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週刊金融日記 第521号 地方出身の平凡な大学生だった私が海外大PhDコースにフルサポート奨学金をもらって留学できた夢をつかむ力、米グロース株の下落が止まらない、ゴールデンウイーク中のスキー場は空いていた、元カノと縒りを戻したい、他

// 週刊金融日記
// 2022年5月9日 第521号
// 地方出身の平凡な大学生だった私が海外大PhDコースにフルサポート奨学金をもらって留学できた夢をつかむ力
// 米グロース株の下落が止まらない
// ゴールデンウイーク中のスキー場は空いていた
// 元カノと縒りを戻したい
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 とうとうゴールデンウイークも終わってしまいましたね。日本各地の観光地は大変に混雑していたようです。僕の方は、混雑している観光地を避けて、東京の都心で楽しく過ごしておりました。
 今日から仕事の人が多いと思いますが、ぼちぼちがんばっていきましょう。

★高層マンションなんかが建ち並ぶ品川の汚い運河で黒鯛を見つけました。日本は田舎に行けば自然がたくさんありますが、こういう都会の中でたくましく生きている野生生物もまたいいですよね。

★銀座の居酒屋には生きたイカがいました。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 日銀は長期金利が0.25%より上がることを恐れていますか
- ETFの分配金の再投資について
- インスタで知り合った香港人女社長に薦められFX取引を始めかなりの金額を入金しましたがこれは詐欺でしょうか
- 小中を私立にするのはPTAを回避するため
- 若い女性とたくさん関係を持つという目的においてベストな引っ越し先を教えてください
- 年収1000万円30代医師ですが3年つきあった彼女とどうしても縒りを戻したい

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.地方出身の平凡な大学生だった私が海外大PhDコースにフルサポート奨学金をもらって留学できた夢をつかむ力

 Twitterを見ていたら、徳島県の恵まれない片親家庭出身のただの女子高生だったのだが、さまざまな逆境を跳ね返しスタンフォード大学に合格した、というということで自伝(!)を出版した、現在スタンフォード大学に在学中の松本杏奈さんが大炎上しておりました。
 Twitterデビューは1年以上前で、良くも悪くもかなり自己主張が激しい方で、座右の銘は「強行突破」だそうです。また日本の教育や社会などを上から目線で批判するなど、もともとSNS社会の日本にあって可燃性が高かったのですが、今回、いかにしてスタンフォード大学に合格したのか、という自伝的本を出版したところ、どうやら関係者と思わしき方がAmazonレビューでいろいろ本に書かれていないことを長文で書き綴り、それがTwitterで拡散していき、とうとう弾薬庫に引火してしまい爆発炎上してしまいました。かなりフォロワー数が多いちょっとしたアルファアカウントだったのですが、あえなくTwitterアカウントが本人の手により消されてしまいました。

『田舎からスタンフォード大学に合格した私が身につけた 夢をつかむ力』松本杏奈
https://amzn.to/3vW0sFW

●世界的名門スタンフォード大へ「夢実現のため」選んだアメリカ(FNNプライムオンライン)
https://www.youtube.com/watch?v=C7ZzHNu_25E

 この炎上事件については、成績ビリから慶應大学の総合政策学部に合格した元祖ビリギャルで、現在は米コロンビア大学の大学院に留学中の小林さやかさんも嘆いております。

「スタンフォード大に行った松本さんが誹謗中傷を受けてTwitterをやめた件。
 自分の可能性に蓋をせず、どんな障壁も乗り越えて道を切り開いていく若者を、真っ直ぐに応援できない人がこれだけいるという事実。恥ずかしい。邪魔してる場合じゃないだろ。
 日本、いいのかこんなんで」
-- 小林さやか https://twitter.com/sayaka03150915/status/1522493532002742272

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』坪田信貴
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 松本杏奈さんの売りは、両親が離婚して貧しい母子家庭で育ち(さらに母とも確執があり)、もちろん英語力も留学するためのお金もない、学校の先生からはふつうに日本の大学に進学すればいい、と大反対され、孤立無援だったのだが、こうした逆境を跳ね返し、スタンフォード大学合格、さらにユニクロの柳井さんが設立した財団から奨学金ゲット、という「偉業」を成し遂げた、というもので、そうしたことをTwitterなどでことあるごとにアピールしておりました。
 じつはいろいろと親や塾の先生や通っていた高校の先生たちがサポートしてくれていたんですが、そういう彼女の周りの人たちがコケにされた、と義憤に駆られた関係者と思わしき方が、Amazonレビューに、いやいや本にこう書いてある(あるいは意図的に書かれていない)が、それは違うんじゃないの?といろいろ暴露というか、本人が言ってなかったことが長文で投稿されました。それがTwitterで拡散し、瞬く間に炎が燃え広がりました。Amazonレビューも炎上していたのですが、さっき見たら、★1つのレビューやこうした批判的なレビューがぜんぶ消えていて、スタンフォード大学に合格するだけあって、こうした削除申請などのアクションが迅速かつ適格で、さすがだな、と感心しました。僕の本のAmazonレビューもアンチに荒らされますが、特に気にもせず放置しており、削除依頼する、という発想さえなかったので、やっぱりスタンフォードはすごいわ、と思った次第です。

