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週刊金融日記 第513号 馬鹿プーチンのおかげで世界経済はしばらくお休みだが我々はかまわない、ロシアは大きな北朝鮮になる、東京はやはりSAPIXがない東側が住みやすい、歯列矯正体験記、他

// 週刊金融日記
// 2022年3月15日 第513号
// 馬鹿プーチンのおかげで世界経済はしばらくお休みだが我々はかまわない
// ロシアは大きな北朝鮮になる
// 東京はやはりSAPIXがない東側が住みやすい
// 歯列矯正体験記
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 日本は国立大学の合格発表もあり、受験シーズンも終わりましたね。今年はコロナ感染爆発の中で陽性になると受けられないという緊張感があり、そこに共通テストでは会場のひとつであった東大本郷キャンパスで、東大理三に合格できそうにないことに絶望した進学校の高校2年生が刃物を持って上京して複数人を刺す、というテロ事件が起こりました。そして、1000年に一度のトンガの海底火山噴火による津波警戒で一部会場で試験が中止されたりしました。また、共通テストそのものが、特に数学ですが難化し、多くの科目でセンター試験時代を通して平均点が過去最低になり、東大を目指すような高偏差値の受験生たちも軒並み崩れました。東大の二次試験も著しく難化し、合格最低点はこうした統計を東大が公表し始めた2001年から22年間で過去最低のようです。
 日本の入試は相対評価なので、問題が簡単だろうが難しかろうが、あくまで関係あるのは順位だけなんですが、あまり過去問になかったぱっと見で目新しい難問が並ぶと、傾向に合わせて、塾とかでひたすら入試対策をがんばってきた、マジメでそこそこ以上に成績が良かった浪人生なんかがバタンバタン倒れていきますね。この前、狭義の過学習の話をしたのですが、こうやって決め打ちしていると、初見の問題で狼狽えちゃうんですよね。

●東大入試合格最低点の推移
https://todai.info/juken/data/#2nd_1_l

★最難関校の本番入試と模試はぜんぜん違います。初見の問題への対応力なんですよ。

週刊金融日記 第505号 日本人は高偏差値ほど学歴コンプをこじらせている
週刊金融日記 第508号 上位医学部と東大と一橋の出願をめぐる受験生たちの駆け引きがドラマチック

 このように今年の受験生は大変だったのですが、コロナ禍でオンライン授業ばかりになっていた大学生活がいよいよ正常化の兆しです。昨年末に慶応大学が対面授業を9割にする、と意気込んでいたのですが、東京大学も原則として対面授業にする方針のようです。もはや、良くも悪くも、オミクロン株を封じ込めることは非常に厳しいので、ある種の割り切りが必要でしょう。特に大学生のような若年層はほとんど重症化しないので、さすがにもう元に戻してあげてほしい、と思います。

●2022年度の授業について(慶應義塾大学)
https://www.students.keio.ac.jp/com/class/schedule/class-2022.html

●東大教養学部 4月から対面授業再開 歓迎の一方で「つらい」という声も
https://www.todaishimbun.org/taimen_20220310/

 香港はずっとゼロコロナで快適な暮らしができていたのですが、僕が日本に戻ってしばらくしてから、検疫がゆるくなっていた航空会社のスタッフを通してオミクロン株の侵入を許し、オミクロンによる感染爆発が起きました。香港は、日本とは逆で、老人がめんどくさがったこととmRNAワクチンへの偏見もあって、老人の接種率が非常に低いところにこの感染爆発が起きて、昨年のイギリスなどの欧米の一番酷いときと同じぐらいの死亡率になっています。
 香港の状況からわかることはいろいろあり、(1)やはりワクチンの効果は絶大、(2)アジア人は遺伝的に守られているなんていうことはなく単に感染者が少なかっただけ、(3)オミクロン株はデルタ株ほどではないが致死率は初代武漢株を上回る、などです。まあ、信頼できる専門家の人たちが繰り返し言っていたことなのですが、ネットでポピュラーだった眉唾の話はことごとく否定されたと思います。
 中国本土の方も、いよいよゼロコロナの雲行きが怪しくなってきており、世界のコロナ対策がどうなっていくかの瀬戸際だと思います。

●新型コロナ、香港の死亡率が最悪 死亡者は世界で600万人超
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-03-07/R8DEORT1UM1I01

●中国 新型コロナ1日の新規感染者5000人超 おととし2月に匹敵
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye6007652.html

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

  • 日興証券相場操縦事件について解説お願いします

  • なぜ男は女にセックスを断られると機嫌が悪くなるのですか

  • 女性との会話で必要な5つのボタンを職場用に作りました

  • 『ナイル殺人事件』での女性心理について解説お願いします

  • 120万円かけた歯列矯正体験記

  • マッチングアプリの初アポでマスクを外したら可愛くなくモチベーションが下がり敗戦しました

  • 知り合いの有名インフルエンサーの女性を何とかゲットしたい

  • 何度かやれたAクラス女性からファンダメンタルバリュー不足を理由に振られました

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.馬鹿プーチンのおかげで世界経済はしばらくお休みだが我々はかまわない

 安倍前首相がプーチンを持ち上げたりして、プーチンをちょっと怖いけど親日家みたいな感じで、日本のメディアは好意的にプーチンとロシアを取り上げていました。それが、21世紀にこんなコテコテのド侵略戦争を急にはじめたものだから、プーチンは頭がおかしくなったんじゃないか、みたいに言われたのですが、いやいやそんなことはなくて、プーチンは昔からずっとこんな感じで、弱みを見せた相手をひたすら残虐な方法で殺し続けてきた血塗られた人物である、というのはこの分野にくわしい人たちにはよく知られていました。チェチェンやシリアなんか本当に酷くて、おぞましいことがたくさんプーチンによって行われたのですが、それを第三世界の出来事だとして見て見ぬふりを続けてきたわけです。天然ガスを安く売ってくれていたわけですし。

週刊金融日記 第512号 プーチンの血塗られたチェチェンやシリアでの過去が凄まじい

 今週は地球上で最も破壊された街(by国連)と呼ばれたチェチェン共和国の首都グロズヌイや、かつては交易の中心で美しい街であったシリアのアレッポがロシア軍の無差別な空爆で廃墟となってしまっことなど、この20年の間にプーチンがやってきたことを解説しようと思ったのですが、こういう歴史とか地政学の分野はマスコミなどのメディアがまあまあ得意な分野ですので、これからどんどんわかりやすい報道や記事が出てくるでしょう。金融とか科学とかはマスコミはポンコツなんですけどね。歴史なんかは僕よりいい解説者がたくさんいるので、こういう戦争とか政治とかは彼らに任せることにしました。また、昔の記事や動画もググればたくさん出てきます。

●アレッポに蘇るチェチェンの悲劇、2016年10月14日、マーク・ガレオッティ(ニューヨーク大学教授)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/10/post-6026_1.php

●ロシア侵攻、過去の戦術と共通点 シリアでも都市壊滅 キエフの「グロズヌイ化」に懸念、2022年3月12日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB085YS0Y2A300C2000000/

 1月頃にはウクライナ情勢はすでに不安定になっていたのですが、馬鹿プーチンが思ったとおり、いや思った以上の馬鹿だったので、1月に書いた世界経済悪化のシナリオはもはや確定的になりました。

週刊金融日記 第506号 コロナとナスダックとウクライナ 2022年はダメっぽい

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