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週刊金融日記 第640号 不況の中国をちょくちょく旅行して考えた人間の生活水準とGDPの関係、岸田首相退任で9月自民総裁選、高速鉄道で深センに行って高級中華を食べてきた、出会い系メディアの25年史、他

// 週刊金融日記
// 2024年8月20日 第640号
// 不況の中国をちょくちょく旅行して考えた人間の生活水準とGDPの関係
// 岸田首相退任で9月自民総裁選
// 高速鉄道で深センに行って高級中華を食べてきた
// 出会い系メディアの25年史
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 週末はまた深センに行ってきました。中国本土2年間行き放題のビザが2万円弱だったんですが、それの元を取らないといけません。

★深センの屋台は安くて美味しいですね。

 アメリカはハリスvsトランプの大統領選で盛り上がっていますし、日本もほぼ次期首相を選ぶことになる自民党総裁選挙ですね。自民党の方は候補者が多数で、数人に絞れてくるとまた盛り上がってくるでしょう。
 米大統領選挙も本当に五分五分という感じですし、自民党の方も誰が総裁になるのかこの段階ではさっぱり読めません。

●自民党総裁選、10人超浮上の混戦 派閥解消の色濃く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1723F0X10C24A8000000/

●【米大統領選2024】 民主党大会始まりバイデン氏演説 ハリス氏とトランプ候補の対比強調
https://www.bbc.com/japanese/articles/cn49lpydq14o

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

-25年前出会い系がまだ雑誌媒体の頃から出会い続けて気付いたことがあります
-中丸雄一さんは恋愛工学を実践する我々の同志なのではないでしょうか
-将来は外資系金融機関で働きたいと思っていますが大学院での専攻を金融工学か情報工学かで迷っています
-非モテフルコミットの深淵から抜け出す物語

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.不況の中国をちょくちょく旅行して考えた人間の生活水準とGDPの関係

 今週のレストランのコーナーにも書いたが、また香港のお隣の深センに行ってきた。高速鉄道で15分だが、ちゃんと国境があり言葉も違う。香港は広東語で、中国の他の地方からの移民でできた深センは北京語が元になっている普通話(プートンホワ)である。一国二制度で税制から法律まで違う。香港から見ればちゃんとした外国だ。

●China to reopen borders with Hong Kong, Macau after COVID closure
https://aje.io/el7os0

 コロナ禍というともうずいぶん昔のことと思えるが、香港と中国本土を含む外国との間の往来に関するさまざまな制限が撤廃されたのは昨年の2月3日である。それ以降、香港に一気に観光客が押し寄せてきた。特に中国からは気楽に来れるということで、街は中国人観光客で溢れかえり、僕がよく行っていた近所の美味しい店にはすべて長い行列ができて行けなくなってしまった! オーバーツアリズムに抗議する観光地の住民たちの気持ちがわかったものである。一方、香港人たちは、高速鉄道などで便利になった深センや広州に出かけるようになった。

 あれから1年半経ってどうなったかというと、香港に来る中国人観光客は一気に減った。一方、香港人は深センや広州に毎週末出かけてはショッピングモールやレストランで豪遊している。中国本土の方が建物は広く綺麗で、買い物はなんでも値段が半額以下である。一方で、中国本土から香港に来るとその反対で、いまどき汚い現金を使っているし、建物は狭くて古いし、物価は2倍以上だ。食べ物も似たようなもんで、広州は同じ広東語で広東料理なので、だったら広州に行ったほうがいい、ということになる。要は中国人にとって、香港は一度行けばそれでいい、という観光地なのだ。中国人観光客が減ったのは、不動産バブル崩壊に伴う中国の景気の悪さもあるのかもしれないけれど。
 香港人が深センと広州に毎週末出かけて散財するのに、中国本土から香港には中国人があまり来ないのだから、今年の香港は去年の大混雑と比べるとだいぶ空いてきた。行列ができていた近所の飲食店も昔に戻り、ピークの時間帯以外ならふらっと入れるようになった。住民としてはとても快適になった。

●香港居民の北上消費が増加、来港者の消費パターン変化で香港の小売業に課題も
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/06/c27caedad2757429.html

●コラム:香港、「買い物天国」から凋落 住民も観光客も支出減
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/MVBY2DA3UZPGJG7S6ONXMM2WHY-2024-08-17/

★中国のレストランなんかのサービスが良くなったのはこういうことなのかもしれませんね。

★観光客が多すぎるオーバーツーリズムでスペイン人が観光客を追い出すデモをしていたことからわかるように、多すぎる観光客はそこに住んでいる人にとってはいいことではありません。僕的には香港がすこし空いてきて(依然として世界有数の過密都市ですが…)、住人としてはかなり好ましいことですね。

★いまは香港は空いていて高級ホテルもお手頃価格になっているので、シャッター音のしないiPhone(香港で買えば日本の規制で必要なカメラのシャッター音は出ません)など買うついでに香港週末旅行はオススメです。香港は銀行のATMもクレカもインターネットもぜんぶ西側システムなんで、日本やハワイと変わることなく、旅行は楽勝ですね。

 コロナ禍以前に中国本土に行ったのは、北京と上海と深センに短い旅行をしただけである。その時は、WeChatPayなどがある中国人の知人もいっしょにいたので、何の不自由もなかった。コロナ禍の後は、深センにもう5、6回は行ったし、ゴールデンウイークにドバイに行った際にトランジットビザで広州に一泊してちょっとだけ観光した。

週刊金融日記 第625号 広州の食は香港の上位互換だった件

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