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週刊金融日記 第343号 グローバル資本主義を生き抜くための子供の英語教育 その2、Appleの新型AirとiPadは買いか、白金高輪の安くて美味しい割烹、低収入独身女子の私がやっている節約術、他

// 週刊金融日記
// 2018年11月12日 第343号
// グローバル資本主義を生き抜くための子供の英語教育 その2
// Appleの新型AirとiPadは買いか
// 白金高輪の安くて美味しい割烹
// 低収入独身女子の私がやっている節約術
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 秋も深まってきて、早いもので、もうすぐ冬ですね。本当に時間が過ぎるのは早いものです。
 さて、Appleがなかなか良さげなiPadを発表し、ラップトップは3年ぶりにMacBook Airが刷新されました。僕たちは仕事で日がな一日PCの前で座っているわけで、PCは明らかに最重要な仕事道具ですね。最近、PC自作やBTO(Build To Order)という選択について、このメルマガでも議論しました。プレインストールされたいらないソフトがどっさり入り、余り物のパーツで作られるパソコンメーカーのPCは、CPUとメモリーという表面的なスペックでのコスパは良くても、僕たち情報強者にとっては、やはり論外だという結論に達しました。
 ふつうの人が買うWindowsパソコンは、このようになってしまったわけですが、その点では、ハードもOSも一社で作っているAppleのMacはやはり洗練されていますね。まあ、このようなことはAndroid携帯とiPhoneとの比較で、ずっと前に僕もブログで書いたんですが、すべてを一社がコントロールしているアドバンテージはやはりなかなか大きいと思います。Apple製品は迷うことなくAppleストアで買えばいいだけで、Windowsよりはるかに楽ですね。

『週刊金融日記 第340号 PC自作のススメ』
『週刊金融日記 第342号 パソコンは自作までしなくてもBTOで十分です』

●なぜAppleの製品は一歩先を行っているのか? 2012年11月01日
http://agora-web.jp/archives/1497873.html

 ということで、Macでいいなら話は簡単です。デスクトップはiMacもありますし、Mac miniという製品もあります。で、僕が思うに、もうMacBookをMac miniのように使えばいいんじゃないか、と。解像度の高いちょっと良いディスプレイを買ってきて、あとはキーボードを買ってきて、MacBookのディスプレイと別のディスプレイを並べてつないで、キーボードをさらにMacBookにつなぐ。こうして、デュアルディスプレイのデスクトップとして使うことでどれぐらい快適に仕事ができるのか、これからいろいろテストしてみようかと思っています。どうしてもWindowsが必要なら、もうMicrosoftのSurfaceを買ってきて、やはり外付けのキーボードとディスプレイで、デュアルディスプレイのデスクトップとして使うのが一番いいんじゃないか、と思っていますが、意外とグラフィックボードが貧弱で、自身のディスプレイ+外付けディスプレイのデュアルディスプレイでの使用は難しいかもしれません。まあ、その辺を調べてみます。

 さて、ネット界隈では、選挙後のホワイトハウスでの記者会見で、いかにも日本の受験英語の偏差値が高そうだった日本人記者の英語がトランプ大統領にぜんぜん通じず、そのことで大変盛り上がっておりました。僕のTLでリアルタイムに会見を見ていた人が、「あっ、日本人の英語通じてない(笑)」と発言して、僕もすぐに動画を見て、ああ、純ジャパの日本人エリートの英語っぽい、と微笑ましく思ったのですが、そのあとに、まさかこんな大騒ぎにまで発展するとは思いませんでした(I never thought it would cause such a stir in Japan)。
 まず、反トランプ陣営がわらわらと湧き出してきて、これは人間性が腐っているトランプのアジア蔑視、人種差別だ!と声高に叫べば、いやいや、あれは単に本当に何言ってるのかわからなかっただけだろ、事実、シンゾーによろしくとか、いい感じだったじゃねーか、とトランプ支持でもないけど、先鋭化している反トランプ識者たちにはうんざりしている人々が反論したり……。次に、Focus(集中する)のつもりが、Hocus(まやかす)という、日本人にありがちな"F"と"H"の混合をこき下ろす英語通の大群がやってきたと思ったら、そうやってすぐにちょっとした発音の間違いを指摘して悦に入るバカな日本人がたくさんいるから、日本人は萎縮して英語を話せないんだ、クソが!という一団も現れ、もうそこら中で取っ組み合いのケンカがはじまってしまいました。このようにTwitter民たちは、あの日本人記者の英語をめぐって紛糾しております。
 いったいどれが正しいのか僕には知る由もありませんが、ひとつだけ言えることは(One thing I can say is that~)、あの無名だった日本人記者はいまではとても有名人だということです。

★ホワイトハウスでの記者会見で日本人記者の質問にトランプ大統領は「お前の言ってることわかんねーよ」と回答。

★そもそも質問が抽象的な文章すぎると思うんですよね……。

 今週も興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

-30代女性ですが結婚せずに子供を作ってもいいと思っています
-"Easy Win First"の意味について
-就職する上で金の次に大切なもの
-低収入独身女子の私がやっている節約術

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.グローバル資本主義を生き抜くための子供の英語教育 その2

