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小学生との闘い

島の北寄りにある福井小学校では、
毎年一回「崎アルクンジャー」という名前で、
島の北から南まで縦断して島食の寺子屋のある崎地区まで歩いてやってくる行事があります。

島の北から南まで、google map上では10km。
地図のうえでは読みとれない、勾配のある上り坂下り坂が、
くねくねと続いていて、島の元気な小学生でも大変そう。

普段は歩いて行くことのない崎地区は、小学生にとって未知の世界。
事前学習ということで、小学校の授業の一コマの中で、
「崎地区ってどんなとこ?」を伝えながら、島食の寺子屋のこともお話しました。

私の他には、崎地区の元公民館長さんや、
定置網漁の副漁労長さんも、話し手として参加。

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授業は、3年生・4年生が4グループくらいに分かれて、
各々のブースで小学生から質問を受けていく形。
しっかりと島食の寺子屋のことを伝えようと意気込んでいたものの、
小学生に終始ペースを握られてしまい、防戦一方に。

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最初に崎地区には湧き水が沢山ある話をしてみて、
「水には軟らかいのと、硬いのがあるんだよ」と言った瞬間に、
「水なんて全部一緒じゃん、いろはす買えるし~!」と大声で返される。

湧き水の有難さって、なんだっけ?とふと考え直してしまう。
湧き水があるおかげで、島であっても稲作など農業ができるようになるし、
軟水でお米が美味しく炊けるってのは、こちらの視点。

小学生たちにとって、水はまず飲むものなのだ。
10km歩く道のりを、湧き水だけで歩いてもらうのもありかもと、
少し意地悪なことも思いつく。

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中には崎地区に住んでいる子もいて、
春先にとれる山菜の名前を得意げな顔をして言い当てていく。
この子は、関東から親子留学という制度で引っ越してきて、
今年の春から一年間だけ海士町に滞在している。

都会から来ると自然の食材が大事に見える一方で、
離島にいるとペットボトルに入ったいろはすが便利に見える。
ないものねだりするのは、大人もですね。

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