ライザのアトリエ2をプレイした感想

Steam版のライザのアトリエ2を発売日に購入してプレイした。
私自身、こういう(=ソシャゲとかミニゲームとかじゃない)ゲームをプレイしたのは10年ぶりとかじゃないかと思う。実は前作の「ライザのアトリエ」がTwitterで話題になっていた時(約一年半前)にゲーミングPCを購入したのだが、PCが届いたころには話題も落ち着いていて、結局現在もプレイしていない。つまり続編からプレイしたということになる。
なお、他のアトリエシリーズも全くやったことが無いし、正直言えばどんなゲームなのかさえ全然知らなかった。ただなんとなく興味を持ち、久しぶりにRPGをやってみるかと思ったのだった。

そして先日、ラスボスを倒してメインストーリーを全クリした。なので折角だから感想を書いてみようと思った。
なるべくネタバレは避けるようにするが、ほんの少しでもネタバレは嫌だという人は読むのはやめた方が良いと思う。ただなるべく核心を突かないようにするつもりなので、プレイするかどうか迷っていて多少ならネタバレは気にしないという人は読んで参考になればと思う。

では、思いつくままに書いてみよう。

良かった点その1 キャラが魅力的

もともとTwitterで話題になった時に興味を持ったきっかけはキャラが魅力的に見えたからだったわけだが、実際にプレイしてみてもその点は良かったと思う。
前作をプレイしていないので、前作から引き続き登場する人物が今作の3年前にどんな関係性だったかは分からないわけだが、しかし今作だけプレーしてもなんとなくその関係性は分かってきたので問題はあまりなかった。
私個人、かわいいもの好きだったりするのもあり、キャラの造形や声にも大いに満足だった。

良かった点その2 手軽な難易度

これは意見が分かれるところかもしれないが、あまりゲームをプレイしない私としては難易度が高くなくてよかったと思う。
敵が倒せないから延々とレベル上げをしたり戦い方をかなり工夫しなければならないとか、ダンジョンの謎解きが難しいとか、そういうゲームはゲーマーの方なら楽しめるかもしれないが、私のようなカジュアルプレイヤーにとってはストレスだし、途中で諦めたりする要因にもなってしまう。
それを思うと戦闘はそれほど大変ではなかったし、単純作業のレベル上げというよりは錬金術で強い装備を作ることで強化していったりしたので、錬金術というテーマに触れながらストーリーを楽しむことに集中できたのは良かったと思う。
同時に難易度は設定が出来るので、もし難しさを求めるならばその調整も可能であり、ゲームに慣れた人も楽しめるんじゃないかと思う。

良かった点その3 サイドストーリーが豊富

メインのストーリーのほかに、パーティメンバーや王都で出会った人々との間でのサイドストーリーも多く用意されていた。ストーリーを進行させるだけでは疲れてくるので、途中でそういうちょっとしたやり取りを挟むのも気分転換にはとても良かった。セリフ送りも自動で出来るので、一度コントローラを手放して休みながら眺めるという時間を作れるのは悪くない。
また最初に挙げたキャラの魅力にもつながるが、各キャラの考えていることが分かったり感情の変化を追うことが出来たりと、ストーリーを進めるうえでのスパイスとしても役立った。

良くなかった点その1 ストーリーにやや不満あり

大まかなストーリーとしては「遺跡を回って忘れられた過去の歴史を明らかにしていく」というものである。私個人的には、フィクションであっても良く練られた歴史設定を紐解いていくというテーマは結構好きで、こういう出来事が起こったのはこんな理由があったからなんだという説明が結びついていくのはとても楽しい。
ただ今作の場合、確かに何があったのかは少しずつ明かされていくのだが、しかしあくまでそれらは断片的にしか語られない。大まかにこういうことがあったらしいというのは分かるのだが、明確な一本のストーリーとしての答え合わせが行われることは無い。もっと言えば、この歴史を明かしていく作業は必要なアイテムを作れるようになるもの物さえやればストーリーを進められてしまうので、そもそも歴史を明らかにしていくということ自体があまり重視されていないように思える。
断片的な情報から推測するに、結構壮大な歴史的出来事があったはずなのであるが、それがこの扱いになっているのは本当に残念だと思った。

良くなかった点その2 危機感や使命感がない

前述のストーリーへの不満につながるが、正直何のために遺跡を探索しているのかが段々分からなくなってくる。いや一応後半はある目的が生じてはいるのだが、それが危機的なものというか急いでやらないとという気になるような演出があまり無いし、探索することでどうすればその目的を(一時的ではなく恒久的に)達成できるのかも良く分からない。
またラスボスのいる最終ダンジョンが開かれた時も、正直あまり危機感は無かった。もしかしたら前作をプレイしていれば違ったのかもしれないが、それにしてもどれほどの危機が迫っていて、ラスボスを倒したことがどれだけ価値のあったことなのかは全くという程分からなかった。
最後にライザがある決断をするのだが、それももっともっと葛藤が描かれても良かったと思うし、なんかぱっぱと話が進んでプレイヤーとしてはあまり感情が動かされなかったなと思った。
話を進めればきっと歴史が明らかになり、それが危機的状況を説明し、ライザたちがやるしかないんだという状況になるのだと思ってプレイしていたが、残念ながら最後の最後まであっさりだったと思う。

良くなかった点その3 ボリュームが少ない

まず事実として、ラスボスを倒してエンディングを観終わった時点で、プレイ時間はおよそ44時間だった。サイドストーリーを全部進めたわけでもないし錬金術もストーリー上必要なことぐらいしかやっていないので、プレイスタイルによっても時間は大きく変わるだろうからあくまで参考までに。
しかし良い点で挙げた難易度の低さと、良くない点で挙げたストーリーの薄さが合わさった結果、ちょっと物足りない所は感じた。
例えば錬金術を使うためにはスキルツリーを解放していかなければならないが、まだまだ解放していないものが多い状態でクリアしてしまった。実際、いくつかの要素はクリア後になって初めて解放して使えるようになった。もっと錬金術を駆使して遊びたかったことを考えると、やっぱりボリュームが足りなかったように思う。
ちなみに、特に備えていたわけでもないのに、ラスボスは1回の戦闘で倒せてしまった。確かに多少は頑張ったけど、これも達成感が少なかった原因かもしれない。まぁ戦闘に関しては難易度を上げれば難しくなるのであるから、そこは自分で調整しろということになるのだろうが。

良くなかった点その4 前作をプレイしていないと分からない単語や設定も

続編なのだからある程度は当たり前ではあるものの、いくつか今作から始めたせいで分からない単語や設定はあった。それらは軽くでもよいから説明が欲しかった。プレイヤーとしてその情報が欲しかったというものあるし、パーティメンバーには今作初めて合流したキャラもいるのにちょくちょく3年前(=前作)を知っている者同士の内輪でしか通じない形で話が進んでいく部分もあって、その辺りで置いてけぼりにしてしまうのはちょっと可哀想だと思った。

まとめ

読み返してみると良くなかった点の方が多くなってしまったが、個人的にはそれなりに楽しめたかなと思っている。こういうゲーム自体が久しぶりだったのだが、実は「自由度が高い」「のんびりと楽しめる」というゲームを求めていたので、そういう観点からすると私の好みには合っていたのだと思う。

あとは今後、歴史の部分が詳細に語られるような何らかの展開があると嬉しい。映像作品でも本でもDLCでも良いのだが、やっぱりその部分を一本のストーリーとしてまとめる価値はあると思う。それに期待したい。

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