致知2021年11月号「努力に勝る天才なし」を読んで
「努力に勝る天才なし」「天才とは努力し得る才」この2つの言葉は、確かにトップアスリートの姿をとらえている言葉だ。
昔は、同じ様な年齢や境遇でも、出せる成果が違うことをもって、「あの人は天才だから自分とは違う」「自分は天才じゃないから出来なくてもいい」と諦めるための言葉として「天才」という単語を使っていた。がんばらなくてもいいという「安心」のための言葉であった。
でも振り返れば、やらない言い訳を探してきて、努力しない、挑戦しないと決めていたに過ぎなかった。ただ、何かをやめるだけならそれ自体は問題とは言えない。スパッとやめて、他に努力できることを本気で続けられたかどうかが大事だと思うからだ。
努力できることが何かは、当ててみなければわからない。「自分は天才じゃない、(この分野では)努力できない」であるならば、「何で努力しようか」を問うべきなのだと思う。あらゆる機会で真剣になる場を求めてこれたかどうか。多少なりとも、悔いは残る。
森信三先生も、人生正味30年だという。だからこそ、これからは、人生を本気で過ごしたい。昨今は、生産性を求めるがあまり、時間をかけ続けたりすることなく、落としどころという最適解を求めにいく傾向がある。事実、自分自身が新入社員に対して、そのように促してきた。だが、渡部昇一先生の言うように、終わりばかり気にしていては大きな仕事はなしえない。本気で、全力で、1万時間打込むということの方がはるかに大切なメッセージだと気づく。
末尾で紹介されていた後藤静香氏の「本気」という詩が好きだ。その一節に、「本気でしていると誰かが助けてくれる」とある。本気で全力を尽くす人生をまず、自分自身が歩み続ける。
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