週刊金融日記 第644号 NATO対ロシアの核戦争がテールリスク程度には現実味を帯びてきたので核戦略理論の復習、米大統領選討論会で両候補が移民は猫を食べるかで激論、中国本土旅行の男1人旅モデルプラン、外資系企業勤務ですがセクハラで人事に呼ばれました、他
// 週刊金融日記
// 2024年9月17日 第644号
// NATO対ロシアの核戦争がテールリスク程度には現実味を帯びてきたので核戦略理論の復習
// 米大統領選討論会で両候補が移民は猫を食べるかで激論
// 中国本土旅行の男1人旅モデルプラン
// 外資系企業勤務ですがセクハラで人事に呼ばれました
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
香港は中秋節(満月の日に大切な人たちと再会し豊作を祈願する祝日だそうです)で連休なので、みんな海外旅行などに出かけておりますね。香港人は海外旅行が好きですし、高速鉄道で物価が半分の中国本土に簡単に行けるようになり、香港内の消費はやや低調のようです。住民にとっては観光客等で混雑し過ぎないのはいいことですね。それでも家賃はおそらくまだ世界一高く、物価もまあまあ高いんですけどね。
★中国や香港など中華圏は、中秋節は月餅を食べる風習があります。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1835160581243809881
Appleの新しいAI搭載のiPhoneやHuaweiの三つ折りスマホなどが話題ですね。そして、トランプさんがまた暗殺されそうになったらしいです。やれやれ。
★Appleの製品発表会に中国のHuaweiも日程を合わせて、40万円もする三つ折りのスマホを発表しました。Huaweiはアメリカに制裁されGoogleからAndroidのサポートなどが止まったりしたのですが、独自のHarmony OSを開発して中国では普及してきているみたいです。Androidアプリもエミュレータが入っていて動くみたいですが、まあ、中国以外ではめんどくさいでしょうね。
★またトランプさんは撃たれそうになったみたいです。生きて投開票日を迎えることができればいいのですけど。
僕が生成AIをじっくりと使い込むきっかけとなり、生成AIってあんだけ騒がれているのにこんなにしょぼいじゃん、と気づかせてくれた中学受験を題材にした小説ですが、第1話から第6話が週刊SPA!のWebサイトで無料で公開されました。早く最後まで書き終えて、出版するのでしばらくお待ちください。
世界はいろいろ戦争していたり、もっと大きな戦争に発展しそうなんですが、個人としては、外国の悲惨な戦争より、子供の受験戦争の方が百倍ぐらい重要なんですよね。まあ、外国であるうちは、なんでしょうけど。
●小説『中受ウォーズ』
https://nikkan-spa.jp/1984509
今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。
-外資系企業勤務ですがだいぶ昔の飲み会の際の同僚女子へのお触りで人事に呼び出されセクハラ処分待ち
-金銭解雇が制度化されても会社をつぶせばいい零細は守らないのでは
-上海の金融機関に赴任中ですが平成の時代のような労働環境ですこし嫌気が差してきました
それでは今週もよろしくお願いします。
1.NATO対ロシアの核戦争がテールリスク程度には現実味を帯びてきたので核戦略理論の復習
NATO(の中のどこかの国)が、モスクワやロシア領内深くの軍事施設も射程圏内に入る長距離ミサイルをウクライナに供与し、その使用許可を出すかどうかで緊迫してきました。
これに対して、プーチン氏は、そのような長距離ミサイルは、NATO軍の衛星データはもちろん直接のオペレーション支援がないと使えないので、それはNATO軍とロシアが直接戦争になることを意味し、ロシアも相応の対抗をすることになる、と警告しております。
●NATOは「ロシアと戦争に」 ウクライナによる西側供与の長距離ミサイル使用許可すれば プーチン氏が警告
https://www.cnn.co.jp/world/35223888.html
★ウクライナにはスターリンクなどを当初から提供し、割といろいろ軍事作戦にも関わってしまい、かなり内情にもくわしいと思われるイーロン・マスクさんも「悪い予感がする」と言っております。
★ウクライナ戦争は実質的にはアメリカとロシアの代理戦争ですが、戦争に至るまでの経緯を含めて、アメリカ側には数々の誤算がありました。そうした失態を倍賭け、倍賭けで取り返そうとしているわけで、引くに引けなくなってきています。
★支持率が低迷しているカナダのトルドー首相などは、万が一に全面核戦争になっても自国に核ミサイルが飛んでくる確率が低いからでしょうか、全力で煽っておりますね。
★本当にロシアとNATOが直接全面戦争になった場合、かなりの確率で核戦争に発展すると思われます。
核戦争がにわかに現実味を帯びてきたので(20%とか30%とかではなく、幸いなことに、まだ1%とかそれ以下のテールリスクの範疇だとは思われます、多分)、今週号では、基本的な核戦略理論の復習をするとともに、核戦争になるまでのありうる経路と、核戦争が起こった場合にどうすればいいのか論じようと思います。
打ちどころが悪ければ世界大戦レベルになる危ない地域は世界に3つあります。逆に、覇権国である米国の軍事力は、この3地域を支配することを目的に世界に展開しています。
まずは、アメリカとその同盟国(同盟といっても対等ではなくアメリカが親分で他は子分)とロシアがぶつかり合うウクライナで、まさに戦争の真っ只中ですね。
次に、中東のイスラエル(アメリカにとってはあらゆる同盟国より上の血のつながりのある国。悪く言えばイスラエルロビーなどが強力すぎてアメリカの中枢はイスラエルに乗っ取られており国益に反することをやらされます)とイラン(こちらはロシアと中国が味方につくでしょう)の衝突です。
そして、言うまでもなくも台湾です(最悪の場合、中国vsアメリカ&日本の戦争になります)。
このメルマガ読者の多くは日本に住んでいると思います。僕は香港に住んでいますが、旅行なんかに行ったり、ほとんどの知人や身内が住んでいるのは日本を含むアジアです。超大国同士が衝突する世界の3つの地域の中で、最初に核戦争になりそうなところが欧州方面であったことは、不謹慎かもしれませんが、ラッキーだったと思います。
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