15年前から茅原実里の歌が好きという話

(本文内では敬称略であることをご了承ください)

茅原実里という存在との出会い

私は約15年前、高校生のころからずっと茅原実里の歌が好きだ。

茅原実里の職業は、一般的には声優という事になるだろう。
2006年に放送された、かの有名な涼宮ハルヒの憂鬱というアニメの中の長門有希というキャラクターの声優としてブレイクした。
当時私はリアルタイムではないものの流行っているのを耳にして原作を読み、そしてアニメも見た。当時、ハルヒによってアニメファンになった人は数知れずという大人気作で、私もドハマりした。いわゆる聖地巡礼も行ったぐらいのファンだった。ただアニメを見た当時は声優にまでは注目していなかった。というかアニメ作品が面白いという評価は分かるが、声優に注目するという概念さえなかった。
ただED曲(かの有名なハレ晴レユカイ)は茅原実里を含む登場キャラの声優が歌っていたし、また長門有希のキャラソンである雪、無音、窓辺にてもよく聞いていたので、意識しないながら茅原実里の歌声を聞いてはいた。

そんな私が茅原実里という存在を意識するようになったのは、そのハルヒのOPやED、キャラソン、劇中歌などが演奏された涼宮ハルヒの激奏というライブイベントのDVDを見たことがきっかけである。
各声優が登場して歌っていたのだが、その中で茅原実里はずば抜けて歌唱力が高くて驚いた。ライブという場でもCDと変わらず素晴らしい歌声であることに惹かれ、そこから茅原実里のCDを買ってよく聞くようになった。

私が大学受験をしたのは2009年の春であるが、2008年11月に発売されたセカンドアルバム "Parade" の初回限定版を予約して購入し、ファーストアルバムの "Contact" と合わせて毎日の登下校時に聞くことが受験生時代の唯一の楽しみであり、またその歌声があったからこそ後押しされて受験に成功したと本気で思っている。その位、私にとって茅原実里の歌声の存在というのは大きかった。

高校卒業から10年以上経っても、ずっと「好きな歌手は?」と聞かれれば茅原実里と答えてきた。
実はしばらく新しいCDを買うことは無く古い曲ばかりを聞いていたりもしたのだが、それでも他に茅原実里ほど好きになる歌手は他には結局現れなかった。

そんな茅原実里であるが、この記事を書いている前日である2021年12月26日のライブを最後に歌手活動を休止することになった。
好きでありながらライブというものに行ったことが無かった私であるが、最後はという思いで応募したら奇跡的に当選し、実際に昨日ライブに参加してきた。
その感想を語り始めると長くなるだろうが、一言で言えば、大泣きした。大の大人が恥ずかしいが、特に高校生の頃に聞いていたような曲が歌われたときは感極まってしまった。ある意味、15年越しの夢を見ている気分だった。
ライブ終了後も、一人で泣きながら宿泊先に歩いて帰った。とてもとても寒い日でしんどかったが、きっとそれも今後よい思い出になるのだろう。

何故、茅原実里の歌が好きなのか

さて、茅原実里の歌の何が好きなのか、というのを書いておきたい。
というかこれを敢えて文章化すること、それがこのnoteを書く目的だったりする。

茅原実里の歌声は、説明が大変難しいのだが、何の引っ掛かりもなく私に吸い込まれていく感じがするのである。
何も引っかからないと言うとなんかネガティブな感じがするが、そうではない。やっぱり難しいな・・・

何でも良いのだが、例えば凄く刺激的なものというのは確かに一時的にはドハマりして大好きになるかもしれない。食べ物に例えるなら、濃厚でガツンと来るラーメンとか、激辛料理とかの類である。
でも少なくとも私は、そういう類のものは割と短期間で飽きてしまうのだ。飽きるというか、疲れると言った方が良いのかもしれない。段々しんどくなって、ある時をきっかけにぱたりと辞めてしまう。そういう経験は人生で何度も繰り返してきた。

それに対して、茅原実里の歌声は疲れないのである。真っすぐにスーッと染み込んできて、私の心の穴を自然に埋めてくれる、そんな感じ。
例えるなら、清らかな湧き水という感じだろうか。水を飲むのに飽きたという事が無いように、茅原実里の歌声はどれだけでも聞いていられるし、それでいて感情に対してもきっちりと訴えてくるのである。

もちろん、茅原実里の楽曲にも色々なものがある。激しいロックサウンドもあればバラードもあるし、明るい歌詞もあれば暗い歌詞もある。
それぞれで当然雰囲気が変わるように歌い分けられているし、エフェクタによる加工も入っている(はず)。しかしそれでも茅原実里の声はいずれも無抵抗に染み込んでくる。こんな歌声は、私は他に知らない。

今後もファンとして

昨日で茅原実里の音楽活動は終わりとなった。
ファンとしての私も、15年の思い出に一区切りついた感覚はある。
しかしこれを機に茅原実里の歌を聞かなくなるかと言えば、決してそんなことは無い。
5年後、10年後もなお好きな歌手は茅原実里ですと言っていると思うし、20年、30年経っても聞き続けたいと思っている。
それだけのものに出会えた私は本当に幸せだと思うし、出会わせてくれた茅原実里には感謝しかない。

みのりん、本当にありがとう。お疲れ様でした。

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