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致知2021年12月号「死中活あり」を読んで

六中観。六つのいずれも、人間の修練に繋がる深い導きの光を放っているように感じるが、その中で3番目に位置する「死中活あり」を達するための要因が、他の5つのようにも見えるという捉え方に刺激を受ける。

もうそのようにしか見えてこないから不思議である。そして、活路の開かれ方も2通り示されていることが面白い。

坂村真民先生の伝えた校長先生の体験。生きようという欲を捨てて、己の身を捨てたことから結果として、生かされた。生をあきらめたというより、身を任せたという状況だ。一方、松下幸之助においては、素直に、現実を受け容れるしかない。そのうえで、行き詰ったのではなく、必死に生き抜くことを選び、道をひらいた。

「身を任せる」と「抵抗する」では正反対である。共通するのは、まず現実を受け容れるということだ。そして、我が身を可愛いと思わず、命を投げ出すことである。こう見ていくと二通りに見えていたはずの話が同じものに見えてくるので、また面白い。

年末に向けて、繁忙期の最後の追い込みをむかえている。寒さも厳しくなり、雪も降った。気をつけていても、結果として安全が徹底されないこともある。ただし、これを不運だと嘆くのか、組織を良くしていくチャンス、こんな程度で済んでラッキーだと思って、前に進むのかは自分次第である。

死中活あり。どんなときでも、必ず活路はあると信じて進んでいく。

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