 冒頭の日本人記者は、就職偏差値の高いマスコミに就職し、ホワイトハウスで大統領に質問する役が回ってきているぐらいなんで、日本の受験英語では最優秀で、TOEICなんて満点近いと思うんですよね。まあ、僕もあんまり人のこと言えないんですが、やはり日本の英語教育というのは、コミュニケーションに関してはほとんど何もなく、ひたすらプログラミングと言うか暗号解読、あるいは漢文みたいな感じで英語を勉強していき、論理的思考力がある優秀な人が受験英語を突破するようにできているわけです。こうして、日本人エリートはだいたい英語に困るようになります。
 ニューヨークやシンガポールなんかの海外に駐在している日本人がたくさんいる大都市だと、駐在日本人家庭の子女向けに、子供が日本の高校受験や大学受験を突破して、日本のエリートコースに戻るための予備校があります。海外の日本人学校に通っていても、英語の授業は日本の学校とは比べ物にならないほどあるので、そういう家庭の子供はかなり流暢に英会話ができます。しかし、そういう予備校の人に聞くと、高校受験も大学受験も、日本で受験英語に特化した勉強をしている偏差値が高い(しかし英語はしゃべれない)日本人の子供にはなかなか勝てないらしいです。やはり、受験英語は受験英語を勉強しないといけません。子供を4人とも偏差値最高峰の東大医学部に入れた佐藤ママも、夏休みに短期留学なんかするより、日本で英語の問題集を何周もさせるほうが英語の偏差値が上がると申しておりまして、まったくその通りだな、と思う次第です。そして、東京大学もまた、この世界に誇るべき日本の伝統的な英語教育、受験英語を守ることが非常に大切だと考えているようですね。

『週刊金融日記 第338号 東大文系教官たちは日本語バリアを確信犯的に守っている』

 しかしながら、今後の日本市場は、大規模な移民政策でも実施されない限り(政治的にはとても難しそうです)、少子高齢化でパイがすこしずつ小さくなっていくことは目に見えています。すでに、エンジニアなどの専門職やマネジメント職の報酬に関しては、欧米先進国、シンガポール、香港、中国の大都市などと比べて、日本の大企業に雇われている日本人エリートは見劣りするようになってきました。よって、英語ができて、グローバルな競争環境でもやっていけるような選択肢がある、ということはいまの子供たちが大人になってバリバリ働くころにはとても大切なことだと思われます。それゆえに、このメルマガでも大人の語学や子供の英語教育などに関して、よく取り上げてきました。最近のメルマガだと以下のような記事を書きました。

『週刊金融日記 第319号 無料動画が役に立つのはエロではなく語学学習だ』
『週刊金融日記 第326号 グローバル資本主義を生き抜くための子供の英語教育』
『週刊金融日記 第329号 英語学習のためのいまどきのツールを解説』

 このように、日本人は中学・高校、そして大学で10年も英語を勉強してもなかなか身につきません。実用レベルに達しないのです。それにはさまざまな理由が言われています。文法中心のカリキュラムが悪い、英語の先生が英語をしゃべれない、いやいや、単に英語の総学習時間が足りないだけだ。そもそも、英語は日本語とは大きく異なる言語で、ヨーロッパの人たちが英語を勉強するのとはぜんぜんハードルの高さが違う……などなど。

 僕は基本的には純ジャパで、ふつうに受験英語を勉強して、大学生のころは音声教材を中心に自分で勉強して、留学に向けてTOEFLの勉強をしていました。フィリピンで英語教室にトータルで数週間通いました。だから、純ジャパとしては、当時は最も英語を熱心に勉強していた部類に入るでしょう。研究者として書いた論文はすべて英語ですし、英語でコミュニケーションするのが基本の外資系金融機関に10年ほど務め、そのうち半分はトレーダーだったので、電話で英語で取引なんかするわけで、まあ、こういうビジネスレベルの英語は問題ないし、英語でプレゼンもできますし、もちろん海外旅行などで困ることもありません。
 とはいえ、それでも映画の英語はなかなか難しいですし、パーティーなんかでアイルランド人とオーストラリア人とインド人とアメリカ人が早口で会話しているところに入っていくことはやはりなかなか難しいのです。会話での微妙なニュアンスを英語で伝えることも難しい。英語でエッセイを書くときも、冠詞などはやはりいまでも難しいです。発音も、伝わりやすいシンプルな言い回しを身に着けているため、ほとんど通じるのですが、いまでもかなり日本人発音です。やはり、日本の受験英語出身者には、英語はいつまで経っても難しい。

 第326号では、良くも悪くも大学入試を突破するために全体が最適化されてしまっている日本の教育産業の中で、高校卒業までに実用レベルの英語を身につける方法論を書きました。ふつうに会話ができて、TOEFL100点ぐらいですね。まあ、しかし、なかなかハードです。中学生3年生までに英検2級レベルに到達し、発音もある程度正しく語彙を増やし、毎年夏休みは短期語学留学する……、というぐらいのことをやらないといけないわけです。ここまでやっても、やはり日本人の英語という感じです。
 それで今週号は、もうひとつのオルタナティブなやり方を紹介しよう、というのが趣旨です。ずばり、子供のうちに2年ぐらい英語圏に留学すればいいんではないか、ということです。

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