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週刊金融日記 第23号 不完全情報ゲームとしての恋愛、アメリカのQE3発動、品川の水辺のテラス、金融商品として結婚相手の評価、他

// 週刊金融日記
// 2012年9月16日 第23号
// 不完全情報ゲームとしての恋愛
// アメリカのQE3発動
// 品川の水辺のテラス
// 金融商品として結婚相手の評価
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 とうとう僕の新刊『外資系金融の終わり http://goo.gl/K1ffZ 』が発売されてしまいました。いまのところご好評を頂いているようで何よりです。おかげ様で、発売後すぐに、かなり大きいロットで増刷がかかりました。ちょっと頭にキている金融関係者もいるようですが(笑)、高く評価してくれている金融の専門家も多数いるようです。
 僕はとにかくなんでも身もフタもない真実を語りたいだけなのです。なぜ語りたいのか、というのは自分でもよく分からなくて登山家の「山があるから登るんだ」状態かもしれませんね。ハハハ。
 とにかく世の中の情報発信機関というのは、しがらみばっかりで、スポンサーに気を使ったり、会社のエライ人のメンツに気を使ったり、自分のサラリーマンとしての評判に気を使ったり、であり本当の情報がストレートに出てくるほうが稀なことです。だからこそ、メルマガとかブログとかの個人メディアの価値があるのかな、と思っております。

Truth exists, only falsehood has to be invented.
Georges Braque
(真実はそこにある。作り出さなければいけないものは偽りだけだ)

1.不完全情報ゲームとしての恋愛 

 ゲームには2種類ある。完全情報ゲームと不完全情報ゲームだ。完全情報ゲームはチェスや将棋、オセロなど、プレイヤーがお互いに手が全部見えていて、お互いに完全に情報が共有されているゲームだ。対して、不完全情報ゲームは、麻雀やポーカーなど、相手の手札を知ることができないゲームのことだ。 

 前者の場合はスーパーコンピュータで可能な手をシラミ潰しに調べ上げて、ゲームの場面場面で最適な一手を打つことがある程度できる。よって、最高の人間のプレイヤーがコンピュータに負けることもしばしばある。しかし、不完全情報ゲームの方は、はるかに複雑なのだ。プレイヤー同士の心理戦になるので、考慮するべき要因が圧倒的に多くなり、もはや現実的な計算量ではないからだ。 そして、恋愛というのはもちろん不完全情報ゲームである。 恋愛がどれほどの不完全情報ゲームなのか、そのことをこれから見ていこう。
 たとえば、あなたに気になる女性がいるとしよう。最初に考えることは、彼氏はいるのかどうか、ということだろう。ここでさっそく「彼氏いるの?」と聞くかどうかの選択に迫られる。恋愛というゲームは決断の連続であり、あなたのアクションとノーアクションに結果がつきまとう。
 この質問を聞いた場合に、彼氏がいる、いない、の2通りの答えが返ってくるだろうが、実際はもっと複雑だ。なぜならば、女性は真実を必ずしも口にしないからだ。この場合、1.彼氏がいてあなたにもいると言う、2.彼氏がいないけどあなたにはいると言う、3.彼氏がいなくてあなたにもいないと言う、4.彼氏がいてあなたにはいないと言う、と計4つのケースが考えられる。そして、それぞれに最適な次の一手が決まってくる。通常は、彼女に本当に彼氏がいるのかどうか、というのはあなたには分からない。不完全情報しかないのだ。
 さて、1の場合は彼女は正直であったわけだ。そして実際に彼氏がいる。この場合は長期戦覚悟で相手の掛金にコール(同額をかける)するか、あるいはこのゲームから降りて、次のターンを待つか。2の場合はかなり弱い手になる。彼氏がいないのにあなたには「いる」と言っている状態だ。このままゲームに突っ込んで行ったらまず勝てない。定石はゲームから降りて、次のターンに行くべきだが、イチかバチかでこちらから掛金を釣り上げてブラフを仕掛ける、ということもありかもしれない。3の場合は、悪くない手札だ。すでにあなたの手札でワンペアができている。このまま行けば勝てる可能性は十分あるだろう。4の場合は、かなり強いハンドだ。彼女は、いまの彼氏よりあなたのほうがいいと思っていて、乗り換えたいのかもしれないし、あるいはあなたと浮気したいのかもしれない。いってみれば、スペードの7、8、9、10が来ていて、両面待ちのストレートドローで、フラッシュも狙える状態だ。さて、掛金をレイズするべきかどうか。

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藤沢数希

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藤沢数希。金融日記管理人。恋愛工学メルマガ発行。理論物理学研究者、外資系金融機関を経て、作家。著書:『なぜ投資のプロはサルに負けるのか』『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』『反原発の不都合な真実』『外資系金融の終わり』
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