見出し画像

フトゥーロがリーグ戦初勝利

7月8日日産自動車追浜総合グラウンドで知的障がい者サッカーチーム横浜F・マリノスフトゥーロの横浜市民リーグ第2戦が行われた。対戦相手はPSSJ(パナソニックシステムソリューションズジャパン株式会社サッカー部)。前回の試合で横浜セルヴェージャを相手に0-3と完敗したフトゥーロがPSSJを相手にどんなプレーをするのかが楽しみな試合だ

フトゥーロの先発はGK1番越田颯悟、DF2番大橋健祐3番宮本裕士5番清田達晃17番秋山勇人 ボランチに7番中村海斗6番高畑誠 二列目に14番岡田秀太10番外崎蒼紫8番田中秀太 ワントップに9番山田悠太

試合前に宮下監督は「前の試合は負けたけど、リーグ戦はそれで終わりじゃない。全5試合やっての結果だ。この試合に勝てばまだ上に上がるチャンスがある。ワールドカップのグループリーグみたいに得失点差も大切になってくるから、勝つだけじゃなくたくさん点を取って行こう。消化試合じゃない大切な試合だ。」と伝えた。さらに「今日のテーマはこの前出来なかったピッチを広く使ってサイドを起点に攻撃をしよう。暑いけど最後まで走り切り何度も諦めずに攻撃をする。シュートチャンスはキッチリと決める。ディフェンスはラインコントロールをしっかりする。」とリーグ戦初勝利に向けてチームを鼓舞した。

ワントップを決める時にちょっとしたアクシデントが。宮下監督が先発メンバーは「ワントップは悠太」と呼ばれて前に出たのは監督が考えていた山田悠太ではなく山本裕太。山本裕太の勢いにどちらが先発で出るかをじゃんけんで決めることに。結果は山田悠太が勝ち計画通りの先発メンバーがピッチに向かった。

前半
試合は前半、監督の指示を意識してか前の試合よりもピッチを広く使ってフトゥーロペースで試合が進む。PSSJの攻撃にもしっかりと戻り人数をかけてゴールを守る。相手のペナルティーエリアへの侵入、コーナーキック、ミドルからのシュートなど何度かチャンスを作るが今ひとつゴールを割るには何かが足りない時間が続く。

連続した横浜F・マリノスフトゥーロの攻撃でPSSJのマークが弛んだところを33分フトゥーロFW9番山田悠太がチームのリーグ戦初得点となるゴールを決めた。フトゥーロはもう1点を狙いに攻めるが前半を1-0で終えた。

ハーフタイムの宮下監督
「同じマークで戦っているけど、バランスが崩れなかったら攻撃は何をしてもいいんだ。自分からやってごらん。サイドをアップしたり。みんなでやってごらん。ゲームをするのはみんなだから。負けているチームは点を取りに来るからね。ワールドカップのベルギー戦。普通だったら2点なんてセイフティーリードだよ。でも1点返されて勢いに乗って逆転されちゃった。サッカーはそういうところがあるから、集中してチャレンジして2点3点目を取りに行きましょう。ちょっと暑いけど35分頑張ろう。」

後半
メンバー、ポジションを変えて入った後半、暑さの影響か徐々にPSSJのマークがゆるくなってくる。44分フトゥーロ10番外崎蒼紫のミドルシュートが決まる。さらに2分後の46分にゲームキャプテン7番中村海斗がシュートを打ち3点目。

攻撃の手を緩めないフトゥーロは54分じゃんけんに負けて途中出場の11番山本裕太、60分に10番外崎蒼紫がこの日2点目となるゴールを決めた。

両チームとも給水、選手交代をしてフトゥーロにもう一点という雰囲気の中、64分フトゥーロの左サイドを突破したPSSJ14番竹本瑞基が1点を返した。

残り5分互いにもう一点を狙ってピッチを走り続けるがフトゥーロGK1番越田颯悟、PSSJGK1番坂本祐太郎がそれ以上の失点を許さず試合終了。

試合は5-1で横浜F・マリノスフトゥーロが横浜市民リーグ3部で初勝利をした。

試合結果 
横浜F・マリノスフトゥーロ 5-1 PSSJ

試合後PSSJの選手は、「よく走って、技術もあるし、強いチームですね。」と感想を語ってくれた。

選手の感想
中村海斗20歳(ゲームキャプテン)
-試合の感想を
「初キャプテンで緊張しました。チームが勝てて良かったです。次の市民大会の相手が強いので今日みたいにいかないと思うんで、しっかり練習をして頑張っていきたい。」                        -どこを気をつけて練習をしていきますか
「止め蹴るがまだ出来ていないところがまだたくさんあると思うんで、そこをしっかりしてやっていきたいと思う。」

山田悠太19歳
-フトゥーロの社会人リーグ初得点をとった感想は
「自分が先に決めて嬉しいという気持ちです。シュートを入れたあともいっぱいチャンスがあったのに決められなかったという悔しい想いがあるので、次回の試合でもっともっと決められようにがんばりたいです。」

山本裕太15歳
-初得点おめでとうございます。交代して早々の得点でしたね。
「はい。」
-出来るスーパーサブですか?
「ありがとうございます。僕はしっかり練習して準備が出来ていたので,あの時はちゃんと決めないとなと思いながらシュートをしました。」     -ゴールを決めた瞬間の気持ちは。
「ゴールパフォーマンスをどうしようかと考えました。」
-それであれ?
「はい。」
-これからも頑張ってください。
「ありがとうございます。これからも務めさせていただきます。」

宮下監督
-今日の試合の感想を聞かせて下さい。
「1試合目がああいう出来だったので(0-3で負け)リーグ戦全体を考えるとちょっと不安でした。今日の試合では、選手たちには消化試合では当然ないので勝ちに行くことを要求しました。選手たちが暑い中、選手なりには頑張ってくれたんじゃないかなと。先制出来て、追加点を取れたというのが今日の大きなポイントだったかなと思います。今までは1,2点取ったら、気持ちの中に弛みというか、余裕が出来て休んでギリギリになって慌てているというのが、フトゥーロというチームだったんですけど、今日は1点目取って2点目取って3点目取ってって追加点を取れまし。最後は最後の最後に集中が切れて1点取られるというサッカーによくあるパターンで失点しました。ああいうとこもまだまだ選手の甘さっていえば甘さなんで、そういうところを追及出来ればいいと思っています。」

今後の予定
今日の試合の勝利で勝率5割にした横浜F・マリノスフトゥーロ。次のリーグ戦は未定。次の試合は7月21日に行わるカップ戦の横浜市民大会1回戦。 対戦相手は神奈川県1部現在1位のFIFTY CLUB。

宮下監督は選手たちに「市民大会の相手は1番強いチーム。強いプロの集団だ。レッズにいた永井が今ケガをしているけど、コーチがよく知っている教え子や、プロ選手になったやつがガンガンやってチームだ。たぶん2,30点ぶち込まれるだろう。そんな試合が待っているから覚悟して。どれだけ意地を出せるか頑張れるか。すこしでもその差が埋められるように練習に取り組んでいくように。」

知的障がい者サッカーチームが親善試合で元プロサッカー選手のチームと試合をしたことはあるが、公式戦でプロチームと試合をするのは初めてだと思います。
果たしてジャイアントキリングとなるのか、下馬評通りボコボコにされるのか注目の試合は7月21日土曜日新横浜公園球技場13:00キックオフ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?