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週刊金融日記 第499号 オミクロン襲来!終わらない世界のコロナ禍と日本人の鎖国への憧憬、オミクロン変異株登場で世界同時株安、最新!成田空港到着時の空港検疫体験レポート、Amazonギフト券がもらえる不動産営業を受けました、他

// 週刊金融日記
// 2021年11月30日 第499号
// オミクロン襲来!終わらない世界のコロナ禍と日本人の鎖国への憧憬
// オミクロン変異株登場で世界同時株安
// 最新!成田空港到着時の空港検疫体験レポート
// Amazonギフト券がもらえる不動産営業を受けました
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 とうとう日本に帰ってきました。空港検疫レポートはレストランコーナーに掲載しているので、興味のある方は読んでください。香港はずっとゼロコロナなのに、ある程度の感染者を許容する政策を実施している日本で、香港から帰ってくる人もこのように14日間の隔離を要請されるのは科学的には納得いきませんが、この期間に、SNSでレストラン写真を上げるようなことはさすがに憚られます。最悪、氏名公表の刑が待っており、社会的に不利益なデジタルタトゥーがインターネット上に刻み込まれてしまいます。諸外国のように隔離のルールを破っても、逮捕されて牢屋に入れられることはありませんが……。

★コロナ時代の海外渡航はなかなか大変です。香港国際空港や成田国際空港が、巨大な検疫施設となることを、いったい誰が想像できたでしょうか。

 さて、世界中が新たな変異株オミクロンに震撼しています。オミクロンが発見された当時の各国の様子は、今週のマーケットのコーナーに書きましたので、そちらを読んでください。
 それにしても、日本、そして、世界のコロナ禍はぜんぜん終わる気配がありません。

●オミクロン株の世界的リスク「非常に高い」 各国は対策を=WHO
https://jp.reuters.com/article/omicron-covid-who-idJPKBN2IE0MX

 欧州ではデルタ株の感染爆発が再び起きております。いったんはワクチン接種で抑えられた、ということで経済再開でレストランやバーなども賑わっていたニューヨークでも再び緊急事態宣言が出されるなどしています。
 しかし、日本は厳しくなった水際対策と、市民が積極的にワクチン接種したことなど、さまざまな要因が重なり、感染者数が抑えられています。香港や台湾や中国本土など、ゼロコロナ政策をやっているところよりはもちろん感染者がいるのですが、世界的には、おそらくいま最もコロナを抑えている国のひとつだと思います。隔離が終わったら、国内旅行などいろいろ楽しみです。
 諸外国の様子を見ていると、ゼロコロナにしない限りは、オミクロンがトリガーになるのか、他の変異株なのか、あるいは、ワクチンの効果切れなど、何らかのきっかけで、また感染者がどんどん増える局面がやってくると思われます。しかし、僕が日本にいる間は、平穏でいてほしいですね。また、メルマガでは教育工学について多くの記事を書きましたが、1月、2月と、日本は入試シーズンでもあるので、この間ぐらいは、新型コロナウイルスには静かにしていてもらいたい、と願っております。

週刊金融日記 第498号 日本は市民の感染対策とワクチン接種と厳しい水際対策でゼロコロナを実現しつつある

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 34歳既婚子なし共働きで年収800万円(嫁550万円)ですがどういう条件であれば賃貸よりも持ち家のほうがよくなりますか
- 仮想通貨の税金をどうしようか困っています
- Amazonギフト券がもらえる営業を受け都内ワンルームマンション投資を検討しています
- 連邦準備銀行の金庫にあるはずの金塊はじつはないという説について
- 衆院選はどの政党に投票されましたか(在留邦人の投票権)
- コロナも気になりますがインフルエンザは流行るでしょうか
- 結婚してもいいと思って1年ほどつきあっていた29歳彼女に突然別れを切り出されました

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.オミクロン襲来!終わらない世界のコロナ禍と日本人の鎖国への憧憬

