見出し画像

週刊金融日記 第630号 AIブームは大山鳴動して鼠一匹!これから生成AIの大がっかりイヤーが始まります、極右政党に大敗したマクロン仏大統領が解散総選挙、香港のふつうの広東料理が美味しいお店と日本酒バー、シンギュラリティは起こるのか、他

// 週刊金融日記
// 2024年6月11日 第630号
// AIブームは大山鳴動して鼠一匹!これから生成AIの大がっかりイヤーが始まります
// 極右政党に大敗したマクロン仏大統領が解散総選挙
// 香港のふつうの広東料理が美味しいお店と日本酒バー
// シンギュラリティは起こるのか
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 最近は、遅れている原稿を家でずっと書いたり(正確にはPCの前でバカなAIを叩いたりしながら書き出すためのインスピレーションをずっと待っている)、あまり外出しておりません。
 さて、NVIDIAが時価総額2位だったAppleを抜き、時価総額世界一のMicrosoftに迫ってきました。僕は、もうさすがに米国の巨大テックの時代は終わった、というか成熟した、と言われて、Googleなんかの株が売られていた時に、いやいやこれからはAI革命で、また巨大テックの時代や!と先見の明を示したんですが、その頃からすでにNVIDIAの株なんかは上がっていて、Xでよく見ていたAI系の人たちがもっと早く仕込んでいたので、なんか後から買うのは面白くなく、下がってそいつらの買値より安くなったら買おう、と思っていたら、一向に下がることはなく、NVIDIAを買えず終まいでした。マジでこうしたことに個人的感情を交えるとろくなことはありません。とほほ。

●AI革命によって米巨大IT企業の時代は10年延長された(金融日記 Weekly 2023/3/24-2023/3/31)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52216702.html

 まあ、僕はビットコインにしろ、ミーム株にしろ、テスラにしろ、基本的にバブルに乗るのが下手ですが、バブル崩壊時ではよく儲けてきたように思います。
 ということで、今週はAIバブルについての見通しを書いてみました。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

-シンギュラリティは起こると思われますか
-起業に有望なビジネスについて
-30代前半ですがAI系のプログラミングに時間を使っていこうと思っています
-クラブ経営者になるためにまずは街コン事業をしようと思います
-金融JTC勤務ですが海外駐在の可能性に賭けるか年収アップの転職かで迷っています
-香港へ日本人寿司職人の紹介事業を考えています

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.AIブームは大山鳴動して鼠一匹!これから生成AIの大がっかりイヤーが始まります

 人間と軽快に会話するGPT-4oの発表で、世間というか、テック系のインフルエンサー的な人たちが騒いでいました。僕はずっとGPT-4を使っていたので、どれどれ、と思って使ってみると、言葉の生成に関しては、CPT-4からだいぶ性能が落ちていて、おや?と思い、ひょっとして大規模言語モデル(LLM:Large language Models)はもう頭打ち?という疑念を抱きました。
 その後に、テキストについては性能がトップクラスだと謳われていたGoogleの肝いりのGeminiを、重い腰を上げて課金して使ってみて、さらにこの分野の解像度が上がりました。Geminiを使ってみて意外と良かったので(業界に対する理解度が深まったという点で)、ついでに、NVIDIAとTSMCにアク禁を喰らっていたはずの中華系AIがどうなっているのか調べてみようと思いました。この一週間ぐらいの間に中国のAIに関してリサーチしていたのですが、それでいくつかの仮説が確信に変わりました。
 今週号ではそのことについて書こうと思います。

週刊金融日記 第628号 Googleの有料AIも使い込んでわかったAIの悲観的な未来

ここから先は

12,589字

¥ 220

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?