10月9日(土)早朝。まだ平和だ。

父を自宅で看取った前後の1ヶ月の記録。

朝方、4時頃に妹と交替。

昨夜も大変だったらしい。私が行った時には、妹のことも私のことも分かったみたいで、私にひとしきり何か話して、妹に、休憩するように言ってから寝てしまった。

なので、今日は、父の寝息を聞きながら、ずっと横になっている。

その前の早朝は、眠りたいけれど、体勢が取れず、うつぶせになってみようとする父と格闘していた。

チューブが2本あるので、それが抜けないように、こんがらがらないようにするのが大変で、一人で大汗をかいた。

途中で、私が下手すぎて、妹を呼べと言われるし…。妹を休ませるのが私の役目なので、それだけは勘弁してもらったけど。

昨日は訪問診療があったので、妹と先生とで夜間せん妄を何とかするための手だてをあれこれ考えていたけれど、あまり効果はなかったのかな。

私に替わってからは、よく寝ているのでようやく薬が効いてきたのかな。

月曜日に再び兄が帰ってきてから、毎晩宴会していたけれど、徐々にアルコールが欲しくなくなってきた。それでも、昨日も小さいコップに1杯は、ビールを飲んでいたけれど。(そのビールも、すぐにチューブで、外に排出されてしまうんだけれど。)

だんだん滑舌が悪くなり、口が乾くようになってきている。飲み込むのもしんどくなってきている。

徐々に弱ってきている自分を実感している。

でも、心は元気で、弱気になることもあるけれど、いろんな昔話を楽しく聞かせてくれる。

ここ二日は、妹と母が夕方、散歩に行っているので、その間は、父と二人で、あれこれ話した。

「一恵とやったら、すぐに30分くらい話してしまうなぁ。疲れるわ。」

と、愚痴りながらも嬉しそう。

飲んだときは饒舌に話すけれど、飲まないと、家では結構むすっとしたおじさんだったので、薬のせいかもしれない。(外では社交的でいいおじさん、のようだ。見てないので実際のところは知らないけれど。)

でも、食べられない父にとって、おしゃべりすることは、最大の楽しみのひとつと思われるので、心に湧いてきた思いを気の向くままに話すのにつきあいたいな、と、思う。

私は、看護生活が始める前、どんな気持ちになるんだろう、と、思って、自分の心の状態を観察するのを楽しみにしていた。

大変だけど、楽しいなぁって思ってる。

妹や母が倒れないように気を使いつつ、自分も倒れないように、無理はしないことをモットーに生きてる。

訪問看護の看護師さん達、訪問診療のお医者さんと看護師さん、薬を持ってきてくださる薬剤師さん、父が電話したくなるくらい仲良くしてくれたお友達、と、たくさんの関わりができた。

家族で孤立して看護している状況ではないのがありがたいし、楽しい。

「看取る」仕事をしている方々の明るさ、力強さに感謝しっぱなし。

帰ってくることを選ばなければ、この体験はできなかったので、すごく良かった。

わが家は妹が看護師で、毎晩彼女が夜勤を担当してくれるから、こんなことを感じることができているんだと思う。

妹の体力が限界にならないようにできる限り支えることが私の役目。

母が、だいぶ、自信がついてきて、一人でトイレとタバコスペースへ誘導できるようになったのも、楽になったひとつ。

母と私のセットで何とか妹一人分弱。

今日は、妹んとこの子達が勉強道具も持って遊びに来る。

先週、勉強をみた時にやるように言っていたことの成果が出たそうで、「一恵ちゃんまだいるの? 一恵ちゃんに勉強みてほしい。」って言ってるらしい。

私にできることは、子ども達の勉強みることだけなので、役に立てることが嬉しい。

こんな感じで、大変だけれど、楽しい毎日。

父が「今日も楽しかった。」と思える1日を過ごしつつ、自分もその中で楽しく生きよう😊



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