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週刊金融日記 第572号 ゴールデンウィーク日本帰国で観光立国としての悲哀を味わう、植田総裁異次元緩和継承で円が大幅下落、外国人がぼったくり賃貸に住む理由と香港でのアパートの借り方、早慶に行きたいという子供を地方医学部に誘導、他

// 週刊金融日記
// 2023年5月1日 第572号
// ゴールデンウィーク日本帰国で観光立国としての悲哀を味わう
// 植田総裁異次元緩和継承で円が大幅下落
// 外国人がぼったくり賃貸に住む理由と香港でのアパートの借り方
// 早慶に行きたいという子供を地方医学部に誘導
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 日本はゴールデンウィークですね。といっても、本日の月曜と明日の火曜は祝日ではなく、ここを有給休暇にして9連休にできた人と、そうでない人で分かれたようです。今年のゴールデンウィークは、もちろん海外旅行する日本人が大幅に増えました。逆に、日本人と反対方向の飛行機に乗れば非常に安いので(飛行機は行ったら帰ります)、僕はそれを利用して香港→東京2万円で日本に格安で帰ってきました。

●海外旅行回復へ離陸 GWは22年比4倍、関連消費も動く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC12A4F0S3A410C2000000/

●成田空港、出国ラッシュ始まる GWコロナ対策緩和「リベンジ旅行を」
https://www.chibanippo.co.jp/news/economics/1053693

 日本に帰ってくると、まだマスクを付けている人は多いようです。おっさんやおばさんは付けていない人が多いのですが、医学的にはコロナに強いはずの若い人のほうがむしろマスクを付けている印象です。大学生なんか特にですが、非常に他人の目を気にして生きていますからね。

●4月から学内でのマスク着用が任意に 新入生「様子見る」「周囲が外したら外す」が約77%
https://www.todaishimbun.org/masuku_20230429/

 植田新総裁の最初の会見が注目されていたわけですが、ここでマイナス金利やYCC解除などがありえると思われていました。しかし、蓋を開けてみれば、黒田前総裁の異次元緩和そのまま、ということで一気に円が売られています。円安にして、観光立国で食っていこう、というのは日本人の民意なのでしょう。

●アングル:植田日銀の初会合に市場は反応、海外勢主導で買い戻しか
https://jp.reuters.com/article/boj-markets-idJPKBN2WP0PC

 日本の失業率は世界の中で突出して低く、少子高齢化が進行しており、今後も労働力不足が危惧されています。それでも、日本人が一番恐れることが会社を首になって「失業」することなんですね。だから、解雇規制みたいにガチガチに企業を縛るし、自らの賃金のダンピングであるこうした円安政策によって失業率をさらに下げよう、というのが日本人の民意なのだと思います。
 インフレ率が4%程度になっているところに、政策金利がマイナスですから、実質金利はマイナス4%ほどになり、ふつうに考えたら不動産なんかの資産バブルになるのかな、あるいは、すでになっているのかな、と思えます。じゃあ、いまからすでにスッ高値のタワマン買えば儲かるのか、と言うと話はそう単純ではなく、いざ本当に目に見えてバブってきたら、さすがに植田総裁も掌返すんじゃないか、というところまで考えると、やはり投資はいつでも難しいわけです。

●首都圏マンション3月は平均価格が初の1億円突破 23区2億円超え
https://jp.reuters.com/article/tokyo-property-idJPKBN2WF0BJ

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 以前の予想通り東京のタワマンは暴落しますか
-「単焦点深度拡張型レンズ(遠方合わせ)」の白内障手術体験レポート
- 慶応に行きたいという子供を地方国公立医学部に方向転換させたいですがどうすればいいでしょうか
- ゲイですがゲイコミュニティのモテについて紹介します

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.ゴールデンウィーク日本帰国で観光立国としての悲哀を味わう

 僕は香港に住んでいますが、日本は近いんでちょくちょく帰れます。しかし、2022年まではコロナ禍でゼロコロナ政策の香港では厳しい空港検疫があり、帰省は1年に1回だけでした。今年は、空港検疫もなくなり、いよいよ2019年の時と同じように正常化しました。しかし、コロナ禍で減らした航空会社や空港で働く人なんかすぐに戻ってこないので、いろいろ労働力が逼迫しており、便の数はまだ完全には戻っていませんし、航空券もまだまだ高いですね。冒頭に書いたように、ゴールデンウィークは、日本から海外に出ていく飛行機がめちゃくちゃ増便されるんで、日本人と反対方向で飛行機に乗れば非常に安くなります。それを利用して、帰ってきたわけです。

 2022年は、多くの企業や飲食店が、自分だけ先に値上げするとなんか悪い評判が立つんじゃないか、というのでみんなで我慢大会をしていました。また、為替も2022年10月には1ドル=150円を突破する大円安でした。僕のTwitterを見ていたら、日本に帰国した海外在住の日本人たちが、日本はめちゃくちゃ安い、なんでも安い、最高!と連呼しておりました。
 僕は年末年始の12月に帰省したのですが、そうした安い日本を期待していたら、財務省の為替介入などが功を奏して1ドル=130円台に戻っていましたし、企業や飲食店が堰を切ったかのように、値段据え置き我慢大会をやめて、一気に値上げをしていました。また、日本の水際対策も緩和され、一気に外国人観光客が増え始めた時期でした。だから、えっ?ぜんぜん日本安くないじゃん、というのが最初の感想でした。

●インバウンド 訪日外国人動向
https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/inbound/

 とはいえ、他の先進国と比べたらまだまだ安い。めちゃくちゃ安い!ってほどではなく、まあ、日本の経済力を考えたらこれぐらいだろうな、という程度のリーズナブルな物価ではありました。
 それで、また香港に戻って、1、2ヶ月ぶりにゴールデンウィーク中の格安航空券を利用して、ちょっと帰ってきたんですが、こうやって、間隔を空けて日本に来ると、毎回大きな変化が目につきます。
 今回は、これが観光立国を生きる国民の悲哀なのか、ということを感じざるをえませんでした。
 まずは日本での梅毒などの性感染症の急増ですね。

週刊金融日記 第357号 格安ソープなどの中出しサービスが梅毒が広まった原因
週刊金融日記 第562号 日本人女性の梅毒感染爆発と結婚市場崩壊

●「性感染症の温床に」と専門家も警鐘。ソープ業界でNS店急増のワケ
https://shueisha.online/culture/31595

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