【ツイート転載】かつて「さべつ、ゆるさない」を掲げて地方議員になろうとした谷家幸子氏への失望(2024.07.10)

※2024.08.09 SNS叢書5巻への収録にあたり一部加筆

《出口調査など、調査に現れた数字をもとに印象を語っている人》の多くが(恐らく実数としてはそこまで多くではないだろう)「若者」を過剰にピックアップし、有り体な若者論で印象論ばかり語っていました。確かに「若者のせいにしている」かどうかは主観的なものかもしれませんが、それでも多くの雑な世代論が流れたのは事実です。中にはとても嬉しそうに若い世代をバッシングしている左派までいました。

参照。これでもまだ一部。

で、まさかかつて反差別を掲げて政治家(地方議員)になろうとした方から《そうやってまとめてしまうせいで、逆に若者が自分たちのせいなの?って念押しされちゃう作用もあるような気がするんだけど》と、「寝た子を起こすな」と言われるなど思ってもいませんでした。そもそも出口調査の断片的なデータを元に「若者」語りが横溢してしまう現状を、とりわけ近年の若い世代による社会運動の存在を知っている層(それこそ一人街宣を含む)からすればそれに違和感を覚えてしまう、安直な若年層切り捨てに抵抗を覚えるのは当然ではないでしょうか。世代論に拘泥している暇はないはずなのに。しかも違和感を覚えていたのはなにも若い世代だけではない。

そしてこの物言いですか。そもそもこのツイート自体は、若いと見られる石丸支持者のツイートに呆れて書かれたものではありますが、それでも《若者の「せいにする」人がそこまでいるとも思わないが》などと言っているあたり、体感では石丸支持者よりも蓮舫支持者に遥かに多い、都知事選後の若者バッシングに違和感を示す人(一人街宣や反戦運動で行動する若い世代を見てきた人間が多く、それらの蓮舫支持率も高い)を当てこすりたい様が見て取れます。

私は若者論研究をもう若くなくなったいまでも続けていますが、少なくとも『下流社会』がベストセラーになった後の若者論は、若い世代を「自分たち」とは違った存在であると過剰に描いて否定してみせるものが多いです。

参考:

そのため、若者論の現状を考えれば《度を越したいわれなき中傷でもないかぎり、うなだれながらとりあえず聞いといたら?と思うよ》などとは口が裂けても言えません。若者論は最早世代間の価値観のせめぎ合いなどではなく、年齢による権力勾配を背景とした差別やハラスメントに準ずるものと見なすべきものです。それに若くても若くなくとも、若年層に対する蔑視に繋がるような物言いを批判する権利は当然ありますし、責務もあります。偏った認識や過剰な決めつけはむしろ上の世代こそ正す必要があります。正直がっかりしました。

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