだもん。わざわざ来なくていいから、ここにいればいい。そして、地元の若者を現地採用してほしい。

――考えたこともありませんでした。

前川)そうですか? 僕は10年くらい前からずっと言ってます。何でも東京にある時代は終わったんじゃないかと思います。今は1市議会議員ですけど、市長になれば、そういう訴えもしやすくなると思うんですよね。

――なるほど、直訴しやすくなる。

前川)僕、そもそも東京が、好きじゃないんです。ごちゃごちゃしすぎなんですよ。2年間だけ、東京に住んでいたことがあるんですけど、あの何でも集まってる感じが、本当に嫌いで。こっちはスカスカしてるんだから、もっとこっちにごちゃごちゃをよこせ、賑やかさを分けろ、と思ってました。

――賑やかさを分けろ、と。(笑)

前川)いや、笑い事じゃないですよ。

連載第6回のまとめ

前川かずはるさんは

①前川さんのライフワーク「ふるさと納税」を使って、すでに敦賀の雇用を増やしていた!
②東京にある省庁を、地方に分散させることで雇用を生み出せないかと考えている

第7回へ続く

第5回はこちら

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