嫦娥6号、歴史的な旅路へ出発

嫦娥6号、歴史的な旅路へ出発


日付:2024-05-03


2024年5月3日、中国南部の海南省にある文昌宇宙発射センターの発射台から打ち上げられる、「嫦娥6号」を搭載した長征5号ロケット。[写真/新華社]


月の裏側から物質を回収する世界初の試みである「嫦娥6号」は、金曜日の午後、中国最南端の海南省から歴史的な旅に出た。

8.35トンの「嫦娥6号」を乗せた、中国最大かつ最強の宇宙輸送機である長征5号重量級キャリアロケットは、20階建ての高さ、870トンの機体を持ち上げ、午後5時27分に発射台からまばゆい銀色の炎を上げながら空高く舞い上がり、沿岸部の文昌宇宙発射センターとその周辺にいた数十万人の観衆は、巨大なブースターが轟音を立てて上昇するのを見て、畏敬の念と興奮に包まれた。

2020年冬の「嫦娥5号」の成功に続く、同国にとって2度目の月サンプルリターン探査の幕開けとなった。

2024年5月3日、中国南部の海南省で月探査機「嫦娥6号」の打ち上げを待つ人々。[写真/新華社]


しかし、これから展開されるミッションは、月の表側に着陸した「嫦娥5号」よりもはるかに困難で、挑戦的で、人を釘付けにするものであり、大成功に終わっても、不運な失敗に終わっても、人類の最後のフロンティア探検の歴史における大胆な開拓の象徴として、間違いなく記録されるだろう。

それ以前にも、人類は10回の月サンプルリターンミッションを達成しているが、サンプルはすべて月の裏側から採取されたものだった。

「嫦娥6号」ミッションの大きな一歩は、中国にとっても、世界にとっても、今年最も重要な宇宙開発のひとつであり、世界中のメディアの見出しを飾り、中国国民の大きな注目を集めている。


2024年5月3日、中国南部の海南省にある文昌宇宙発射センターの発射台から打ち上げられる「嫦娥6号」月探査機を搭載した長征5号ロケット。[写真/新華社]


文昌市の地元観光局は、この大胆な月探査機の打ち上げの瞬間を目撃するために、金曜日に少なくとも20万人の旅行者が打ち上げ施設のある龍楼に集まると推定している。

中国国家航天局によると、長征5号ロケットはロボット月面探査機を地球-月間の移動軌道に乗せることに成功した。

今後数日以内に、「嫦娥6号」は月へ向かう軌道に沿って飛行し、いくつかの修正作業を行った後、誤って月を通過するのを避けるために重要なブレーキ操作を行うようプログラムされている。その後、探査機は月の重力に捕らえられ、月周回軌道に移動する。


2024年4月27日に撮影されたこの写真は、中国南部の海南省にある文昌宇宙発射センターで、月探査機「嫦娥6号」とキャリアロケット「長征5号遥8」の組み合わせが発射エリアに垂直に移送されている様子が写っている。[写真/新華社]


前身の「嫦娥5号」と同様、「嫦娥6号」も中国航天科技集団の傘下にある北京の中国空間技術研究が設計・製造したもので、軌道機(オービター)、着陸機(ランダー)、上昇機(アセンダー)、再突入カプセルの4つのコンポーネントで構成されている。

その運用プロセスは基本的に「嫦娥5号」を模倣する。探査機が月周回軌道に到達した後、探査機のコンポーネントは2つに分離され、オービターと再突入カプセルは軌道上に残り、着陸船と上昇船は月面に接近する。

すべての準備が整ったら、着陸船と探査機の組み合わせは、南極エイトケン盆地(月の裏側にある巨大なクレーターで、月で確認されている中で最大、最古、最も深い盆地でもある)に軟着陸し、ドリルと機械式アームを使って地表と地下のサンプル採取を開始する。

すべてが順調に進めば、最大2キログラムの石と土が採集され、アセンダー内の真空状態の金属容器に詰められる。


2024年5月3日、中国南部の海南省にある文昌宇宙発射センターの発射台から打ち上げられる「嫦娥6号」月探査機を搭載した長征5号ロケット。[写真提供:チャン・マオ/chinadaily.com.cn より]


2024年5月3日、中国南部の海南省にある文昌宇宙発射センターの発射台から打ち上げられる「嫦娥6号」月探査機を搭載した長征5号ロケット。[写真提供:チャン・マオ/chinadaily.com.cn より]



原文記事
中国国家航天局英語版ウェブサイト
https://www.cnsa.gov.cn/english/n6465652/n6465653/c10522480/content.html

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