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致知2024年6月号「対談 大災害との闘い 我が社はこうして立ち直った」を読んで


「諦める」とは、明らかにするという意味があるのだときく。どうしようもない絶望に陥ったとき、続けることを諦めても仕方がないと思う。大災害を経験された佐々木社長、上村理事長の様な試練は、想像しようとしても難しい。理解できないわけではない。想像するのをやめたくなる心のブレーキが作動する。特に、石巻沿岸部にて事業を営むヤマサコウショウの佐々木社長は、震災による津波で被災し、5名の社員の方の命を失い、事業再開のめどはまるで立たないという状況。絶望的とはこのことであり、抗うことなく、楽になることも一つの道であると「明らかに、認める」こともできる。そう思うことの方が自然に想像できる。「希望も失望も心のもちよう」とはいうものの、相当な胆力である。

致知の勉強会で、佐々木社長にも、ご子息にも、ご挨拶をさせていただく機会に恵まれたが、どちらも明るいという印象が強く残っている。同じように生きていける自信はまるでない。だが、もし同じような状況になったと無理に想像したとき、諦めから自分を引き戻してくれるものは、掲げた志というよりも、支えてくれる周囲の人なのではないかと思う。佐々木社長が泣きながら別れを告げた元社員の方々が、片付けを手伝いにきてくれたり、工場再開の目途がたったとき、「また仕事ができるんだ」という喜びを口にしてくれる人がいること。大きな志を掲げて自分を鼓舞してはいても、人りでは進み切れない。共感が得られなければ誰もついていかない。成し遂げる先に、共に歩む仲間や地域の倖せがなければ、進む意味もない。だからこそ、共に歩むという姿勢を大切に、皆で進みたい。

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