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週刊金融日記 第59号 サルでも分かる量的緩和とリフレ論争、日経平均が乱高下、六本木の高級イタリアン、二流男性の破滅本能、他

// 週刊金融日記
// 2013年5月27日 第59号
// サルでも分かる量的緩和とリフレ論争
// 日経平均が乱高下
// 六本木の高級イタリアン
// 二流男性の破滅本能
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 先週は株式市場が乱高下しましたね。株式投資やFXをやっている人は、儲けた人、損した人と、悲喜こもごもだったと思います。
 それと、個人的にちょっと注目していた競馬の予想プログラムを開発して、数億円単位で儲けていた人が、国税と検察に、「当たり馬券だけ税金払え、脱税だから懲役刑」だと言われていた裁判の一審判決が出ました。

週刊金融日記 第47号 最近の税金絡みの事件みっつ

『競馬配当無申告で判決 外れ馬券を経費に認定、2013年5月23日 読売新聞』
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130523-OYO1T00765.htm

 なんか、税法の専門家は、この競馬のプロは負けるとか言っていたのですが、大阪地裁は、まともな判決を出してくれたみたいですね。法律の専門家も、アナリストとかエコノミストと変わらず、けっこう当てにならないものです(笑)。

 為替市場では日本の個人投資家、通称「ミセス・ワタナベ」の動向はひとつの材料なんですが、最近知ったんですが、アダルト・ビデオのオンライン配信最大手のDMMがやっているFXとか、月間取引高って50兆円とか60兆円の大台なんですね(笑)。これはなかなかすごいものがあります。
 ちなみに、株式市場では、東京証券取引所の1日の売買代金は、最近でこそ1日に2兆円とか3兆円ありますが、民主党政権の時は毎日1兆円を下回っていました。つまり、DMM一社で、東証全体の売買代金に匹敵しているというか、上回っているわけで、日本人はどれだけギャンブル好きなんだって話ですよ。

『DMM.com証券』 http://goo.gl/fkkRd

 ところで、週刊金融日記も、月に1回ぐらいはマネー系の話題を取り上げようと思います。ということで、今日は、アベノミクスの中核であるリフレというか、量的緩和って何?というのを解説したいと思います。

 もちろん、恋愛工学も濃厚です。というか、毎週、なんでこんなにこのメルマガは濃いのか、と自分でも慄いています。
 ハハハ。

1.サルでもわかる量的緩和とリフレ論争

 まずは金融政策とはなんぞや、というのを理解しないといけません。金融政策というのは、基本は短期金利を動かして、経済を活性化したり、バブルが起こりそうだったら、それにブレーキを掛けたりして、物価を安定させて、長期的な経済成長率を高めることです。
 要するに、安定的にGDPを増やしたいわけです。GDPというのは、日本で生み出された付加価値の合計です。モノやサービスの総生産です。ざっくりといって国民の総所得みたいなものです(細かいことを言うとちょっと違いますが)。これが増えると、豊かになって国民が幸せになります。経済成長率というのは、要するにGDPの増加率のことです。
 それで、成長率と金利の関係を考えると。成長率>金利だと、金を借りて事業をするのが、全体では期待値プラスのゲームになるので、経営屋は銀行からどんどん金を借りて事業を拡大しようとして、景気が良くなります。これが行き過ぎると、銀行から金を借りて、不動産やらを買ったりしても儲かるので、金が金を産むバブルになって、いつか崩壊します。
 成長率<金利の世界だと、全体では、金を借りて事業をするのは、期待値マイナスのゲームになるので、景気が悪くなります。経営者や投資家が、銀行からお金を借りなくなるので、世の中に金が回らず、モノとサービスの総量と金の総量のバランスから言って、物価が下がり気味になります。デフレです。
 日銀などの中央銀行が操作する金利は、基本的には大手金融機関同士が1日だけの金の貸し借りをする市場の金利になります。その他の長期国債だとか、住宅ローンなどの金利は、この1日の金利が元になって、様々なリスクを織り込みながら、市場の中で決まっていきます。市場原理で金利が決まるのが、理論的には、一番効率よく経済にお金が回るので、一番いいのです。よって、通常の金融政策では、中央銀行はこの短期金利だけを操作することになります。

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