【直樹の日常.18U】睨みつける
ニトラゼパムを減薬している。
もう20分の1くらいの量になるも、
0にはできない。
0にすると、途端に不眠が生じる。
それを先生に話すと、「ベルソムラに置き換えましょうか?」
睡眠薬の新薬だ。作用が旧薬と違って
依存性がないという。
置き換えても、しかし直樹は眠れなかった。
1錠を20分割するくらい細やかな性格が祟っているようだ。
砂粒ほどのニトラゼパムに、
今日眠れるかどうか、
もっと言うと、次の日に人間的に過ごせるか否かが
かかっている。
小粒の眠剤に全体重を預ける自分とは
かようにもちっぽけな存在なのか。
ニトラゼパムを睨みつける。
ニトラを低量維持し、
もう一方のゾピクロンを減量してみる。
意外にも出来るじゃないか。
ニトラの依存が薄くなるまで、
ただ待つだけではなく、ゾピクロンを減らせそうだ。
眠剤残り、
ニトラゼパム少量、
ゾピクロン10㎎3/4錠、
オランザピン5㎎1錠、
道のりはまだ長いが、雲の先に光がのぞいている。
しかし、割ったゾピクロンは苦くていかん。