見出し画像

週刊金融日記 第639号 中国脅威論について、ハリス対トランプ五分五分、香港ドラえもんドローン祭り、パワハラ上司の対処法、他

// 週刊金融日記
// 2024年8月12日 第639号
// 中国脅威論について
// ハリス対トランプ五分五分
// 香港ドラえもんドローン祭り
// パワハラ上司の対処法
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 週末はXを見ていたら、長崎の原爆の式典にイスラエルを招待しなかったもんだから、イスラエルとアメリカの二重国籍の駐日米大使のエマニュエル氏が、他のG7の国に呼びかけて揃ってボイコットに発展し、ネットはいろいろ騒がしくなっていました。

★まさに、踏み絵となったようですね。残念ながら、日本よりイスラエルの方がアメリカから見るとだいぶ上ですね。イスラエルの話をすると長くなるのですが、とにかく、イスラエルはとんでもなく上なんですわ。

★コロナの時に空いている長崎を旅行したのですが、懐かしいですな。隠れキリシタン関係のいろんな遺跡も巡りました。あの頃は、どこも空いていて良かったですわ。

★昔の映像で、こっちはノルマンディー上陸作戦の式典みたいですが、原爆投下の映像が流れて、オバマ大統領などは拍手しております。まあ、良くも悪くも、これが西側諸国の感覚ですね。

 イギリスの方では、凄惨な殺人事件の犯人が異人種の移民である、というフェイク情報がソーシャルメディアで拡散して、暴動にまで発展してしまいました。そして、イギリス政府が、偽情報やヘイトを流していたインフルエンサーを逮捕することを発表し、実際に次々と逮捕されています。
 そのせいか、以前からヘイト情報を流していたイギリス在住日本人インフルエンサーも、過去の投稿を削除し、急にしおらしくなっているようです。

●イギリス各地で人種差別反対の抗議続く 暴力扇動した「インフルエンサー」への捜査も続く
https://www.bbc.com/japanese/articles/c14z046xld7o

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

-特に政治思想のない日本人にとって中国はどの程度脅威なのでしょうか
-ドバイ在住ですがおすすめ証券会社を教えてください
-個人メディアはYouTubeとnoteの二刀流が最強ですか
-外資系の戦略コンサルティングファーム勤務ですがパワハラ上司に悩んでいます

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.中国脅威論について

 しばらく前にいただいた質問なのですが、あまりにも重大すぎるテーマなので、後回しにしておりました。国際政治の素人(つまり日本国民に限らず人類の95%以上)だからこそポロッと出てくる、極めて本質的な疑問だと思います。まさに中国=脅威だという前提で、G7を中心とする西側諸国の経済や政治がガラッと変わったわけですね。今週はこの非常に重大な認識の変化がいかにして起きているのか、という極めて核心的なことを論じたいと思います。
 さて、読者の方の投稿です。

+++++++++++++++++++++++++++
-特に政治思想のない日本人にとって中国はどの程度脅威なのでしょうか

私みたいな地政学などに詳しくない人間がYouTubeやTwitterで情報収集をしてると中国は怖い!やばい!という印象を持ってしまいます。

・放っておけば尖閣や沖縄に侵略されるぞ。毎日尖閣に来てるしエスカレートしてるぞ。下手したら九州まで盗られるぞ。
・ウイグルの弾圧は相当のものだぞ。
・中国人は全て監視されてて自由がないぞ。香港も相当酷い目にあったんだぞ。

などなどです。
なので中国は怖いしやばい国なので台湾有事も日本にとって他人事ではないと思っていました。
台湾が終われば次は日本だという意味でです。
ですが所長の見解をメルマガで読むにつれ印象が変わってきています。
確かに問題はあるのだろうけれど大分誇張されており、誘導されているのではないかと。
私としては主体がアメリカでも、中国でも、日本で平和に暮らせればこだわりはありません。
ですが中国に侵略されて酷い目に合うのであればそれは嫌です。
平和に暮らせればいいだけの特に政治思想のない私のような日本人にとって中国は本当に脅威なのでしょうか。
また、脅威であれば現実的にどのようなことが起こりえるのでしょうか。
所長の見解をお聞かせいただければ幸いです。
+++++++++++++++++++++++++++

 僕自身も政治思想やイデオロギーや党派性のあることにはなるべく関わりたくない、と思っている実践的、実利的な人間であります。政治的な問題はなるべく中立でありたいし、実益や実害を最優先に考え、身近な人たち、そして、この有料メルマガ読者の利益を第一に考えております。さて、中国脅威論は、いま世界を動かしている非常に根源的なことですので、長く書こうと思えばいくらでも書けるのですが、本質的なことにしぼって書こうと思います。

ここから先は

14,895字

¥ 220

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?