見出し画像

週刊金融日記 第136号 アービトラージ・オポチュニティと石器人、解散総選挙へ、虎ノ門と五反田の美味しいスペインバル、やしきたかじんさんの殉愛について、他

// 週刊金融日記
// 2014年11月17日 第136号
// アービトラージ・オポチュニティと石器人
// 解散総選挙へ
// 虎ノ門と五反田の美味しいスペインバル
// やしきたかじんさんの殉愛について
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 あれよあれよという間に、衆議院の解散が決まったようですね。まだ、正式には発表されていませんが、NHKなどは、すでに以下のように報道しています。

「安倍総理大臣は、景気の回復に足踏みが見られることから、来年10月に予定される消費税率の10%への引き上げを1年半先送りし、その先送りについて国民に信を問うため、来週、衆議院を解散する意向を固めました。安倍総理大臣は、外国訪問から帰国する翌日の来週18日にも、地方の消費を呼び起こすことなどを柱とした経済対策の取りまとめを指示したうえで、衆議院の解散を表明することにしています。」

消費増税1年半先送り 18日にも解散表明
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141114/t10013215721000.html

 なんとも大義のない解散ですが、自民党としては、ここで解散したほうが得だという判断でしょう。得というのは、つまり自民党議員が政治家を続けられる期間が伸びる確率が高くなる、と言う意味ですね。そうした政治力学についての解説は、すでにさまざまな識者が書いていますから、ここではちょっと違った視点を提供したいと思います。
 恋愛工学で一度解説した開回路(オープンループ)の文脈でも、自民党に有利ではないでしょうか。安倍内閣はリフレ政策という経済の大実験をしており、これで本当にデフレがインフレになり日本経済が変わるのか、その先を見てみたいと有権者は思うでしょう。ここで中途半端に自民党が負けて、異次元の量的緩和も止めるなんてことになったら、「つまらない」と多くの有権者は思うでしょう。
 やはり、続きが気になるのです。

『週刊金融日記 第87号 開回路(NLP: Open Loop)と小説の書き方とナンパ』

 Cakesで連載中の「恋愛市場の変相」についてのインタビュー記事の最終回がアップされました。

女の人の男の選び方は常に間違っている
https://cakes.mu/posts/7499

 恋愛小説『ぼくは愛を証明しようと思う。』の続きもアップされています。

Chapter2-9 5つのクエスション
https://cakes.mu/posts/6935

 今週の人生相談コーナーも盛りだくさんですね。重要な投稿は以下の通りです。

―なぜ人の怠け遺伝子が淘汰されていないのか
―現代における女子の最適恋愛戦略について
―やしきたかじんさんの殉愛について
―夫婦財産契約で結婚にまつわるお金の問題をクリア
―ACSフェーズ別に目線の使い方を教えて下さい
―例のモテなくする一言を言われた側の形勢逆転法
―ごめん、君に興味ないんだディス

 それでは、今週もよろしくお願いします。

1.アービトラージ・オポチュニティと石器人

 週刊金融日記の読者の皆さんは、恋愛工学の学習を通して、すでに進化心理学(Evolutionary Psychology)の基本的な考え方をマスターしたことだと思います。
 進化心理学とは、人間の感情は進化生物学の意味での生物学的適応であると仮定して、人間の心を理解しようとする学問です。この分野は、単なる各論の寄せ集めであったそれまでの心理学に、わずかな基本原理で多くの事象を矛盾なく説明するための強固なフレームワークを提供し、心理学を物理学や数学のような堅牢な理論体系に書き換えつつあります。
 そして、恋愛工学にも、進化心理学のエッセンスが積極的に取り入れられているのです。

進化心理学(Wikipedia)
http://goo.gl/NM439A

『進化と人間行動』長谷川寿一、長谷川真理子
http://goo.gl/febtZ

 恋愛工学の各種のテクノロジーや戦略を開発する上で、基礎となる重要な概念のひとつは「旧石器時代に適応している人間の脳が、現代社会に不適応を起こしている」ということです。この人間の脳=石器人のまま、という仮説の上で、我々は様々な理論を構築し、そして実戦に投入してきました。この仮説が正しかったことは、我々のコミュニティがこれまでに勝ち取ってきた多くの果実が証明していると思います。
 恋愛工学は実践的な学問なので、その目的は、個々のプレイヤーが恋愛市場で高いパフォーマンスを発揮することにより、はじめて達成されます。

ここから先は

30,384字 / 1画像

¥ 220

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?