設備管理(ビルメン)の仕事について思う事 ①

元々、ビルメンの仕事を縁の下の力持ち的仕事で、その施設を快適に利用する為にも大事な仕事と認識していた。

しかし、設備管理の仕事をしている人の中にも、自分の仕事を卑下している人がいる事を知り残念な気分になった。

私はビルメンとは全く無関係の仕事からこの業界に飛び込んだ。

歳をとってからも出来る仕事として、マンション等の管理人を考えていた。

今なら分かるけど、設備管理とビル警備の仕事の区別も知らないまま。

偶々、ハローワークで、このビル管理系統の職業訓練の制度がある事を知り、資格をいくつか持っていた方が就活に有利だという事を知り、昨年、訓練校に通った。

今年の3月頃に、訓練校の同期から、自分が勤めている現場でビルメンの人材を募集しているので、採用面接を受けてみないかという話があった。

以降、とんとん拍子でビルメン会社への就職が決まり、市の大型施設に派遣された。

仕事は電気メーターや水道メーターなどのチエックや設備の不備をチェックする簡単な仕事だと聞かされた。

しかし、派遣されてみると、仕事についてのまともな説明が無い。

1時間に一度づつ、パソコンのモニター画面に表示される使用電力量などを記録用紙に記入するだけの仕事で、その操作や見方をまともに教えない。

訓練校で教わって資格もあるのだから、これくらい分かるだろうみたいな言い方である。

全く見た事もない、空調や電流管理のソフトを使えと言われても無理な話だ。

ここに取扱説明書があるから読んでおけというのならまだ分かる。

そこの現場責任者は教育する気がまるでないのだ。

仕事を覚えたければ自分で覚えろというパターンかと思ったが、その職場では普通のビルメンの職場にはない独特の仕事が多い。

市の公共施設でありながら、商業棟を併設しており、テナントで使用した水道使用量をキロクし、請求の基礎にしている。

であればテナント毎にメーターを設置して見易い様にしておけば良いだけの話なのに、そもそも施設の設計段階で具体的な計画が決まっておらず、兎に角、何か箱物を作れば良いと言う形で見切り発車で出来た施設だった。

だから、設備メンテナンスの方針も具体的な事が決まらないまま完成させた施設なので、非常にメンテナンスがし難い施設になっている。

で施設オープン1年目は、テナント料金を格安で貸していたが、二年目に入り、正規のテナント料金になる事が決まってから、全テナントが賃借契約を解除した。

これは、施設の建設計画が始まる前から分かっていた事で、この使節は二年目から完全赤字施設になる事が決定し、以降市の税金の無駄使いの施設となっている。

その為、設備管理に充てられる予算は減り続け、設備員の人数も最低二人必要なところを1棟1人で対応している。

長々と書いたが、ビルメンの現場としてはかなり特殊な現場で、ビルメンとしてのスキルも全く上がらない職場で、元々いる老人達が妙に威張っている様な現場で、元々他の現場から余された人間の吹き溜まりになっている。

結局、私は快方に向っていた膝の怪我を悪化させ、職場の雰囲気の悪さに、それに我慢する意味が見いだせず、現場リーダーと衝突し早目の退散を決めた。

しかし、歳をとってからの挫折は堪える。

そんなに自分は弱く、無能な人間だったのかと。

しかし、体の痛みは、人の集中力の邪魔をする。結果、凡ミスを繰り返し、自分の自信を破壊していく。

仕事を辞めてから、何故、あんな簡単な事を普通に出来なかったのかと、後悔の連続である。

ただ、ビルメンの職場を選択する際は、直ぐに辞める事もありだという気持ちで勤めないと、深手の傷を負う事になりかねない。

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