 僕は当初から、新型コロナウイルス対策は、香港のようなゼロコロナか、あるいは割り切ってインフルエンザ並の扱いにして、1年、2年ぐらいまとまった数の国民が死ぬことを許容する、という戦略が最適だと主張してきた。両方とも直感に反するので、いろいろな批判があったのだが、こうした当初から考えていたことは、コロナ禍発生から2年近く経って振り返ると、かなり正しかったように思う。

週刊金融日記 第416号 新型コロナウイルス撲滅の実現性とグリーンゾーン経済圏

 香港は僕が今年の3月に戻ってからずっと事実上のゼロコロナがキープできており、レストランなども繁盛していたし、厳しい空港検疫でヒトの往来は制限されるが、モノとマネーはグローバル化の恩恵を以前と同じように受け続け、経済も上手く回っていたように思う。一方で、ゼロコロナでもなく、また、割り切り戦略でもなく、最も経済効率の悪い、コロナと共存しつつ常にコロナ対策をし続けるという中庸の戦略を取った日本は、理論的な予測通りに最低の経済成長率となった。なお、僕のように非直感的なゼロか無限大の両端が最適解などと言っている識者はほとんどおらず、日本の識者の大多数が、ほどほどに水際対策して、ほどほどにコロナと共存して、日々コロナ対策をすることが最良だと考えていた。いまでも、彼らの認識は変わっていないだろう。

●日本の成長率2.8%に下げ 21年、コロナ響き先進国最低 IMF予測
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021072701321

 さて、中国などがゼロコロナ戦略で、コロナ禍において短・中期的な勝者となった一方で、これからは割り切り戦略の欧州が勝者になるのではないか、と僕は考えていた。米国は株式市場だけ見れば、勝者のように見えるが、これはコロナ経済で大きな恩恵を受ける大手インターネット企業がすべて米国企業だったことなど、さまざまな理由がある。米国の話はまた別の機会に書くことにしよう。
 昨年、欧州は新型コロナウイルスにより甚大な被害を受けた。死体置き場足りなくなり、学校の体育館などに死体が並べられる、というような映像が毎日のように流れてきたし、実際に第二次世界大戦を軽く超える多くの人たちが亡くなった。しかし、だからこそ、ワクチン接種が進み、感染者も減り重症患者も減れば立ち直りが早い。人間は何でも慣れるもので―たとえ戦争であっても―以前よりも何倍も状況が改善すれば、依然として状況が酷いものであったとしても平然としていられるものだ。
 また、日本が第5波に苦しんでいたころは、感染者数ももはや欧州よりも日本のほうが多くなっていた。欧州は早くに感染が爆発したために、新型コロナウイルスに弱い「個体」が淘汰され、生き残った人々もまた免疫を獲得しているため、そうした生物学的要因でも、もはや欧州はコロナ禍を克服したのかもしれない、と思われた。
 こうなってくると、日本などコロナ禍を中途半端に抑えることに成功した国ほど、まだこれから感染の波をいくつも超えなければいけないわけで、形勢が逆転する。中国や香港など、感染をほぼゼロに抑えている地域は、ますます国境を開くことが難しくなる。当初から理論的に予想されていたことであるが、敗者と勝者が逆転する可能性があった。
 そして、人々が新型コロナウイルスを気にせず、レストランで食事を楽しんでいる欧州の様子がメディアを通して流れてきていた。新型コロナウイルス禍において、敗者が勝者へと変わったのである。

 しかし、である。その後、日本が強烈な勢いで第5波を抑え込みはじめたころ、欧州では再び感染爆発の様相を呈してきた。そして、いくつかの国で、再びロックダウンが始まった。実際に、欧州の多くの国が、もはや新型コロナウイルスをインフルエンザと同じように扱い、このような経済に多大なダメージを与える感染対策をしない、と宣言していたのだが、そうはいかなかった。どれほど為政者が内心は国民の命を軽んじていても、あるいは経済問題をより重要だと考えていても、やはり病院の集中治療室が溢れはじめたら、なんらかの派手な対策を講じないといけないわけである。

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