#サマーゴースト見たよ

自分は絵を生業にしてきた人間なので、絵作りに着目して見てきました。
なので話の内容や音は他の方に任せて触れないです。(※すごく綺麗な話でした!)

監督もイラストレーターというだけあって、全編通じて、ずっと絵を見てるような感覚でした。
光のあたってるところと、影になっているところの色彩設計が、まさにloundrawさんの絵そのもので
特に暖色と寒色の切り替わりや、補色の関係にある黄色と青の使い方が本当に気持ちよくて、見入ってしまいました。

レイアウトも常に、「loundrawさんの画」が意識されており、それが映画40分感ずっと続いているのは貴重な体験でした。この体験だけでも行った甲斐はあったなと。

他にも特徴的な部分として、質感の入った光の表現(フレアやゴーストなど)が、手書きのブラシのように入っていて(Knoll Light Factoryとかじゃない!w)、カメラの動きに合わせて動いてるのがにエモーショナル。あんまり他のアニメでは見ないです。

なんというか、いい意味で商業アニメの画じゃないんですよね。

キャラに乗った色彩も、光源ごとに効果的な色選びをし直していて、場面によっては影色は青く、ハイライトは黄色く、というかんじで、イラストレーターならではの色彩設計だった。

従来のアニメなら撮影の段階でスタジオにノウハウとして蓄積されている、いわゆるアニメっぽく見える汎用プリセットを使うと思うのですが(素人の想像なので間違ってたらすみません)、この作品にはそれはなく、ほんとに1シーンごとに最適な撮影をしていると感じました。多分撮影前段階でかなり色突き詰めてるんじゃないかな?と、想像してみたり…。

背景美術も、季節や時間ごとにプリセットを変えるのではなく、タッチが異なっていて、光や色の違いが瞬間瞬間で感じることができて…それが、物語にまさに色を乗せた感じがしました!
これらは他の商業アニメ作品にはない感覚で、loundraw監督だからこそできた表現だと思えました。

また絵コンテというかテンポ感もストレスなく、絵が美しいのでシーンごとの関連性も自然で、時間のコントロールや余韻とかもうまくて、40分ノーストレスで見れたのもよかった。

もちろんこの画をすべてloundrawさんが描いてるわけではないとは思いますが、
それでも制作チーム全体で画作りの共通認識を強く持っていたからこそ成し遂げられたことなのかなと感じました。

一方、線画はちょっとindie animeを感じるような遊びがあって、中割りが足りてない感じも時々あるんですが、逆にそれがいい意味で商業アニメ感が出てなくて、逆に作家性が強く出て完成度が高く感じられました。もっかい見に行きます!

最後になりますが、絢音さんの川栄李奈さんの演技がめちゃくちゃ良かったです…!!またアニメやってほしい!

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