【ツイート転載】あまりにも「平成」的な「昭和好き」(2024.04.03)
こういうド直球な「90年代・2000年代劣化言説の産物」を見せられると、怒りよりもむしろ哀れみを覚える。そもそもいわゆる「昭和ブーム」には、当該年代に猖獗を極めた、若者バッシングを中核とする劣化言説が生み出したものという側面があるんだよね。
こういった見方は別に私のオリジナルではなく、例えば浅岡『メディア表象の文化社会学』などでも指摘されている。
閑話休題、「昭和ブーム」なるものは平成以降に物心がついた若い世代に対して自己否定を強いるものという側面を持っている。ゆえにこういう若い世代が現れることこそむしろ「昭和ブーム」の目指すところであり、背景に我が国の社会やエンターテイメント業界が劣化言説や「ゆとり教育」バッシングをはじめとする通俗的教育言説によって若い世代に否定的な自己イメージを押し付けてきたことがあることを忘れてはならない。
ああいうのは「昭和」と言うよりも平成10年代、さらに言うと劣化言説の時代の思考だと思います。何らかの差別や差別意識を正当化するために「昭和」を持ち出すのは昭和の思考ではありません。右翼ソングとして一部で名高い ゆず の「ガイコクジンノトモダチ」( https://www.uta-net.com/song/246979/ )だって、これは右翼と言うよりもむしろ右派の若者バッシングに媚びに媚びた情けない歌と言うべきでしょう。こういうものを読み解くためにも1990年代~2000年代の若者バッシングを「ないもの」にしてはならないんですよ。