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会いたかった人に会いに行った

少しだけ前の話になるが5/27に小松美羽さんのライブペイントを見に姫路まで行ってきた。


小松美羽さんは現代アーティストで、世界でも活躍されている芸術家の方です。

私が小松美羽さんと初めて出会ったのは浪人時代の時で、たまたまテレビをつけたらやっていたドキュメンタリー番組でした。

「浪人」という身分もあり、頭の中はずっと進路のこと、大学のこと、将来の夢のこと、成績のこと…ずっとこれらのことばかりを考えていました。いや、考えるしかありませんでした。
周りの人達や友達は「歴史に興味がある」とか「本が好きだから」など、自分の興味のあることを上手く行きたい学部と関連付けて進路を決めているように見えましたが、当時、私は何がしたいか、何に興味があるのか、まったく分かりませんでした。なので進路を決めるのはとても辛いものでした。取っ掛かりが無かったから。

そんな中でぼんやりと見ていたドキュメンタリー番組。小松美羽さんに密着取材した様子が流れてくる。そこで見た小松美羽さんの絵がまた強烈なものであった。少し怖くて、少しグロテスクな雰囲気もある。
普段の私なら「よく分からん絵だなー…」と一蹴してチャンネルを変えていたでしょう。しかし、その時はなぜか食い入るように見ていました。

すると、突然「あ、私の好きなことって知らないことを知ることだ。別に具体的なものが好きって言わなければいけないルールはないんだ。」って思えたんです。「私にも好きなものがあった」と、とても喜んだことを覚えています。
当時はどうしても「歴史が好き」「本が好き」という風な具体的なものが好きじゃないといけない、というような考えに縛られていて、その考えから少しだけ抜け出すことが出来た事にすごく感動したのかもしれません。

それ以来、小松美羽さんには「一度会ってみたい!!そして、少しでも良いからお話したい!!」と思っていました。しかし、小松さんのイベントはいつもの自分の住んでいる所からは遠いところばかりでなかなか行けず何年も経っていました。。

なので。今回のイベントは本当に嬉しいものでした。

イベント会場に行って見るとそこにはすでに小松美羽さんが。「本物がおる!!!」と興奮ぎみでした。

しかし、遠目から小松さんが色んな人と挨拶している様子や喋っている様子を見ていると、「あぁ、小松さんも私と同じ人間なんだー」と不思議に落ち着いてきていつしか自分の中で神格化していたことが恥ずかしくなってしまいました。

ライブペイントの様子

「あー、これが見たかったんだ…」と心底思った。
鳥肌がずっと立っていた。小松さんのパワーを全身で感じる事が出来た。かつてテレビからでは伝わらなかったものを直接感じていた。

ライブペイント後のサイン会で、私は浪人時代の時の事の感謝を伝える事が出来た。もう感情がよく分からなくなって泣いてしまった。びーびー泣いた。ようやく伝える事が出来た。本当に伝える事が出来た。まさか伝える事が出来るとは…。握手も出来た。小松さんの手は少しだけ冷たく感じたが、「今ここにいて、生きているんだー」と思うとまた泣けてきた。

会いたい人に会いに行くことの大切さを知った。
その人と一緒の空間にいて、同じ空気を吸うこと、話すことだけで、とっっても幸せな気分になれる。それが一方的な思いであっても、私はとても幸せだった。自分にもこんな生き生きした気持ちを持つことが出来て、ツヤツヤした心になれることを知った。純粋に「会いたい!!」という気持ちだけで動けるパワーが自分にもあるんだと。

会いたいから会いに行った。伝えたいから伝えた。

それだけで十分。それ以外に理由は見つからない。だからそれでよかった。来てよかった…。会えてよかった…。