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週刊金融日記 第643号 いきなりあなたもクビになる!?解雇規制改革が今後どうなるか解説します、大統領選討論会に注目、上海の観光地が激混みだった件と高級ホテルの話、遺言書は公正証書遺言証書がオススメ、他

// 週刊金融日記
// 2024年9月9日 第643号
// いきなりあなたもクビになる!?解雇規制改革が今後どうなるか解説します
// 大統領選討論会に注目
// 上海の観光地が激混みだった件と高級ホテルの話
// 遺言書は公正証書遺言証書がオススメ
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 にわかに小泉進次郎氏の総理大臣就任が現実味を帯びてきました。というか、ふつうに考えて、最有力候補ですね。

週刊金融日記 第642号 進次郎の憲法改正にご用心

 支持率低迷で次の選挙でいかに議席を減らさないか考えている自民党です。当落線上にいる議員たちは、ここは国民的人気の小泉進次郎&滝川クリステル夫妻を担いで、ボロが出る前のピカピカな状態で一気に選挙になだれ込みたいところでしょう。仮に小泉氏が総裁選に勝ったら、こうした選挙戦術から、速攻で解散になりそうですね。
 政治家は選挙に落ちればただの人ですから、選挙に勝つためなら何だってやりますからね。浅ましい人たちですわ。

●小泉元環境相「首相になったら早期解散」自民総裁選に立候補表明
https://www.fnn.jp/articles/-/755465

 ということで、海外に住んでいる日本人でも、国政選挙に関しては選挙権があるので、さっそく香港の日本領事館に僕も行ってきました。

★香港の日本領事館に行って、在外日本人のための選挙人名簿の登録に行ってきました。

●在外選挙制度とは
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/abroad.html

 領事館に電話したら、パスポートだけ持ってこればいいと言うので、言われたとおりにパスポート持って領事館に行きました。そこで、紙切れ一枚書くだけなんで、こちらがやる手続きは簡単なんですが、けっこう時間がかかるみたいです。まず、最後に日本で住民票があった自治体に書類が送られ、選挙人登録されて、さらに、海外の住所に書留で何か送られてくるみたいで、1ヶ月以上ふつうにかかるようです。
 進次郎は速攻で解散すると思うので、海外に住んでいる日本人はすぐにやらないと、次の選挙は間に合わないかもしれません。急ぎましょう。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

-遺言書は公正証書遺言証書がいいです
-株式投資家はなぜ利下げを当然と思い込むのでしょうか
-円預金をドル建債券に移そうと思っていますが損するかもしれず心配です

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.いきなりあなたもクビになる!?解雇規制改革が今後どうなるか解説します

 日本経済のためにはやった方がいいけど、言い出すと選挙で負けるから政治家はみんな黙っているものが3つあります。年金や医療費などの社会保障費の削減、移民推進政策、解雇規制緩和、ですね。
 年金や医療費は、高齢者の方が人口が多い上に投票率まで格段に高いので、この一人一票の民主主義の仕組みから言って、どう考えてもすでに詰んでいます。これをやるのは、もはやテロとか暴動とか、そういう文字通りに血が流れる流血革命とかの類になるのではないでしょうか。
 移民推進は、これは労働力不足で切羽詰まっている日本の企業と自民党が国民には分からないように、なし崩し的に一気に進めています。賢いですね。また、米中対立(正確には米国の一方的な中国封じ込め戦略ですが)で、サプライチェーンで中国依存を減らしたい米国が、日本経済にしっかりしてもらいたいので(労働者不足がボトルネック)、移民政策については米国からの若干の外圧もあるのかもしれません。
 解雇規制緩和の方は、実際のところ、日本でちゃんと解雇規制が守られているのは伝統的大企業や官庁だけなので、本来は、数の上では解雇規制を緩和した方が得するだろう人の方が多いはずですが、「経済のために会社が社員のクビを切りやすくする」と言うのは非常に聞こえが悪いので、なかなか難しそうです。

 しかし、総裁選でこのままでは進次郎に勝てないと踏んだのか、河野太郎氏が、奇策とも言える解雇規制緩和を急に打ち出してきて、また、進次郎氏も、それに追随する形で、にわかに日本で岩盤とも思われていた解雇規制がとうとう緩和されるのではないか、とザワザワしてきました。
 今週号では、現状の日本の解雇規制と、それが緩和されるとしたらどうなるのかについてくわしく解説したいと思います。

●解雇規制緩和に意欲「正規・非正規の格差縮める」河野氏インタビュー・自民総裁選
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024090400919

●小泉進次郎は「サラリーマンの敵」…解雇、労働時間の規制緩和ブチ上げで「企業の味方」ハッキリ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/360251

 実際のところ、ほとんどの日本人が解雇規制というものの中身を理解していません。結婚制度、あるいは離婚規制と言ってもいいかもしれませんが、そちらも日本人の人生に深く関わっているにもかかわらず、ほとんどの人が理解していなかったのと同様でしょう。
 解雇規制がどのように実際に動くのかについては、以下のバックナンバーにくわしく具体的に書いてあります。ぜひ読んでください。

週刊金融日記 第517号 じつはほとんどの人がよく理解していない解雇規制の仕組み

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