●3つの逆境のナゾ(星1つ) アーカイブ
https://archive.ph/zjAJV

 まあ、簡単に言うと、本人はMITに行きたかったんですが(こちらは不合格)、そもそもMITなどの米国大学を勧めたのは塾の先生で、そのあと、ポンとボストンまでの飛行機代が出てきてMIT見学に行ってるし、英語力がないと言っているが、短期留学とか幼少期からちょくちょく親が金出して行ってるし、高校の先生が反対したとか言ってるが、米国大学20校に出願していて高校の先生が英文の成績表や推薦書など用意するのにどれだけがんばったんか(大変なんでふつうは5校ぐらいに絞れと言われる)、挙げ句の果てに、離婚した母親のところで暮らしていたが、これだけいろいろやってくれた母親を毒親呼ばわりで「絶縁」してお父さんの所に行ったらしいんですが、書籍にもどこにも書いてなかったんですが、このお父さんが米国での研究経験もある立派な大学教授で、娘の米国大学入学のためにけっこうがんばってたらしいんですね。さらに、彼氏が日本のトップ中高一貫校の帰国子女らしく、いっしょに米国大学進学したらしいです。いや、もうめちゃくちゃいろいろ恵まれてるじゃん、と。本でもTwitterでも、恵まれない環境で、私は逆境を跳ね返してがんばった、とずっと言っていたんで、もういろいろTwitter民がブチ切れた、というのがことの真相のようです。

●スタンフォードに合格した松本杏奈さんの自伝炎上の件
https://togetter.com/li/1882887

 まあ、そりゃあ、本人に至らぬところもあったかもしれんし、恵まれない環境で逆境を跳ね返した、という売り出し方がだいぶアレだったとは思うんですが、まだ19歳とか20歳とかの女子大生に対して、Twitterのおっさんたちが烈火の如く怒ってバンバン叩いて、Twitterのアカウント消去まで追い込みますか、と。というのも、若者って、自分の貢献とか成果を良くも悪くも過大評価して、またそれを自分がやった!とアピールするものだし、自分が恵まれていたこととか周りのサポートとか気づかないものなんですよね。僕自身もそうでしたよ。だいたい、僕が出会う俺は俺は系のベンチャー社長の10人中12人ぐらいは、いい年こいて、俺は大変な子供時代を過ごしたけどそんな逆境を跳ね返して成功をものにした、と会話の所々に貧乏だった自慢とか逆境跳ね返し自慢を盛り盛りにして挟み込んできます。成功する人というのは、良くも悪くも俺は俺は系の人が多いんですが、彼女もそのひとりでして、もうこれは俺は俺は系の人たちの生まれ持っての性(さが)であって、どうしようもないんですわ。あと、日本人が欧米に留学したりすると、どうしても出羽守(これはアメリカ「では」…、ヨーロッパ「では」…、と欧米のことを持ち出して日本をディスる海外在住日本人)になってしまうんで、これは海外に住み始めた日本人なら大半が罹る熱病みたいなもんですわ。

★それにしても僕が留学してた時にTwitterがなくて良かったです。本当にSNSがなくて助かりましたわ。

 それはそうと、擁護派の方々もおりまして、擁護派はお前らただの嫉妬だろ、バーカ、バーカ、と言っているんですが、擁護派の中にも、どうやって日本の高校生がアメリカの名門大学から合格通知をゲットしたか、という情報がとても少ないので、彼女みたいにその過程をしっかり本に書いてくれて、こうしたことはとても役に立つ情報なんだからアカ消しに追い込んでどうする、と言ってる方もいて、なるほど確かにな、と思いました。もちろん、僕も松本杏奈さんを叩く方か擁護する方か、と言われたら圧倒的に擁護派です。
 ちなみに、合格基準がよくわからない(そもそもない)アメリカの大学の選考基準については、アメリカの日本人学校で卒業生を多数アメリカの名門大学に送り出している東大卒の冷泉さんという高校の先生がいるのですが、その方の本がよく書けています。
 ということで、今週号は、松本杏奈さんに見習って、僕がいかに海外の大学院のPhDコースからフルサポート奨学金と学費免除のオファーをゲットしたか、という話を書こうかと思います。大学生の読者や、子供の教育に悩んでいる読者の方たちの参考になれば、と。

『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』冷泉彰彦
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